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本編
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「アリスさん、殿下を敬称もつけずに呼ぶのはお止めなさい。不敬ですよ」
「アリスさん、未婚の女性がみだりに殿方に触れてはなりません。はしたないわ」
「アリスさん、食事中に立ち歩いてはいけません。殿下に声をかけるならせめて食事を済ませてからになさい」
「アリスさん、口にものをいれたまま話してはなりませんよ。マナー違反です」
「アリスさん、大きな口を開けて笑うものではありません。品がないと思われます。せめて手でお隠しなさい」
「アリスさん、授業をさぼってはいけませんよ」
「アリスさん、廊下を走ってはいけません」
「アリスさん…」
「アリスさん…」
「もー!なんなのよ!?いつもいつも顔合わせるたびに!うっさい!アリスの勝手でしょ!?」
「乱暴な言葉を使うのはお止めなさい。大きな声を出すのも周囲に迷惑よ
第一、自分のことを名前で呼ぶのもおよしなさい。そんなことでは卒業してから困るわよ」
「あー!もう!あんたに関係ないじゃない!」
「関係があるから注意しているのです
ラピス皇国の貴族を名乗るのであれば最低限度のマナーはまもりなさい」
「うっさい!バーカ!バーカ!」
叫んで走り去っていく後ろ姿を見つめ、ため息をつく
アリス・ホワード男爵令嬢を淑女に育てると決めてから早数ヶ月
事あるごとに諭したり注意したりと頑張ってはいるが、全く改善がみられない
というか、授業をサボらないなんて貴族どうこう以前の問題では?
痛む頭を押さえてため息をつく
このまま彼女に全く進歩が無いようでは、ヒロインと殿下の仲を本格的に邪魔しなければいけなくなってくるではないか…
そもそも、私は彼女が一般的なマナーを身に付けてくれさえすれば、二人の仲を邪魔するつもりなんてこれっぽっちもない
何故ならラピス皇国は政略結婚も確かに存在するが、平民はもちろん貴族も恋愛結婚の方が多いのだ
王族や有力貴族は跡継ぎ問題があるため15歳前後で婚約者を決めるのが一般的ではあるが、その後恋人が出来ると、よほどの身分差がない限り婚約を破棄し、その相手と結ばれる事が多い
そして破棄された相手も特に色眼鏡で見られることはなく、新たな婚約者が選ばれたり自分で恋人を見つけたり、中には独身を貫く者もいたりなど、自由な選択肢が用意されている
そのため、ゲームのように修道院に幽閉されるのは出来れば避けたいが、それさえなければ婚約破棄自体は慎んで受け入れるつもりでいるのだ
そのつもりなのだが…
そこまで考えて再びため息
今のままの彼女では皇太子妃など勤まらない
そして私も
彼女ひとり諭し、導けないようでは皇太子と共に国民を導く皇太子妃など勤まるわけがない
どうしましょう…
このままでは、もし彼女が殿下と結ばれなかったとしても、自分から婚約者を辞退しなくてはいけなくなってしまうわ…
私、セシリア・リスト
生まれてはじめて無力感に襲われております
「アリスさん、未婚の女性がみだりに殿方に触れてはなりません。はしたないわ」
「アリスさん、食事中に立ち歩いてはいけません。殿下に声をかけるならせめて食事を済ませてからになさい」
「アリスさん、口にものをいれたまま話してはなりませんよ。マナー違反です」
「アリスさん、大きな口を開けて笑うものではありません。品がないと思われます。せめて手でお隠しなさい」
「アリスさん、授業をさぼってはいけませんよ」
「アリスさん、廊下を走ってはいけません」
「アリスさん…」
「アリスさん…」
「もー!なんなのよ!?いつもいつも顔合わせるたびに!うっさい!アリスの勝手でしょ!?」
「乱暴な言葉を使うのはお止めなさい。大きな声を出すのも周囲に迷惑よ
第一、自分のことを名前で呼ぶのもおよしなさい。そんなことでは卒業してから困るわよ」
「あー!もう!あんたに関係ないじゃない!」
「関係があるから注意しているのです
ラピス皇国の貴族を名乗るのであれば最低限度のマナーはまもりなさい」
「うっさい!バーカ!バーカ!」
叫んで走り去っていく後ろ姿を見つめ、ため息をつく
アリス・ホワード男爵令嬢を淑女に育てると決めてから早数ヶ月
事あるごとに諭したり注意したりと頑張ってはいるが、全く改善がみられない
というか、授業をサボらないなんて貴族どうこう以前の問題では?
痛む頭を押さえてため息をつく
このまま彼女に全く進歩が無いようでは、ヒロインと殿下の仲を本格的に邪魔しなければいけなくなってくるではないか…
そもそも、私は彼女が一般的なマナーを身に付けてくれさえすれば、二人の仲を邪魔するつもりなんてこれっぽっちもない
何故ならラピス皇国は政略結婚も確かに存在するが、平民はもちろん貴族も恋愛結婚の方が多いのだ
王族や有力貴族は跡継ぎ問題があるため15歳前後で婚約者を決めるのが一般的ではあるが、その後恋人が出来ると、よほどの身分差がない限り婚約を破棄し、その相手と結ばれる事が多い
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そのため、ゲームのように修道院に幽閉されるのは出来れば避けたいが、それさえなければ婚約破棄自体は慎んで受け入れるつもりでいるのだ
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どうしましょう…
このままでは、もし彼女が殿下と結ばれなかったとしても、自分から婚約者を辞退しなくてはいけなくなってしまうわ…
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