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第一章 火の鍵の乙女
廃ビルの激闘。ぼくにも意地がある。
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鍛え抜かれた戦士は、足音さえ自在にコントロールできるものらしい。
建物内に侵入した者の気配を感じて、ぼくはそう思い、感心した。
かくいうぼくも「気配」などという曖昧なものを頼りにしているわけだが、今日一日さんざん生命の危機に直面したおかげか、神経が過敏になっていて、ちょっとした変化も感じられるようになっていた。これで戦闘力も上がっていたなら、言うことなしだったんだけど。
ビル内は暗い。明かりも持たず、窓からわずかに入る街の灯りだけでは、歴戦の勇者もそろそろと歩くしかないようだ。廊下を進んで、ぼくが潜んでいる部屋を通りすぎようとしている。
廊下の端で、サキがライトを点けた。
眩しいのか、剣士が立ち止まって手を掲げ、そして光に向かって駆けだそうとする刹那。
手にしたブラシを振り上げて、ぼくは後ろから殴りかかった。決まった。必殺のタイミングだ。
だが剣士の頭を直撃する寸前、後ろも見ずに剣が斜めに振り上げられ、ステンレス棒の先のブラシの頭はすっぱりと斬り落とされてしまった。
「うげ!?」
細いとはいえ金属を斬れるのかよ?
空振ってバランスを崩したぼくに、斬り返した剣が殺到する。あわてて身を伏せ、後ろに下がる。
だが剣士はなおも斬り込んでくる。ぼくは跳ね起きて廊下をダッシュした。
小さいながらライトがあるぼくに対し、剣士は明かりを持っていない。そう簡単には追いつけないはず。そう思いながら斬られたブラシを投げ捨て、腰に差していた別のブラシに持ち換える。二本用意しといてよかった。けど、こいつで敵うだろうか。
ぼくは階段を上がった。剣士が追って来る。
途中の踊り場で、ぼくはサラダ油のボトルを蹴とばした。その上で剣士を待つ。ブラシの頭を自分の方に向けて持ち、構えた。重心が手元に来るから、振り回しやすくなるはずだ。
追いついてきた剣士は階段を上がり――踊り場で足を滑らせてバランスを崩した。
(よし!)
狙い通りだ。ステンレス棒を思い切り振り下ろす。剣士はバランスを崩しながらも、片手の剣で受け切った。
(マジかよ?)
こいつ、戦闘能力どれだけだよ? ぼくも片手でブラシを振り回して牽制しながら階段を上がる。伸ばされた剣がふくらはぎを掠める。
(!)
かすり傷くらいで立ち止まっている暇はない。昇り切ってまた廊下を走る。次の仕掛けだ。
剣士が追って来る。振り返って加減を確認する。
ぼくが走りすぎた後を、剣士が確実に追いつめて来る。そして廊下に置いたロープをまたぐ寸前、隠れていたサキがロープを引いた。
(よし。かかった!)
絶妙のタイミングだ。これで足を引っかけた、と思ったら、ひらりと飛び越えてかわされた。
「うげ!?」
なんという勘の良さ。飛び越える体さばきも華麗で、不覚にも一瞬見とれてしまった。
と感心している場合じゃない。殺到してくる剣をかろうじてかわし、棒で受け、走る。防火扉を開けて非常階段に飛び込む。
窓がない非常階段は、本当に真っ暗。走るなんて到底無理だ。モバイルのライトを頼りに、また階段を昇る。
剣士が着実に追って来る。足取りに迷いがまったくない。一体こいつ、ぼくなんかに倒せるのだろうか。
(いや、倒さなきゃならない)
折れそうになる心を無理やり焚きつけた。やるしかない。できなければぼくもサキも、屍となり果てるだけだ。
サラダ油攻撃をもう一回。転ぶことはなかったものの、暗がりでかなり動きが制限されている。
そのはずなのに。
的確に振られた剣に、あやうく首を掻き切られそうになる。切り返された剣を、とっさに棒を持ち換えてがっちりと受け、つばぜり合いのような態勢になる。だが無造作に弾き飛ばされた。
(こいつ、ほんとうに強い)
鍛えに鍛え抜かれた、本物の戦士。その手にする剣は寸分の狂いもなく獲物をとらえ、それを操る精神には微塵の迷いもない。
こんな勇者の手にかかるのは、ある意味名誉なことなのかもしれない……。
(だめだ)
立ち上がる。
(だめだだめだだめだ)
再び立ち上がって走りだす。
守る者がいる限り、諦めるわけにはいかない。どれほど絶望していようと、だ。
防火扉を出て、待ち伏せる。
続いて扉が開き、慎重な足取りで剣士が現れる。周りをうかがい、こっちを見た瞬間。
(これでどうだっ!)
防犯スプレー、噴霧一閃。
唐辛子などを主成分とした防犯スプレー。まともに浴びれば目はしみるし咳込むしで、とても戦える状態じゃなくなるはずだ。
なのに。
剣士は平然と斬りかかってきた。
(まさか。効いてないのか?)
防犯スプレーなんかものともしないほど強靭な肉体なのか。
いや、そんな馬鹿なことがあるわけがない。どれほど凄くたって同じ人間のはずだ。
とすると、どうにかして防いだ、ということか。防御魔法というやつかも知れない。さっき鍵を開けたのも、魔法を使ったと考えれば納得がいく。
正確無比の剣に、安定確実な魔法。もう絶望的なまでにスペックが違いすぎる。
剣をかろうじてステンの棒で受け、さらに走る。何度目かわからないくらい、また追いつかれて斬り合い、もみ合う。
また突き飛ばされた。転んだところを突き出す剣が刺し貫く。
(やられる!)
と思った瞬間、剣士がよろめいた。サキが後ろから体当たりしたのだ。その隙に棒で剣を跳ねのけ、サキの手を取って走る。近くの部屋に飛び込んで鍵をかけ、剣士を締め出した。
両膝をつき、壁に手を当てて、肩で息をする。必死で空気を吸い込んで呼吸を整える。
鉄の扉だから、剣で突破はできないはずだ。
しかし、ここは袋小路。
もう手がなかった。仕掛けは全て使いつくした。
ここは三階、飛び降りて脱出するのも難しい。
(万策尽きたか……)
喉が痛い。
心臓が暴れる。
手足が痛い。
傷がうずく。
休みたい。
なにもかも忘れて寝そべりたかった。そう出来たらどんなに楽なことだろう。
甘美な誘惑に浸る寸前、サキの顔が目に入った。
さっき大見得を切っておいて、このざまだ。すまないと思うと同時に、この娘を守らなければ、と思い直す。だがどうやって。
「サキ……」
手を伸ばして、サキをそっと抱き寄せる。サキは逆らわなかった。
サキの身体が触れて、あたたかい体温を感じる。
その瞬間、ぼくは胸を締め付けられるような、激しい感情にとらわれた。
サキ。
出会ってたった数時間。可愛い娘だと思った。仲良くなりたいと思った。
いろんな事情を背負っていると知った。健気に一人で戦い抜いてきたと知った。
だから、守りたかった。一緒にいたかった。ぼくがついているから大丈夫だよと、言ってあげたかった。
そして心から安らいだ笑顔を見たかった。
とても愛おしい、それは火の鍵の乙女。
あり得ないような怖い目にも遭ったけど、今も生命の危機だけど、でもとっても楽しかったんだ。
この切ない気持ちを、どう伝えたらいいのだろう?
サキが顔を上げて、ぼくを見た。瞳の奥に閃く光。
ぼくはぐっと奥歯をかみしめた。
まだやることがある。そのためにこそ、サキはぼくのところへ命がけで来たはず。
一度は失敗している。今度も失敗したら、もう本当におしまいだ。
だけど、終わらせない。絶対に。
「サキ」
ぼくはサキを真っ直ぐ見た。声が震えそうになるのを、大きく息を吐いて抑え込む。
「絶対に、きみを助ける。ぼくを信じろ」
ぼくは両手でサキの肩を包み込んだ。思わず手に力がはいる。
ぼくに負けないくらい、サキもひたむきにぼくを見返している。息を飲むように両手で口もとをおさえ、真っすぐな目を向けているサキに、ぼくは告げた。
「きみを、ひらく。だからきみの命、ぼくに預けろ」
サキは迷わず、きっぱりとうなずいた。
建物内に侵入した者の気配を感じて、ぼくはそう思い、感心した。
かくいうぼくも「気配」などという曖昧なものを頼りにしているわけだが、今日一日さんざん生命の危機に直面したおかげか、神経が過敏になっていて、ちょっとした変化も感じられるようになっていた。これで戦闘力も上がっていたなら、言うことなしだったんだけど。
ビル内は暗い。明かりも持たず、窓からわずかに入る街の灯りだけでは、歴戦の勇者もそろそろと歩くしかないようだ。廊下を進んで、ぼくが潜んでいる部屋を通りすぎようとしている。
廊下の端で、サキがライトを点けた。
眩しいのか、剣士が立ち止まって手を掲げ、そして光に向かって駆けだそうとする刹那。
手にしたブラシを振り上げて、ぼくは後ろから殴りかかった。決まった。必殺のタイミングだ。
だが剣士の頭を直撃する寸前、後ろも見ずに剣が斜めに振り上げられ、ステンレス棒の先のブラシの頭はすっぱりと斬り落とされてしまった。
「うげ!?」
細いとはいえ金属を斬れるのかよ?
空振ってバランスを崩したぼくに、斬り返した剣が殺到する。あわてて身を伏せ、後ろに下がる。
だが剣士はなおも斬り込んでくる。ぼくは跳ね起きて廊下をダッシュした。
小さいながらライトがあるぼくに対し、剣士は明かりを持っていない。そう簡単には追いつけないはず。そう思いながら斬られたブラシを投げ捨て、腰に差していた別のブラシに持ち換える。二本用意しといてよかった。けど、こいつで敵うだろうか。
ぼくは階段を上がった。剣士が追って来る。
途中の踊り場で、ぼくはサラダ油のボトルを蹴とばした。その上で剣士を待つ。ブラシの頭を自分の方に向けて持ち、構えた。重心が手元に来るから、振り回しやすくなるはずだ。
追いついてきた剣士は階段を上がり――踊り場で足を滑らせてバランスを崩した。
(よし!)
狙い通りだ。ステンレス棒を思い切り振り下ろす。剣士はバランスを崩しながらも、片手の剣で受け切った。
(マジかよ?)
こいつ、戦闘能力どれだけだよ? ぼくも片手でブラシを振り回して牽制しながら階段を上がる。伸ばされた剣がふくらはぎを掠める。
(!)
かすり傷くらいで立ち止まっている暇はない。昇り切ってまた廊下を走る。次の仕掛けだ。
剣士が追って来る。振り返って加減を確認する。
ぼくが走りすぎた後を、剣士が確実に追いつめて来る。そして廊下に置いたロープをまたぐ寸前、隠れていたサキがロープを引いた。
(よし。かかった!)
絶妙のタイミングだ。これで足を引っかけた、と思ったら、ひらりと飛び越えてかわされた。
「うげ!?」
なんという勘の良さ。飛び越える体さばきも華麗で、不覚にも一瞬見とれてしまった。
と感心している場合じゃない。殺到してくる剣をかろうじてかわし、棒で受け、走る。防火扉を開けて非常階段に飛び込む。
窓がない非常階段は、本当に真っ暗。走るなんて到底無理だ。モバイルのライトを頼りに、また階段を昇る。
剣士が着実に追って来る。足取りに迷いがまったくない。一体こいつ、ぼくなんかに倒せるのだろうか。
(いや、倒さなきゃならない)
折れそうになる心を無理やり焚きつけた。やるしかない。できなければぼくもサキも、屍となり果てるだけだ。
サラダ油攻撃をもう一回。転ぶことはなかったものの、暗がりでかなり動きが制限されている。
そのはずなのに。
的確に振られた剣に、あやうく首を掻き切られそうになる。切り返された剣を、とっさに棒を持ち換えてがっちりと受け、つばぜり合いのような態勢になる。だが無造作に弾き飛ばされた。
(こいつ、ほんとうに強い)
鍛えに鍛え抜かれた、本物の戦士。その手にする剣は寸分の狂いもなく獲物をとらえ、それを操る精神には微塵の迷いもない。
こんな勇者の手にかかるのは、ある意味名誉なことなのかもしれない……。
(だめだ)
立ち上がる。
(だめだだめだだめだ)
再び立ち上がって走りだす。
守る者がいる限り、諦めるわけにはいかない。どれほど絶望していようと、だ。
防火扉を出て、待ち伏せる。
続いて扉が開き、慎重な足取りで剣士が現れる。周りをうかがい、こっちを見た瞬間。
(これでどうだっ!)
防犯スプレー、噴霧一閃。
唐辛子などを主成分とした防犯スプレー。まともに浴びれば目はしみるし咳込むしで、とても戦える状態じゃなくなるはずだ。
なのに。
剣士は平然と斬りかかってきた。
(まさか。効いてないのか?)
防犯スプレーなんかものともしないほど強靭な肉体なのか。
いや、そんな馬鹿なことがあるわけがない。どれほど凄くたって同じ人間のはずだ。
とすると、どうにかして防いだ、ということか。防御魔法というやつかも知れない。さっき鍵を開けたのも、魔法を使ったと考えれば納得がいく。
正確無比の剣に、安定確実な魔法。もう絶望的なまでにスペックが違いすぎる。
剣をかろうじてステンの棒で受け、さらに走る。何度目かわからないくらい、また追いつかれて斬り合い、もみ合う。
また突き飛ばされた。転んだところを突き出す剣が刺し貫く。
(やられる!)
と思った瞬間、剣士がよろめいた。サキが後ろから体当たりしたのだ。その隙に棒で剣を跳ねのけ、サキの手を取って走る。近くの部屋に飛び込んで鍵をかけ、剣士を締め出した。
両膝をつき、壁に手を当てて、肩で息をする。必死で空気を吸い込んで呼吸を整える。
鉄の扉だから、剣で突破はできないはずだ。
しかし、ここは袋小路。
もう手がなかった。仕掛けは全て使いつくした。
ここは三階、飛び降りて脱出するのも難しい。
(万策尽きたか……)
喉が痛い。
心臓が暴れる。
手足が痛い。
傷がうずく。
休みたい。
なにもかも忘れて寝そべりたかった。そう出来たらどんなに楽なことだろう。
甘美な誘惑に浸る寸前、サキの顔が目に入った。
さっき大見得を切っておいて、このざまだ。すまないと思うと同時に、この娘を守らなければ、と思い直す。だがどうやって。
「サキ……」
手を伸ばして、サキをそっと抱き寄せる。サキは逆らわなかった。
サキの身体が触れて、あたたかい体温を感じる。
その瞬間、ぼくは胸を締め付けられるような、激しい感情にとらわれた。
サキ。
出会ってたった数時間。可愛い娘だと思った。仲良くなりたいと思った。
いろんな事情を背負っていると知った。健気に一人で戦い抜いてきたと知った。
だから、守りたかった。一緒にいたかった。ぼくがついているから大丈夫だよと、言ってあげたかった。
そして心から安らいだ笑顔を見たかった。
とても愛おしい、それは火の鍵の乙女。
あり得ないような怖い目にも遭ったけど、今も生命の危機だけど、でもとっても楽しかったんだ。
この切ない気持ちを、どう伝えたらいいのだろう?
サキが顔を上げて、ぼくを見た。瞳の奥に閃く光。
ぼくはぐっと奥歯をかみしめた。
まだやることがある。そのためにこそ、サキはぼくのところへ命がけで来たはず。
一度は失敗している。今度も失敗したら、もう本当におしまいだ。
だけど、終わらせない。絶対に。
「サキ」
ぼくはサキを真っ直ぐ見た。声が震えそうになるのを、大きく息を吐いて抑え込む。
「絶対に、きみを助ける。ぼくを信じろ」
ぼくは両手でサキの肩を包み込んだ。思わず手に力がはいる。
ぼくに負けないくらい、サキもひたむきにぼくを見返している。息を飲むように両手で口もとをおさえ、真っすぐな目を向けているサキに、ぼくは告げた。
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