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覇権主義の刃使い、で談判。
7.逆撃
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「これまでだな。この世界に未練はないか?」
太刀を肩に背負った館脇は余裕の笑みを浮かべている。
俊哉はきっと館脇をにらんだ。しのぎを傷つけた館脇が許せなかった。
だがそれ以上に、しのぎを守れなかった不甲斐ない自分が許せなかった。
「世界だの覇権だのはどうでもいいが、この女だけは絶対に連れ帰る」
「はっ!」
館脇は笑った。
「それがおまえの戦う理由か。おまえの野望はそんなものか」
俊哉は答えなかった。
人を犠牲にして果たす野望など、といったけちな事はいまさら言うつもりもない。
だが今、俊哉はどうしても館脇が許せなかった。
俊哉はそっとしのぎを横たえた。そして立ち上がった。
館脇も剣を構えなおす。
だが俊哉は構えない。
俊哉は、冷静だった。
しのぎを助ける。必ず連れて帰る。
そのためには自分が今ここで討たれるわけにはいかない。
構えない俊哉を見て戦意の喪失ととったか、にやりと笑った館脇は必要以上に大きく振りかぶり、剣を振り下ろした。
(今だ!)
剣を肩口から下に向け、館脇の刃を受け流した俊哉は素早く後ろに回り込み、地面を斬りつける勢いで剣を振るった。
「がっ!?」
館脇が態勢を崩して片膝をついた。俊哉は館脇のアキレス腱を斬ったのだ。
正確には腱ではなく、ふくらはぎを傷つけた。だが動きを止めるには充分だ。
「卑怯な! きさまそれでも剣刃の使い手か」
「卑怯もくそもあるか。おまえの言うことが正しいなら、勝利こそが正義だろうが」
俊哉は悪態をついた。
こやつがしのぎを傷つけたことがむしょうに腹立たしかった。
だが今の自分には、こいつを正面から討つ力がない。それが余計に腹立たしかった。
「館脇。おれはおまえに与しない。おまえはおまえの道を往くがいい。
それをとやかく言うつもりはない。さっさと都に上って中央を掌握するんだな。こんなところで道草を食っている暇はないぞ」
血走った目で唸りながら俊哉を見上げる館脇をしり目に、俊哉は悠然と剣を収め、踵を返した。
ゆっくりとしのぎに歩み寄り、抱き上げた。また悠然と歩き出す。
表情には出さないが、俊哉の背中は汗びっしょりだった。
言葉で、態度で、もう戦闘は終わったと印象づけるのが狙いだったが、心臓は胸の内で破裂しそうなほど暴れていた。
手下どもはうろたえていて、誰も追ってこない。今のところ目論見どおりだ。
追ってくるなら一人残らず斬り伏せる覚悟ではいたが、みなそれどころではないようだ。
自分が付き従う、音に聞こえた豪傑がひざをついた。
彼らにとってそれは、あってはならないことだった。
どうしたらいいのか分からず、右往左往するばかり。
今のうちだ。
俊哉はしのぎを馬に乗せた。
太刀を肩に背負った館脇は余裕の笑みを浮かべている。
俊哉はきっと館脇をにらんだ。しのぎを傷つけた館脇が許せなかった。
だがそれ以上に、しのぎを守れなかった不甲斐ない自分が許せなかった。
「世界だの覇権だのはどうでもいいが、この女だけは絶対に連れ帰る」
「はっ!」
館脇は笑った。
「それがおまえの戦う理由か。おまえの野望はそんなものか」
俊哉は答えなかった。
人を犠牲にして果たす野望など、といったけちな事はいまさら言うつもりもない。
だが今、俊哉はどうしても館脇が許せなかった。
俊哉はそっとしのぎを横たえた。そして立ち上がった。
館脇も剣を構えなおす。
だが俊哉は構えない。
俊哉は、冷静だった。
しのぎを助ける。必ず連れて帰る。
そのためには自分が今ここで討たれるわけにはいかない。
構えない俊哉を見て戦意の喪失ととったか、にやりと笑った館脇は必要以上に大きく振りかぶり、剣を振り下ろした。
(今だ!)
剣を肩口から下に向け、館脇の刃を受け流した俊哉は素早く後ろに回り込み、地面を斬りつける勢いで剣を振るった。
「がっ!?」
館脇が態勢を崩して片膝をついた。俊哉は館脇のアキレス腱を斬ったのだ。
正確には腱ではなく、ふくらはぎを傷つけた。だが動きを止めるには充分だ。
「卑怯な! きさまそれでも剣刃の使い手か」
「卑怯もくそもあるか。おまえの言うことが正しいなら、勝利こそが正義だろうが」
俊哉は悪態をついた。
こやつがしのぎを傷つけたことがむしょうに腹立たしかった。
だが今の自分には、こいつを正面から討つ力がない。それが余計に腹立たしかった。
「館脇。おれはおまえに与しない。おまえはおまえの道を往くがいい。
それをとやかく言うつもりはない。さっさと都に上って中央を掌握するんだな。こんなところで道草を食っている暇はないぞ」
血走った目で唸りながら俊哉を見上げる館脇をしり目に、俊哉は悠然と剣を収め、踵を返した。
ゆっくりとしのぎに歩み寄り、抱き上げた。また悠然と歩き出す。
表情には出さないが、俊哉の背中は汗びっしょりだった。
言葉で、態度で、もう戦闘は終わったと印象づけるのが狙いだったが、心臓は胸の内で破裂しそうなほど暴れていた。
手下どもはうろたえていて、誰も追ってこない。今のところ目論見どおりだ。
追ってくるなら一人残らず斬り伏せる覚悟ではいたが、みなそれどころではないようだ。
自分が付き従う、音に聞こえた豪傑がひざをついた。
彼らにとってそれは、あってはならないことだった。
どうしたらいいのか分からず、右往左往するばかり。
今のうちだ。
俊哉はしのぎを馬に乗せた。
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