19 / 46
第二章 元女子高生、異世界でどんどん成り上がる
19:ついに来た! 隣国の国王と直接対決!
しおりを挟む
ハルドンが窓から落とした手帳の切れ端は、挙兵の合図だったのだ。
「ちょっと、グローリア! 大変だよ!」
「ハルドン国王がこの国を支配するとか言い出したわよ!」
団長と副団長を先頭に、王城から団員たちが全速力で飛び出してきた。
「グローリアの演奏で、一旦は落ち着いてくれたんだけど、トゥムルからうちに逃げてきた人がいたらしくて、それでまたハルドン国王がお怒りに……」
上がった息でそう伝える副団長。
団長は城門を指さして叫ぶ。
「みんな、ここは危ないかもしれないから、早く外へ!」
「そうなることも考えて、騎士団に伝えておきました。外に騎士団がいるはずです」
私は、騎士団長にお願いしたあのことを知らせた。
「じゃあ僕が伝えにいきます!」
私の言葉を聞いて真っ先に名乗り出たのは、さっき「出番だ」と伝えてくれた、楽団最年少の人である。
しかし。
「うわぁぁぁぁっ!?」
ダッシュし始めて約二十秒後、その人の悲鳴が響いてきたのだ。
反射で城門の方を振り返り、必死の形相で逃げ帰るスプリンター。
「やばいですやばいです! 包囲されてます! トゥムル軍に!」
「「「ええっ!?」」」
(うそ……どうしよう!?)
このままじゃ今日のこれを提案した私は……じゃなくて、普通に痛い思いして死ぬかもしれない……!
私がなんとかしなくちゃ!
「みんなは王城の地下から逃げてください! 私が演奏しておとりになります!」
「ダメだ、グローリア!」
「いいから早く逃げて!」
最後の手段――とりあえずトゥムル軍を蹴散らす。
私は王城を背に立ち、何度も後ろを振り返って楽団のみんなが逃げたことを確認した、その時。
「そこにいるのは『サクソフォン』とやらの楽器を演奏していた女か。フハハハハハハハ! 他の団員に見捨てられたか!」
会談をしていたあの部屋から、ハルドンがこちらを見下ろしていたのだ。
「お前は逃げなくていいのか? ここはもう私の手中にある!」
「団員は『私が』逃がしました。いや……」
私は鋭い目つきで振り返ってハルドンを凝視した。
「アールテムを乗っ取ろうとしている奴に、私の相棒をばかにした奴に敬語なんて使う必要はない! ハルドン、あなたにその報いを受けてもらう!」
私の言葉で、王城を包囲している軍までも凍りついたのが分かる。ほぼ敵なしで逆らえないハルドンに、初めてタメ口を使ったからである。
「ただの音楽家が何ができる。不敬罪であの女を捕らえろ!」
懐から取り出した指揮棒らしきもので、ビシッと私をさしたその瞬間、王城の囲いを突き破ってトゥムル軍が雪崩のように侵攻してきた。
目を閉じて聴覚に意識を集中させ、同時にハルドンへ湧き上がる怒りの『想い』をためていく。
おもむろにサックスを構えた。
「……音波砲」
私はハルドンに抱いた怒りの『想い』を凝縮し、一瞬で『音』として解き放った。
ピィッ!
リコーダーを吹いた時に穴がふさげてないと鳴る、あのような音が聞こえたのもつかの間。
――見えない壁によって、トゥムル軍が一斉に数十メートルほど飛ばされた。
「五十メートル走のゴール付近にいる、タイムを計る先生との距離くらい吹っ飛んじゃった」
「何が起こった!?」
王城から見下ろすハルドンがぼう然としている。
前の方にいた兵士は直接音波砲にやられ、後ろの方にいた兵士は音波砲に加えて、兵士の山の下敷きになってしまった。
「えぇいっ、何のびている! 私を侮辱したあの女を早く捕まえろ!」
指揮棒はまたも私を指し示すが……誰一人動かなかった。
王城を包囲していたトゥムル軍は、ただの屍と化していた。
「ハルドン! 今度はあなたの番だからね! 降りてこないとそもそも、愛しい自分の国に帰れないけど?」
「この私も倒そうとしているのか。いいだろう、上等だ」
あれ、指図されたから怒るかなーって思ったけど、意外と乗り気?
ハルドンはおとなしく、ボディーガードとともに王城の外に姿を現す。ボディーガードはジリジリと私につめより、サーベルの切っ先を向けてきた。
「ハルドン、さっき私は『愛しい自分の国に帰れない』って言ったけど、今トゥムル王国は国王がいないってことだよね?」
「そうだ」
「その絶対的な権力をふるって国を治めてるのに、今、国にいないってことは?」
己を過信しすぎているハルドンに目覚めてもらおうね!
「戦争で無理やり奴隷にしたり祖国を滅ぼされた人が、黙っていないはずだけど?」
ボディーガードの目つきはより鋭く、サーベルの切っ先は目前に迫っている。
「ケッ、他人に言われるまでもあるまい。私がそれはそれは信頼をおいている家臣に任せている」
「あなたが信頼していても、その家臣から信頼はされてるのかなぁ?」
「おのれっ……!」
ハルドンの怒り声に呼応してかすかに動いたサーベルを、サッとよける。
怒るってことは、もしかして自信ない?
「さっき私たちが演奏した時、このサクソフォンを『野蛮なおもちゃかと思った』ってばかにしたよね? 音楽を誇りに思って仕事してる人に一番言っちゃいけない! しかも、私を平民から貴族にしてくれたこの国を……」
私は自ら、向けられているサーベルに歩みを進める。
楽器を持っていることもあり、手が出ないボディーガード。
「このアームテムを支配して『あげよう』だなんて、絶対許さない!」
そう叫んだとたん、私の目に火がついた。心の中で怒りの『想い』がうず巻き、私の中に眠る魔力にエネルギーを注いでいく。
「あの女に……な、何が起きている!?」
ただならぬ気迫とあふれ出る魔力とにらみつける目に圧倒され、一歩一歩とハルドンは退いていく。
「炎と竜巻のイリュージョン……くらえっ!」
思いっきり息を吸ってお腹に息をためる。怒りの『想い』を音に乗せてサックスに息を吹きこんだ。
サックスの荒々しい音が、巨大な竜巻を召喚した。
ゴォォォォォォォォォォッ!!
あの大公爵を吹き飛ばした時とはケタ違いの竜巻が、火の粉をまとってハルドンとボディーガードに襲いかかる。
「なんだっ!?」
捨て台詞を吐く暇もなく、態度も見た目もデカいハルドンは軽々と飛ばされていく。ボディーガードもあっけなく竜巻に飲まれる。
遠くの方でなんか断末魔の叫びが聞こえるけど、まぁいいや。
私は途切れとぎれの息で、楽器から口を離した。
「ちょっと、グローリア! 大変だよ!」
「ハルドン国王がこの国を支配するとか言い出したわよ!」
団長と副団長を先頭に、王城から団員たちが全速力で飛び出してきた。
「グローリアの演奏で、一旦は落ち着いてくれたんだけど、トゥムルからうちに逃げてきた人がいたらしくて、それでまたハルドン国王がお怒りに……」
上がった息でそう伝える副団長。
団長は城門を指さして叫ぶ。
「みんな、ここは危ないかもしれないから、早く外へ!」
「そうなることも考えて、騎士団に伝えておきました。外に騎士団がいるはずです」
私は、騎士団長にお願いしたあのことを知らせた。
「じゃあ僕が伝えにいきます!」
私の言葉を聞いて真っ先に名乗り出たのは、さっき「出番だ」と伝えてくれた、楽団最年少の人である。
しかし。
「うわぁぁぁぁっ!?」
ダッシュし始めて約二十秒後、その人の悲鳴が響いてきたのだ。
反射で城門の方を振り返り、必死の形相で逃げ帰るスプリンター。
「やばいですやばいです! 包囲されてます! トゥムル軍に!」
「「「ええっ!?」」」
(うそ……どうしよう!?)
このままじゃ今日のこれを提案した私は……じゃなくて、普通に痛い思いして死ぬかもしれない……!
私がなんとかしなくちゃ!
「みんなは王城の地下から逃げてください! 私が演奏しておとりになります!」
「ダメだ、グローリア!」
「いいから早く逃げて!」
最後の手段――とりあえずトゥムル軍を蹴散らす。
私は王城を背に立ち、何度も後ろを振り返って楽団のみんなが逃げたことを確認した、その時。
「そこにいるのは『サクソフォン』とやらの楽器を演奏していた女か。フハハハハハハハ! 他の団員に見捨てられたか!」
会談をしていたあの部屋から、ハルドンがこちらを見下ろしていたのだ。
「お前は逃げなくていいのか? ここはもう私の手中にある!」
「団員は『私が』逃がしました。いや……」
私は鋭い目つきで振り返ってハルドンを凝視した。
「アールテムを乗っ取ろうとしている奴に、私の相棒をばかにした奴に敬語なんて使う必要はない! ハルドン、あなたにその報いを受けてもらう!」
私の言葉で、王城を包囲している軍までも凍りついたのが分かる。ほぼ敵なしで逆らえないハルドンに、初めてタメ口を使ったからである。
「ただの音楽家が何ができる。不敬罪であの女を捕らえろ!」
懐から取り出した指揮棒らしきもので、ビシッと私をさしたその瞬間、王城の囲いを突き破ってトゥムル軍が雪崩のように侵攻してきた。
目を閉じて聴覚に意識を集中させ、同時にハルドンへ湧き上がる怒りの『想い』をためていく。
おもむろにサックスを構えた。
「……音波砲」
私はハルドンに抱いた怒りの『想い』を凝縮し、一瞬で『音』として解き放った。
ピィッ!
リコーダーを吹いた時に穴がふさげてないと鳴る、あのような音が聞こえたのもつかの間。
――見えない壁によって、トゥムル軍が一斉に数十メートルほど飛ばされた。
「五十メートル走のゴール付近にいる、タイムを計る先生との距離くらい吹っ飛んじゃった」
「何が起こった!?」
王城から見下ろすハルドンがぼう然としている。
前の方にいた兵士は直接音波砲にやられ、後ろの方にいた兵士は音波砲に加えて、兵士の山の下敷きになってしまった。
「えぇいっ、何のびている! 私を侮辱したあの女を早く捕まえろ!」
指揮棒はまたも私を指し示すが……誰一人動かなかった。
王城を包囲していたトゥムル軍は、ただの屍と化していた。
「ハルドン! 今度はあなたの番だからね! 降りてこないとそもそも、愛しい自分の国に帰れないけど?」
「この私も倒そうとしているのか。いいだろう、上等だ」
あれ、指図されたから怒るかなーって思ったけど、意外と乗り気?
ハルドンはおとなしく、ボディーガードとともに王城の外に姿を現す。ボディーガードはジリジリと私につめより、サーベルの切っ先を向けてきた。
「ハルドン、さっき私は『愛しい自分の国に帰れない』って言ったけど、今トゥムル王国は国王がいないってことだよね?」
「そうだ」
「その絶対的な権力をふるって国を治めてるのに、今、国にいないってことは?」
己を過信しすぎているハルドンに目覚めてもらおうね!
「戦争で無理やり奴隷にしたり祖国を滅ぼされた人が、黙っていないはずだけど?」
ボディーガードの目つきはより鋭く、サーベルの切っ先は目前に迫っている。
「ケッ、他人に言われるまでもあるまい。私がそれはそれは信頼をおいている家臣に任せている」
「あなたが信頼していても、その家臣から信頼はされてるのかなぁ?」
「おのれっ……!」
ハルドンの怒り声に呼応してかすかに動いたサーベルを、サッとよける。
怒るってことは、もしかして自信ない?
「さっき私たちが演奏した時、このサクソフォンを『野蛮なおもちゃかと思った』ってばかにしたよね? 音楽を誇りに思って仕事してる人に一番言っちゃいけない! しかも、私を平民から貴族にしてくれたこの国を……」
私は自ら、向けられているサーベルに歩みを進める。
楽器を持っていることもあり、手が出ないボディーガード。
「このアームテムを支配して『あげよう』だなんて、絶対許さない!」
そう叫んだとたん、私の目に火がついた。心の中で怒りの『想い』がうず巻き、私の中に眠る魔力にエネルギーを注いでいく。
「あの女に……な、何が起きている!?」
ただならぬ気迫とあふれ出る魔力とにらみつける目に圧倒され、一歩一歩とハルドンは退いていく。
「炎と竜巻のイリュージョン……くらえっ!」
思いっきり息を吸ってお腹に息をためる。怒りの『想い』を音に乗せてサックスに息を吹きこんだ。
サックスの荒々しい音が、巨大な竜巻を召喚した。
ゴォォォォォォォォォォッ!!
あの大公爵を吹き飛ばした時とはケタ違いの竜巻が、火の粉をまとってハルドンとボディーガードに襲いかかる。
「なんだっ!?」
捨て台詞を吐く暇もなく、態度も見た目もデカいハルドンは軽々と飛ばされていく。ボディーガードもあっけなく竜巻に飲まれる。
遠くの方でなんか断末魔の叫びが聞こえるけど、まぁいいや。
私は途切れとぎれの息で、楽器から口を離した。
0
あなたにおすすめの小説
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる