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女槍つかいと決闘、で調略。
5.逆上
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「ん、んーーーーーっ!!」
じたばたと手足を動かしてもがくほむら。うまく抜け出せない。
俊哉に強く舌まで吸われる。
「!」
必死で突き飛ばす。
「き、きさま、いったい何を……」
耳まで真っ赤になりながら、ほむらは逆上して殴りかかってきた。
(そりゃ怒るよな)
俊哉も身がまえる。
ふたりの顔がぶつかり合う寸前。
その鼻先を、何かが音を立ててかすめ飛んでいった。
ほむらも、俊哉も、あわててのけぞり、それをかわす。
激突を間近で回避したふたりが、そろって横を見やると。
しのぎが立っていた。
その手には小型の剣、くないが握られている。
そしてその表情は、ものすごく冷たかった。
「……何をなさっているのですか、俊哉さま?」
その声も表情に劣らず、極限まで低い。
「この立ち会い、刃同士の神聖なる立ち会いと承知しておりましたが、わたくしの心得違いでしょうか?」
「い、いや……」
俊哉の声が硬い。今まで臨んできたどんな戦いより緊張していた。
「……投げくないを覚えたのか。すごいな」
しのぎはくないを握ったまま、答えない。
そんなことを聞いているのではない、と表情が語っている。
いやまあ、しのぎの怒りもわかる。
なんでそんなことをしたのか、と問われれば。
この傲慢で自信にあふれた女槍つかいの鼻っ柱を、へし折ってやりたかったのだ。
大人げない、と言われればその通りだ。言い訳のしようもない。
「あー、やめやめ。やめだ。ばかばかしい」
大きく声を上げたのは、ほむらだった。
後ろに手をついて座り込み、足を投げ出す。
「なんだかやる気をなくしちまったよ。あたしの負けでいいや」
「おいおい……」
「懐に飛び込まれた時点で、あたしの負けさ。相手を寄せ付けないことでは自信があったんだけどなあ」
(刃を斬り落とされたことは問題じゃないのか)
と突っ込みたかった。俊哉にしては会心の一撃だったのだが。
「そんなに簡単でいいのか? おまえの神さまが文句を言うだろう?」
「知ったことか」
ほむらは天を仰ぐ。
「いつも何も言わないし、何もしてくれない。だからあたしのしたいようにして、いいんだろ?」
座ったまま、ほむらは笑って手を差し出した。
「そんなわけで、あたしの負けだ」
俊哉が手を取って立たせる。
やはり体格では比較にならない。よく勝てたなと思う。
「茜の神に、いや、俊哉に従うよ」
「え?」
「責任は取ってくれよな?」
のぞいた八重歯は、いたずらっぽかった。
背中に視線が突き刺さるのを感じて、また俊哉は大量の汗をかく。
(なにか、とんでもないものを拾っちまったぞ……)
じたばたと手足を動かしてもがくほむら。うまく抜け出せない。
俊哉に強く舌まで吸われる。
「!」
必死で突き飛ばす。
「き、きさま、いったい何を……」
耳まで真っ赤になりながら、ほむらは逆上して殴りかかってきた。
(そりゃ怒るよな)
俊哉も身がまえる。
ふたりの顔がぶつかり合う寸前。
その鼻先を、何かが音を立ててかすめ飛んでいった。
ほむらも、俊哉も、あわててのけぞり、それをかわす。
激突を間近で回避したふたりが、そろって横を見やると。
しのぎが立っていた。
その手には小型の剣、くないが握られている。
そしてその表情は、ものすごく冷たかった。
「……何をなさっているのですか、俊哉さま?」
その声も表情に劣らず、極限まで低い。
「この立ち会い、刃同士の神聖なる立ち会いと承知しておりましたが、わたくしの心得違いでしょうか?」
「い、いや……」
俊哉の声が硬い。今まで臨んできたどんな戦いより緊張していた。
「……投げくないを覚えたのか。すごいな」
しのぎはくないを握ったまま、答えない。
そんなことを聞いているのではない、と表情が語っている。
いやまあ、しのぎの怒りもわかる。
なんでそんなことをしたのか、と問われれば。
この傲慢で自信にあふれた女槍つかいの鼻っ柱を、へし折ってやりたかったのだ。
大人げない、と言われればその通りだ。言い訳のしようもない。
「あー、やめやめ。やめだ。ばかばかしい」
大きく声を上げたのは、ほむらだった。
後ろに手をついて座り込み、足を投げ出す。
「なんだかやる気をなくしちまったよ。あたしの負けでいいや」
「おいおい……」
「懐に飛び込まれた時点で、あたしの負けさ。相手を寄せ付けないことでは自信があったんだけどなあ」
(刃を斬り落とされたことは問題じゃないのか)
と突っ込みたかった。俊哉にしては会心の一撃だったのだが。
「そんなに簡単でいいのか? おまえの神さまが文句を言うだろう?」
「知ったことか」
ほむらは天を仰ぐ。
「いつも何も言わないし、何もしてくれない。だからあたしのしたいようにして、いいんだろ?」
座ったまま、ほむらは笑って手を差し出した。
「そんなわけで、あたしの負けだ」
俊哉が手を取って立たせる。
やはり体格では比較にならない。よく勝てたなと思う。
「茜の神に、いや、俊哉に従うよ」
「え?」
「責任は取ってくれよな?」
のぞいた八重歯は、いたずらっぽかった。
背中に視線が突き刺さるのを感じて、また俊哉は大量の汗をかく。
(なにか、とんでもないものを拾っちまったぞ……)
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