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事業計画を立案中、で呻吟。
8.接近
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最初は単身向かうつもりの俊哉であったが、思い直して数名の人手を頼んだ。
しのぎはいつもの巫女服のまま、馬上の人となった。これもいつもの両の手の包帯らしきものを気にして巻き直したりしている。
いったん西に向かい、街道の手前で男衆と協力し、細工をほどこした。小細工にすぎないが、手は多いほどいい。
そこから街道を東進する。
「そういえば、前から訊いてみたかったんだが」
道すがら、俊哉はしのぎに尋ねた。
「しのぎの刃は何だい? やはり剣なのか?」
「わたくしは刃を持ちませぬ」
しのぎの答えは明快だった。
「刃の神に仕える身ですから。敢えて言うなら、わたくし自身が神の刃、となりましょうか」
「ふうん。生涯を神の刃として生きる、ということなのか」
「そうですわね」
「きみ自身はそれでいいのかい? きみの夢はなかったのかい?」
「夢、ですか」
しのぎは少し考えて、
「ものごころついた頃よりこんななりでしたから、他のことなんて考えてもみませんでした。
でも、そうですね、かなうなら」
しのぎはちょっと目を伏せて頬をそめた。
「素敵な方のもとに嫁いで、その方に尽くしてまいりたいと……少女ならば誰しも夢見ることですわ」
恥じらう黒髪の少女を見やりながら、この娘が嫁する男とはなんと羨ましいやつだろう、と俊哉は思ったものだ。
「しのぎでもそんなことを考えるんだな。いや、至って普通なんでおどろいた」
「からかわないでくださいまし」
しばし場違いな会話に和み、俊哉はあやうく目的を忘れそうになった。
「もう少し楽しんでいたいところだがな。あいにくと遠路の賓客を待たせるわけにもいかないだろう」
俊哉は気を引き締め直した。そして、
「しのぎ、ありがとな」
視線を合わさず言う俊哉には、しのぎが微笑んでいるのがわかった。
しのぎはいつもの巫女服のまま、馬上の人となった。これもいつもの両の手の包帯らしきものを気にして巻き直したりしている。
いったん西に向かい、街道の手前で男衆と協力し、細工をほどこした。小細工にすぎないが、手は多いほどいい。
そこから街道を東進する。
「そういえば、前から訊いてみたかったんだが」
道すがら、俊哉はしのぎに尋ねた。
「しのぎの刃は何だい? やはり剣なのか?」
「わたくしは刃を持ちませぬ」
しのぎの答えは明快だった。
「刃の神に仕える身ですから。敢えて言うなら、わたくし自身が神の刃、となりましょうか」
「ふうん。生涯を神の刃として生きる、ということなのか」
「そうですわね」
「きみ自身はそれでいいのかい? きみの夢はなかったのかい?」
「夢、ですか」
しのぎは少し考えて、
「ものごころついた頃よりこんななりでしたから、他のことなんて考えてもみませんでした。
でも、そうですね、かなうなら」
しのぎはちょっと目を伏せて頬をそめた。
「素敵な方のもとに嫁いで、その方に尽くしてまいりたいと……少女ならば誰しも夢見ることですわ」
恥じらう黒髪の少女を見やりながら、この娘が嫁する男とはなんと羨ましいやつだろう、と俊哉は思ったものだ。
「しのぎでもそんなことを考えるんだな。いや、至って普通なんでおどろいた」
「からかわないでくださいまし」
しばし場違いな会話に和み、俊哉はあやうく目的を忘れそうになった。
「もう少し楽しんでいたいところだがな。あいにくと遠路の賓客を待たせるわけにもいかないだろう」
俊哉は気を引き締め直した。そして、
「しのぎ、ありがとな」
視線を合わさず言う俊哉には、しのぎが微笑んでいるのがわかった。
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