あなたの人生、なまくらですか?

桐坂数也

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女槍つかいと決闘、で調略。

3.鍛錬

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このところの俊哉は早起きだった。


起きてまず、瞑想する。

心を鎮めることしばし、やがて俊哉は木剣を持って外に出る。


熱心に振り回すのは昼間の稽古の時が多い。

この時はもっぱら正眼にかまえてじっと心と対話する。


さきの館脇との戦闘で、しのぎが見せた技。

普通の人間には成しえるはずもないが、それに通ずる極意を会得できないか、と思ってのことだった。

刃の神の御使いなどと呼ばれてはいるが、もとより俊哉は剣の扱いに長けているわけではない。

いまさら剣の修練に精を出したとて、文字通りの付け焼刃にすぎない。

だが戦刃せんじんどもを出し抜くには、自分の潜在能力を極限まで引き出さなければ勝てない。


そのための潜在意識との対話。

自分をより、無意識の状態に近づけ、肉体の能力をより大きく、自在に引き出すためのシークエンス。

それを俊哉は体得しようとしていた。



その姿は誰にも見せたことはない。

だから気づかれていないと思っていた。



二ヶ月ほどが過ぎた。

稜水との打ち合わせを終えて、俊哉はいったんおやしろに戻っていた。

綿花の精製と綿糸の製造にはまだ資金を回してもらえなかったが、小規模ながら脱脂綿の製造を模索しているところだった。


現代では脂を抜くために薬品を使うのだが、あいにく俊哉にその知識はなかった。

だが、完全な脱脂綿は無理にしても、似たようなのは作れるのではないか、と思っていた。

それができればおそらく、村に富をもたらす特産品になることは間違いない。


「しかし、現実は厳しいな」

苦笑いしつつ、お社で昼食を終えたところだった。



「俊哉さま。人が尋ねておいでのようです」

かがりがやって来た。

「人? 誰だろう?」

このところ俊哉は、いろいろな人間に面会していた。中には明らかに胡散臭い連中も混じっていて、自身苦笑を禁じ得ない。

なので、人、と言われても誰のことだかわからない。


「女の人です」

そう言われても、とっさに心当たりが思い浮かばない。

「何用だろうなあ」

「それが、ええと……」

かがりの戸惑いに、俊哉はいぶかった。

「どうした、かがり? なにか問題でもあるのか?」

「それが……」

かがりは、途方に暮れているようだった。

「俊哉さまと果し合いがしたいと」



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