14 / 17
近付いて来る不穏な足音 ③
しおりを挟む
「「おはようございます、セレンディア様」」
「ルチアーナ様、カナリア様、おはようございます」
あの舞踏会から5日、グレンと婚約してから初めての学院ですわ。
「あ、あのね? お2人共、実は…その…」
「くくっ…セレンディア、それじゃ伝わんないよ?」
グレンが笑いながらわたくしの肩に手を置いて…
「俺とセレンディア、婚約したんだ」
と、ルチアーナ様とカナリア様に告げました。
「まあっ! おめでとうございます!」
「あら、やはりそうでしたの。ふふっ。 おめでとうございます」
やだぁ…友達にこんな報告するのって、すっごく照れるわっ…
カイ…そのニヤついた顔、つまんで引き延ばしていいかしら……
「そっ、そろそろ授業始まるわねっ! 席に着きましょうっ!」
「うふふっ…そうですね」
「また後でお話し聞かせて下さいね、セレンディア様」
「ううっ……はい…」
わたくし達は、それぞれ自分の席に座りましたが、ちらっと隣を見るといつもの笑顔を向けてくれるグレンと目が合い…
そう、いつもの笑顔なんです。 いつもの笑顔なんですが…
わたくしに愛情を抱いていると分かっているから…なんというか…
ぼふんっ!
直視出来ませんっ…だってだって愛してるって…ぎゅっ…って……
思い出しちゃって、両手で顔を覆い隠して俯くしかできませんっ…
わたくしがそうやって羞恥と戦っている時、俯いていた為に優しげだったグレンの表情がスッと消え、カイと頷き合ったのに全く気が付きませんでした。
―――グレンside―――
どうしよう………セレンディアが可愛い…何だこれ……拷問かっ…?
ここが学院で良かった…邸だったら抱きしめていたぞ………ん…?
刺すような視線を感じる……出入口か…王太子だな、殺意だろこれ。
カイも気付いたな…残りの隠密を呼んでおくか…
確か公爵家の影も常時3人セレンディアに就いている筈だったな。
俺とカイに隠密を1人ずつと連絡用に1人だな…
流石に王太子が暗殺者を差し向けて来るとは思えないが、あの執着具合だとそれも確実じゃないか…
万が一に備えておいた方が良さそうだ。
セレンディアからは離れる訳にはいかんから、カイとは筆談だな…
今の内にメモを渡しておくか。
………………………「カイ、これ読んどいてくれ」
「わかりました」
「―――――――と言う訳なの…」
「じゃあ、婚約の話があったのは、舞踏会の日だったのですわね」
わたくし達5人はいつもの様にカフェテリアへ来ております。
ふ、と思い出してつい呟いたのは…
「そういえば、ここ暫く水色髪の令嬢を見ませんわねぇ」
「あぁ、あの令嬢ですか…」
答えたのはルチアーナ様でしたが、まさかの回答でしたわ…
「彼女ならもうこの学院には居ませんわよ?」
「え?」
「男爵令嬢如きが何の庇護も持たず、公爵令嬢であるセレンディア様に楯突いたのですもの…学院から追放されても仕方ありませんわ」
と、優雅にお茶を飲みながら語られました。
「そ、そうですか…」
流石に、名前も知られずに追放されてしまったのは、可哀そうに思ってしまいましたわ…
彼女は本当に何をしたかったのでしょうねぇ?
ル(自分で教科書を破いて、それをセレンディア様の所為にすると呟いているのを、偶然見てしまったのだもの…許せる訳ありませんわ! 当然、わたくしの家から圧力を掛けて追い出しましたわ。ふふっ♪)
「では帰ろうか、セレンディア」
「ええ…って3人で?」
「なに? 俺と2人が良かった?」
―――ちゅっ…
「っ!? ちっ、違うわよっ!?」
手を持ち上げてキスするなああああっ!!
なに? なんなの? 婚約者ってこんな甘いのおおっ??
わたくし、1日に何回顔隠せば良いのっ!
グレンが表情を消してカイと頷き合う。
「俺の馬車は、後ろからついて来るよ」
「じゃあ、こちらの馬車に3人ね…」
うううっ…早くもちょっと後悔しております…
何故、グレンは隣に座ってるのでしょうか…
カイの微笑ましげな目が居た堪れないぃ…
「グレン様…」
「ああ」(狙いは俺か…)
「?」
「セレンディア。 ちょっと怖いかもしれないけど…」
「どうしたの?」
「俺達が守るから、安心して?」
「っ!?」
がたんっ!!
背後から急に大きな音がして、耳を塞いだ!
ヒヒーーーン!!
ガガガガガガガッ!!
ボッ!ボボボッ!!
ゴオオオオオオオッ!!
「速度を上げろっ!!」
「はいっ!」
「あれはっ!? グレンの馬車がっ!!」
馬車が横倒しになって燃えているっ!?
あれにグレンが乗っていたら今頃はっ……
震えるわたくしをグレンが抱きしめてくれていた…
「ルチアーナ様、カナリア様、おはようございます」
あの舞踏会から5日、グレンと婚約してから初めての学院ですわ。
「あ、あのね? お2人共、実は…その…」
「くくっ…セレンディア、それじゃ伝わんないよ?」
グレンが笑いながらわたくしの肩に手を置いて…
「俺とセレンディア、婚約したんだ」
と、ルチアーナ様とカナリア様に告げました。
「まあっ! おめでとうございます!」
「あら、やはりそうでしたの。ふふっ。 おめでとうございます」
やだぁ…友達にこんな報告するのって、すっごく照れるわっ…
カイ…そのニヤついた顔、つまんで引き延ばしていいかしら……
「そっ、そろそろ授業始まるわねっ! 席に着きましょうっ!」
「うふふっ…そうですね」
「また後でお話し聞かせて下さいね、セレンディア様」
「ううっ……はい…」
わたくし達は、それぞれ自分の席に座りましたが、ちらっと隣を見るといつもの笑顔を向けてくれるグレンと目が合い…
そう、いつもの笑顔なんです。 いつもの笑顔なんですが…
わたくしに愛情を抱いていると分かっているから…なんというか…
ぼふんっ!
直視出来ませんっ…だってだって愛してるって…ぎゅっ…って……
思い出しちゃって、両手で顔を覆い隠して俯くしかできませんっ…
わたくしがそうやって羞恥と戦っている時、俯いていた為に優しげだったグレンの表情がスッと消え、カイと頷き合ったのに全く気が付きませんでした。
―――グレンside―――
どうしよう………セレンディアが可愛い…何だこれ……拷問かっ…?
ここが学院で良かった…邸だったら抱きしめていたぞ………ん…?
刺すような視線を感じる……出入口か…王太子だな、殺意だろこれ。
カイも気付いたな…残りの隠密を呼んでおくか…
確か公爵家の影も常時3人セレンディアに就いている筈だったな。
俺とカイに隠密を1人ずつと連絡用に1人だな…
流石に王太子が暗殺者を差し向けて来るとは思えないが、あの執着具合だとそれも確実じゃないか…
万が一に備えておいた方が良さそうだ。
セレンディアからは離れる訳にはいかんから、カイとは筆談だな…
今の内にメモを渡しておくか。
………………………「カイ、これ読んどいてくれ」
「わかりました」
「―――――――と言う訳なの…」
「じゃあ、婚約の話があったのは、舞踏会の日だったのですわね」
わたくし達5人はいつもの様にカフェテリアへ来ております。
ふ、と思い出してつい呟いたのは…
「そういえば、ここ暫く水色髪の令嬢を見ませんわねぇ」
「あぁ、あの令嬢ですか…」
答えたのはルチアーナ様でしたが、まさかの回答でしたわ…
「彼女ならもうこの学院には居ませんわよ?」
「え?」
「男爵令嬢如きが何の庇護も持たず、公爵令嬢であるセレンディア様に楯突いたのですもの…学院から追放されても仕方ありませんわ」
と、優雅にお茶を飲みながら語られました。
「そ、そうですか…」
流石に、名前も知られずに追放されてしまったのは、可哀そうに思ってしまいましたわ…
彼女は本当に何をしたかったのでしょうねぇ?
ル(自分で教科書を破いて、それをセレンディア様の所為にすると呟いているのを、偶然見てしまったのだもの…許せる訳ありませんわ! 当然、わたくしの家から圧力を掛けて追い出しましたわ。ふふっ♪)
「では帰ろうか、セレンディア」
「ええ…って3人で?」
「なに? 俺と2人が良かった?」
―――ちゅっ…
「っ!? ちっ、違うわよっ!?」
手を持ち上げてキスするなああああっ!!
なに? なんなの? 婚約者ってこんな甘いのおおっ??
わたくし、1日に何回顔隠せば良いのっ!
グレンが表情を消してカイと頷き合う。
「俺の馬車は、後ろからついて来るよ」
「じゃあ、こちらの馬車に3人ね…」
うううっ…早くもちょっと後悔しております…
何故、グレンは隣に座ってるのでしょうか…
カイの微笑ましげな目が居た堪れないぃ…
「グレン様…」
「ああ」(狙いは俺か…)
「?」
「セレンディア。 ちょっと怖いかもしれないけど…」
「どうしたの?」
「俺達が守るから、安心して?」
「っ!?」
がたんっ!!
背後から急に大きな音がして、耳を塞いだ!
ヒヒーーーン!!
ガガガガガガガッ!!
ボッ!ボボボッ!!
ゴオオオオオオオッ!!
「速度を上げろっ!!」
「はいっ!」
「あれはっ!? グレンの馬車がっ!!」
馬車が横倒しになって燃えているっ!?
あれにグレンが乗っていたら今頃はっ……
震えるわたくしをグレンが抱きしめてくれていた…
1,160
あなたにおすすめの小説
記憶喪失の婚約者は私を侍女だと思ってる
きまま
恋愛
王家に仕える名門ラングフォード家の令嬢セレナは王太子サフィルと婚約を結んだばかりだった。
穏やかで優しい彼との未来を疑いもしなかった。
——あの日までは。
突如として王都を揺るがした
「王太子サフィル、重傷」の報せ。
駆けつけた医務室でセレナを待っていたのは、彼女を“知らない”婚約者の姿だった。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
四の五の言わず離婚届にサインをしてくれません?
白雲八鈴
恋愛
アルディーラ公爵夫人であるミレーネは、他の人からみれば羨ましいと思える立場にいた。
王妹の母譲りの美人の顔立ち、公爵夫人として注目を集める立場、そして領地の運営は革命と言えるほど領地に潤いを与えていた。
だが、そんなミレーネの心の中にあるのは『早く離婚したい』だった。
順風満帆と言えるミレーネは何が不満なのか。その原因は何か。何故離婚できないのか。
そこから始まる物語である。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?
白雲八鈴
恋愛
我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。
離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?
あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。
私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる