7 / 17
それぞれの思惑で…
しおりを挟む
「きゃああっ!」
「「「「「っ!?」」」」」
ガシャーーン!
びったーーん!
がばっ!「セレンディア様っ…どぉしてあたしにいじわるするんですかぁ…ぐすっ…」
「「「「「………」」」」」
「………はい?」
わたくしは今、カフェテリアでグレン、カイ、ルチアーナ様、カナリア様の5人でランチをしている所です。
座っている順番はカイ、わたくし、グレン…向かいにルチアーナ様、カナリア様が座っています。
そう…わたくしは通路側に居るカイと壁側に居るグレンに挟まれた真ん中に居るのですが……
「グレン様っ! 助けて下さい。 セレンディア様があたしをっ…うっ…ううっ…ぐすんっ…」
「えっ!?俺っ??」(ええっ!!何で俺っ? 嫌なんだけどっ?)
「…ねぇ君、何故セレンディア様の所為になるの?」
カイがっ…カイの表情がっ……
「そんなのっ! セレンディア様が足を引っかけたからに決まってるからじゃないですかっ!」
いやいや、どう考えても無理でしょ。
「…どうやって?」
「え?……あっ!!」
「それに君、確か朝セレンディア様に体当たりしようとしたよね?」
「っ!! そんなことしてませんっ。 今朝は急いでてっ…だから…もういいですっ!!」
あっ! 行っちゃった……これ誰が片づけるの?
「はぁぁ…申し訳ありませんお嬢様、掃除係を呼んで参ります…グレン様、お嬢様をお願いしても宜しいでしょうか?」
「いいよ。任された」
「セレンディア様、今のは何だったのでしょう」
カナリア様が心底不思議そうに聞いてきましたが、わたくしが聞きたいくらいですわ。
「分かりませんわ…」
「あの令嬢、グレン様に助けを乞われましたがお知り合いなのですか?」
「いいえ、ルチアーナ嬢。 確かにどこかで見た様な気はしますが、名前も知りません…ここは学院ですからすれ違っていたとしても不思議ではないですがね」
「そうですわよねぇ……セレンディア様、もし宜しければ行動する際、わたくしもご一緒して構いませんでしょうか?」
「セレンディア様。わたくしもご一緒致しますわ」
「お2人共、ありがとうございます」
「確かに、俺達が傍に居たくても、男じゃダメな場合があるからなぁ」
「セレンディアっ!!」
カフェテリアから教室に向かって歩いている時、突然後ろから名前を呼ばれました。
「貴様っ! やっと学院へ出て来たと思ったらなんだっ! 男を2人も侍らせて恥ずかしくないのかっ!!」
振り返ってみれば、いきなり凄い剣幕で捲し立てられてしまいましたが…
「あの……どちら様でしょうか?」
「なっ!?…くそっ!!」
ちょっと、 カイもグレンも…なんで肩が震えてるんですか?
あれぇ? ルチアーナ様、カナリア様、目を逸らさないで下さいませ…
「とっ、とにかく! お前に話が有るっ、来い!!」
知らない男は急にわたくしの腕を掴もうとして…
「ぐっ……! 無礼なっ!!」
逆にカイが相手の腕を掴み、グレンがわたくしを守る様に立ち位置を変えました。
「フリード様、 セレンディア様にお手を触れませぬ様…」
フリード様? って例のわたくしを引っ叩いた王太子ですか…
「カイ、手を放してあげて」
「…………御意」
カイがフリード様から手を放し、グレンと2人でわたくしの左右で斜め前に立ちます。
「フリード様、お久しぶりで御座います。 と言っても、わたくしは覚えておりませんので貴方様とお話しする事はありません…」
「なんだとっ! 貴様っ、私の婚約者でありながら…「わたくしと!」っ!?」
「貴方様との婚約は、とうに白紙撤回している筈ですわ」
「だから!! その話をっ!」
「お話する事は無いと申しました。 失礼します」
踵を返し足を踏み出そうとしたところで…
「なっ!! 不敬罪にするぞっ!!」
わたくしは再び振り返り、にっこり笑って言葉を返します。
「わたくし、陛下からあらゆる不敬罪を無効にする…とのお言葉を頂いておりますのよ」
「何だとっ!? くそっ!!!」
フリード様は悔しそうに去って行かれましたわ。
午後の授業を終えてわたくし達はまたカフェテリアへ来ております。
5人でお茶をしながら雑談をしていますと、1人の令嬢が近付いて来ました。
「あら、セレンディア様、気を付けて下さいませ。メリンダ様がこちらへ向かって来ておりますわ」
メリンダ様? フリード様とセットの?
「まあっ! セレンディアさまぁ、学院に帰って来たんですかぁ?」
!? 何この甘ったるい喋り方はっ! これが俗に言うぶりっ子なのね。
「……………………」
あらら…カイが絶句してるわ。 ちょっと面白いかも…
「ぶふっ!……ごほごほっ……」
あ、固まったカイを見てグレンが吹いたっ!
「フリード様に捨てられてぇ、セレンディア様可哀そぉ」
ぴきっ!
ル、ルチアーナ様? あの…? 青筋が……
「メリンダ様。 その様なデマを吹聴なさらないで頂けますかしら?」
「そうですわっ。 男爵令嬢風情が…」ばきっ!!
ひぃぃぃっ!! カナリア様っ!? 笑顔がっ…扇子がっ……!
「なっ! なによっ! 貴女達には関係無いでしょうっ?」
「セレンディア様はわたくし達のお友達ですのよ」 ぴきぴきっ!
「関係無い訳有りませんでしょう」 ばきばきっ!
「あのさぁ、メリンダ嬢。 あんまりおイタが過ぎると手酷いしっぺ返しを食らうよ?」
あ~あ…メリンダ様、お顔が般若みたいになってますわ…
「ふんっ!!」
あら、 おとなしく引き下がりましたわね。
「す……すまない…役に立たなかった」
わたくしなんか一言も話してませんでしたわよ…
「いいさ、 カイにはあゝ言うの免疫が無かっただろうからさ」
「ふふっ、 皆さん、ありがとうございます」
「「「「「っ!?」」」」」
ガシャーーン!
びったーーん!
がばっ!「セレンディア様っ…どぉしてあたしにいじわるするんですかぁ…ぐすっ…」
「「「「「………」」」」」
「………はい?」
わたくしは今、カフェテリアでグレン、カイ、ルチアーナ様、カナリア様の5人でランチをしている所です。
座っている順番はカイ、わたくし、グレン…向かいにルチアーナ様、カナリア様が座っています。
そう…わたくしは通路側に居るカイと壁側に居るグレンに挟まれた真ん中に居るのですが……
「グレン様っ! 助けて下さい。 セレンディア様があたしをっ…うっ…ううっ…ぐすんっ…」
「えっ!?俺っ??」(ええっ!!何で俺っ? 嫌なんだけどっ?)
「…ねぇ君、何故セレンディア様の所為になるの?」
カイがっ…カイの表情がっ……
「そんなのっ! セレンディア様が足を引っかけたからに決まってるからじゃないですかっ!」
いやいや、どう考えても無理でしょ。
「…どうやって?」
「え?……あっ!!」
「それに君、確か朝セレンディア様に体当たりしようとしたよね?」
「っ!! そんなことしてませんっ。 今朝は急いでてっ…だから…もういいですっ!!」
あっ! 行っちゃった……これ誰が片づけるの?
「はぁぁ…申し訳ありませんお嬢様、掃除係を呼んで参ります…グレン様、お嬢様をお願いしても宜しいでしょうか?」
「いいよ。任された」
「セレンディア様、今のは何だったのでしょう」
カナリア様が心底不思議そうに聞いてきましたが、わたくしが聞きたいくらいですわ。
「分かりませんわ…」
「あの令嬢、グレン様に助けを乞われましたがお知り合いなのですか?」
「いいえ、ルチアーナ嬢。 確かにどこかで見た様な気はしますが、名前も知りません…ここは学院ですからすれ違っていたとしても不思議ではないですがね」
「そうですわよねぇ……セレンディア様、もし宜しければ行動する際、わたくしもご一緒して構いませんでしょうか?」
「セレンディア様。わたくしもご一緒致しますわ」
「お2人共、ありがとうございます」
「確かに、俺達が傍に居たくても、男じゃダメな場合があるからなぁ」
「セレンディアっ!!」
カフェテリアから教室に向かって歩いている時、突然後ろから名前を呼ばれました。
「貴様っ! やっと学院へ出て来たと思ったらなんだっ! 男を2人も侍らせて恥ずかしくないのかっ!!」
振り返ってみれば、いきなり凄い剣幕で捲し立てられてしまいましたが…
「あの……どちら様でしょうか?」
「なっ!?…くそっ!!」
ちょっと、 カイもグレンも…なんで肩が震えてるんですか?
あれぇ? ルチアーナ様、カナリア様、目を逸らさないで下さいませ…
「とっ、とにかく! お前に話が有るっ、来い!!」
知らない男は急にわたくしの腕を掴もうとして…
「ぐっ……! 無礼なっ!!」
逆にカイが相手の腕を掴み、グレンがわたくしを守る様に立ち位置を変えました。
「フリード様、 セレンディア様にお手を触れませぬ様…」
フリード様? って例のわたくしを引っ叩いた王太子ですか…
「カイ、手を放してあげて」
「…………御意」
カイがフリード様から手を放し、グレンと2人でわたくしの左右で斜め前に立ちます。
「フリード様、お久しぶりで御座います。 と言っても、わたくしは覚えておりませんので貴方様とお話しする事はありません…」
「なんだとっ! 貴様っ、私の婚約者でありながら…「わたくしと!」っ!?」
「貴方様との婚約は、とうに白紙撤回している筈ですわ」
「だから!! その話をっ!」
「お話する事は無いと申しました。 失礼します」
踵を返し足を踏み出そうとしたところで…
「なっ!! 不敬罪にするぞっ!!」
わたくしは再び振り返り、にっこり笑って言葉を返します。
「わたくし、陛下からあらゆる不敬罪を無効にする…とのお言葉を頂いておりますのよ」
「何だとっ!? くそっ!!!」
フリード様は悔しそうに去って行かれましたわ。
午後の授業を終えてわたくし達はまたカフェテリアへ来ております。
5人でお茶をしながら雑談をしていますと、1人の令嬢が近付いて来ました。
「あら、セレンディア様、気を付けて下さいませ。メリンダ様がこちらへ向かって来ておりますわ」
メリンダ様? フリード様とセットの?
「まあっ! セレンディアさまぁ、学院に帰って来たんですかぁ?」
!? 何この甘ったるい喋り方はっ! これが俗に言うぶりっ子なのね。
「……………………」
あらら…カイが絶句してるわ。 ちょっと面白いかも…
「ぶふっ!……ごほごほっ……」
あ、固まったカイを見てグレンが吹いたっ!
「フリード様に捨てられてぇ、セレンディア様可哀そぉ」
ぴきっ!
ル、ルチアーナ様? あの…? 青筋が……
「メリンダ様。 その様なデマを吹聴なさらないで頂けますかしら?」
「そうですわっ。 男爵令嬢風情が…」ばきっ!!
ひぃぃぃっ!! カナリア様っ!? 笑顔がっ…扇子がっ……!
「なっ! なによっ! 貴女達には関係無いでしょうっ?」
「セレンディア様はわたくし達のお友達ですのよ」 ぴきぴきっ!
「関係無い訳有りませんでしょう」 ばきばきっ!
「あのさぁ、メリンダ嬢。 あんまりおイタが過ぎると手酷いしっぺ返しを食らうよ?」
あ~あ…メリンダ様、お顔が般若みたいになってますわ…
「ふんっ!!」
あら、 おとなしく引き下がりましたわね。
「す……すまない…役に立たなかった」
わたくしなんか一言も話してませんでしたわよ…
「いいさ、 カイにはあゝ言うの免疫が無かっただろうからさ」
「ふふっ、 皆さん、ありがとうございます」
1,106
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ヒロインの味方のモブ令嬢は、ヒロインを見捨てる
mios
恋愛
ヒロインの味方をずっとしておりました。前世の推しであり、やっと出会えたのですから。でもね、ちょっとゲームと雰囲気が違います。
どうやらヒロインに利用されていただけのようです。婚約者?熨斗つけてお渡ししますわ。
金の切れ目は縁の切れ目。私、鞍替え致します。
ヒロインの味方のモブ令嬢が、ヒロインにいいように利用されて、悪役令嬢に助けを求めたら、幸せが待っていた話。
逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?
魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。
彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。
国外追放の系に処された。
そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。
新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。
しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。
夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。
ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。
そして学校を卒業したら大陸中を巡る!
そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、
鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……?
「君を愛している」
一体なにがどうなってるの!?
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました
Blue
恋愛
幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる