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記念舞踏会は大騒ぎ
フリード様が去り、平穏を取り戻した舞踏会は穏やかに進んでいた。
「セレンディア、踊ったから喉乾いたろ?」
「そうですわね…あそこのドリンクは貰っても良いのですわよね?」
「うん、じゃ皆で行こうか」
「あら、わたくし達は先程頂きましたからお2人で行かれては?」
「ええ、ルチアーナ様とあちらの席でお待ちしていますわ」
「そうかい? じゃ、セレンディア行こうか」
「え? あ、はい」
なんか…自然な流れで…? 2人で行く事になりましたが……
まぁ、グレンから離れるなとカイにも言われましたし…ね。
「色々あるな、どれにする?」
「綺麗な色…わたくしこれにしますわ」
「じゃ俺はこっちのにするよ、セレンディアそれ貸して」
「自分で持てますわよ?」
「ダーメ…何か持ってドレスで歩くのはまだ慣れないだろ?」
「あ、ありがとう…」
わ、わたくしってば、何故照れてしまうのかしら…ただグラスを持って貰っただけなのに…
グレンが何かいつもと違うからですわ…相変わらずやさしいのだけれど…
こう、何と言うか…ん~…
こういう場所だから、かしら…?
「ルチアーナ様、カナリア様、お待たせしましたわ」
「お帰りなさ!?セレンディア様っ!!」
「え?」
バシャッ!
ガシャーン!
「きゃああっ! セレンディア様っ」
「っ! メリンダ嬢っ!!」
「離してよっ!痛いじゃないっ!」
ルチアーナ様達の居る席へ戻って来た時、ほんの一瞬グレンから離れた隙に、メリンダ様に背後からグラスを投げつけられてしまいました。
すぐさまグレンが取り押さえてくれましたが、お母様と選んだドレスが…
「メリンダ様、何故この様な…」
「うるさいっ! 婚約が白紙になったくせにっ! いつまでフリード様を振り回すのよっ!!」
「メリンダ嬢。君は何か勘違いしていないか? セレンディアは王太子を振り回してなどいないぞ」
ぎりっ!
「痛いっ!!」
グレンがメリンダ様の腕を締め上げた時、カイが駆け付けて来ました。
「グレン様、私が警備に引き渡しますので、お嬢様を…」
「分かった。 おいでセレンディア、グラスの破片が付いているかもしれないからドレスをなんとかしよう」
「ええ………」
「お手伝い致しますわ、セレンディア様」
「ルチアーナ様、わたくしも手伝いますわ」
「君、私の馬車に衣装ケースがあるから持って来てくれないか?」
「ファリアスタ家の馬車ですね、畏まりました」
後ろでグレンが給仕の人に何か頼んでから、わたくし達の所へ戻って来ました。
3人が付き添ってくれて控室へ向かいますが、折角今日の舞踏会の為にお母様と選んだドレスがこんな事になって…と、わたくしは酷く落ち込んでしまっていた。
コンコンコン―――
「ファリアスタ様。 お荷物をお持ち致しました」
「あゝ、ありがとう」
グレンが荷物を受け取り、わたくしに渡して来ました。
「セレンディア、これに君の着替えが入ってる。 良ければ使ってくれ」
「わたくしの着替え? どうしてグレンが?」
「そのドレスを作った時、俺も居ただろう? あのデザイナーに言って仕立てて貰ったんだ。 次に夜会か舞踏会に出る時着て貰おうと思って、今日帰りに渡すつもりだったんだ…」
「まあっ! セレンディア様っ。素敵なドレスですわ」
「本当ですわね。 これ絶対似合いますわ」
「ありがとう、グレン…」
どうしよう…嬉しくてちょっと涙が滲んで来ちゃった…
「じゃ、俺は向こうの部屋にいるから…」
グレンが珍しく照れて、頬を掻きながら隣の部屋へ歩いて行った。
コンコンコン―――
「グレン様、セレンディア様のお着替え終わりましたわ」
「…………」
隣の部屋に行くと、グレンが此方を見て…固まってる?
「あの……グレン…?」
わたくしが話しかけた途端、綻ぶ様に笑った。
「…っ!?」
「似合ってる、セレンディア…綺麗だよ―――」
一瞬、息が止まるかと思った……
その後、広間に戻ったわたくし達は、またもや心配する学院長に事情を聞かれる事になりましたが、グレンやルチアーナ様、カナリア様が事の次第を説明して下さいました。
わたくし達が居た席に戻ると、グラスの破片や汚れた床は綺麗に片づけられており、そのまま楽しく雑談をしていると、カイが戻って来ました。
グレンに頂いたドレスを着ているのを見て、「はぁぁ…(旦那様達に何と言えば…)」と、溜息を吐き何かぶつぶつ呟いていましたが、声が小さくて聞こえませんでした。
―――メリンダside―――
どうして? 何故フリード様は私をエスコートしてくれないのよっ!?
今迄は夜会でもフリード様から申し込みが有ったのにっ!
幾ら学院主催の正式じゃない舞踏会と言っても、セレンディアが来るのよっ? しかも婚約が白紙になって初めての舞踏会なのにっ!
学院でも全然取りあってくれなくなったし…まさか!? セレンディアに未練でも有るっていうの? あんなに虐げていたのに?
「!? 何よあれ…」
仕方なく1人で来てみればっ 何なのよあれはっ!!!
「婚約をし直すですって!?」
冗談じゃないわよっ!
そんな事させる訳ないじゃないっ!!
やっとここまで来たのよ…
私の邪魔はさせないわ…
セレンディア、あんたは存在自体が邪魔なのね…
悪役令嬢とは良く言ったものよね、悪役は消えるべきなのよ…
まずはこの舞踏会から消えて貰うわっ!
「ドレスがダメになれば帰るしかないわよね…ふふっ…」
「セレンディア、踊ったから喉乾いたろ?」
「そうですわね…あそこのドリンクは貰っても良いのですわよね?」
「うん、じゃ皆で行こうか」
「あら、わたくし達は先程頂きましたからお2人で行かれては?」
「ええ、ルチアーナ様とあちらの席でお待ちしていますわ」
「そうかい? じゃ、セレンディア行こうか」
「え? あ、はい」
なんか…自然な流れで…? 2人で行く事になりましたが……
まぁ、グレンから離れるなとカイにも言われましたし…ね。
「色々あるな、どれにする?」
「綺麗な色…わたくしこれにしますわ」
「じゃ俺はこっちのにするよ、セレンディアそれ貸して」
「自分で持てますわよ?」
「ダーメ…何か持ってドレスで歩くのはまだ慣れないだろ?」
「あ、ありがとう…」
わ、わたくしってば、何故照れてしまうのかしら…ただグラスを持って貰っただけなのに…
グレンが何かいつもと違うからですわ…相変わらずやさしいのだけれど…
こう、何と言うか…ん~…
こういう場所だから、かしら…?
「ルチアーナ様、カナリア様、お待たせしましたわ」
「お帰りなさ!?セレンディア様っ!!」
「え?」
バシャッ!
ガシャーン!
「きゃああっ! セレンディア様っ」
「っ! メリンダ嬢っ!!」
「離してよっ!痛いじゃないっ!」
ルチアーナ様達の居る席へ戻って来た時、ほんの一瞬グレンから離れた隙に、メリンダ様に背後からグラスを投げつけられてしまいました。
すぐさまグレンが取り押さえてくれましたが、お母様と選んだドレスが…
「メリンダ様、何故この様な…」
「うるさいっ! 婚約が白紙になったくせにっ! いつまでフリード様を振り回すのよっ!!」
「メリンダ嬢。君は何か勘違いしていないか? セレンディアは王太子を振り回してなどいないぞ」
ぎりっ!
「痛いっ!!」
グレンがメリンダ様の腕を締め上げた時、カイが駆け付けて来ました。
「グレン様、私が警備に引き渡しますので、お嬢様を…」
「分かった。 おいでセレンディア、グラスの破片が付いているかもしれないからドレスをなんとかしよう」
「ええ………」
「お手伝い致しますわ、セレンディア様」
「ルチアーナ様、わたくしも手伝いますわ」
「君、私の馬車に衣装ケースがあるから持って来てくれないか?」
「ファリアスタ家の馬車ですね、畏まりました」
後ろでグレンが給仕の人に何か頼んでから、わたくし達の所へ戻って来ました。
3人が付き添ってくれて控室へ向かいますが、折角今日の舞踏会の為にお母様と選んだドレスがこんな事になって…と、わたくしは酷く落ち込んでしまっていた。
コンコンコン―――
「ファリアスタ様。 お荷物をお持ち致しました」
「あゝ、ありがとう」
グレンが荷物を受け取り、わたくしに渡して来ました。
「セレンディア、これに君の着替えが入ってる。 良ければ使ってくれ」
「わたくしの着替え? どうしてグレンが?」
「そのドレスを作った時、俺も居ただろう? あのデザイナーに言って仕立てて貰ったんだ。 次に夜会か舞踏会に出る時着て貰おうと思って、今日帰りに渡すつもりだったんだ…」
「まあっ! セレンディア様っ。素敵なドレスですわ」
「本当ですわね。 これ絶対似合いますわ」
「ありがとう、グレン…」
どうしよう…嬉しくてちょっと涙が滲んで来ちゃった…
「じゃ、俺は向こうの部屋にいるから…」
グレンが珍しく照れて、頬を掻きながら隣の部屋へ歩いて行った。
コンコンコン―――
「グレン様、セレンディア様のお着替え終わりましたわ」
「…………」
隣の部屋に行くと、グレンが此方を見て…固まってる?
「あの……グレン…?」
わたくしが話しかけた途端、綻ぶ様に笑った。
「…っ!?」
「似合ってる、セレンディア…綺麗だよ―――」
一瞬、息が止まるかと思った……
その後、広間に戻ったわたくし達は、またもや心配する学院長に事情を聞かれる事になりましたが、グレンやルチアーナ様、カナリア様が事の次第を説明して下さいました。
わたくし達が居た席に戻ると、グラスの破片や汚れた床は綺麗に片づけられており、そのまま楽しく雑談をしていると、カイが戻って来ました。
グレンに頂いたドレスを着ているのを見て、「はぁぁ…(旦那様達に何と言えば…)」と、溜息を吐き何かぶつぶつ呟いていましたが、声が小さくて聞こえませんでした。
―――メリンダside―――
どうして? 何故フリード様は私をエスコートしてくれないのよっ!?
今迄は夜会でもフリード様から申し込みが有ったのにっ!
幾ら学院主催の正式じゃない舞踏会と言っても、セレンディアが来るのよっ? しかも婚約が白紙になって初めての舞踏会なのにっ!
学院でも全然取りあってくれなくなったし…まさか!? セレンディアに未練でも有るっていうの? あんなに虐げていたのに?
「!? 何よあれ…」
仕方なく1人で来てみればっ 何なのよあれはっ!!!
「婚約をし直すですって!?」
冗談じゃないわよっ!
そんな事させる訳ないじゃないっ!!
やっとここまで来たのよ…
私の邪魔はさせないわ…
セレンディア、あんたは存在自体が邪魔なのね…
悪役令嬢とは良く言ったものよね、悪役は消えるべきなのよ…
まずはこの舞踏会から消えて貰うわっ!
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