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本編
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「殿下こそ、お話があると仰っていませんでしたか?
私は後で構いませんのでお先にどうぞ」
笑顔で促されて言葉につまる
「…」
「…?」
俺が話し出すのをじっと待っているセシリアを見て、ふと昔を思い出した
そういえば昔一緒にお茶をしていたときも、彼女は自分が話すのではなく俺の話を聞いていることが多かった
その上、質問をしたり控えめに自分の意見を言ってみたりと相槌もうまかったため、調子に乗って長々と話していた気がする
そう考えると、彼女は昔から俺を立ててくれていたんだな…
それなのにつまらない嫉妬心を爆発させて怒鳴った挙げ句にあの行動…何度振り返っても我ながら心の狭い…
今さらだが、やはりきちんと彼女に謝らねば…
そう決心してやっと言葉を発した
「…昔も、よくこうやって話をしたな」
「?そうでしたね、よくご一緒させて頂きました」
「…こういう時間がなくなったきっかけ、覚えてるか?」
「きっかけ、ですか…?」
そこで思案するように目を伏せるセシリア
しばらく考えた後、申し訳なさそうな顔をして口を開いた
「私が、到らなかったせいですね…」
「…ん?」
彼女の口から出てきた結論に、何故そうなったと驚いて聞き返す
しかし彼女は俺の驚きには気がついていないようで、しょんぼりとしながら言葉を続けた
「幼い頃から私は公爵家の者として、同年代の子息令嬢達の手本となるようにと両親から言い含められておりました」
「あぁ…」
「実際、そうあろうと様々なことを学び、努力してきたつもりです
ですが…貴族として一番大事なことが当時の私は出来ていませんでした」
そう言うとセシリアは深刻そうな顔で目を伏せる
発言の意図が読めず黙って続きを待った
「貴族として、一国民として、一番大事な皇族を敬うことが私には出来ていなかったのです…
エスコート以外でお体に触れることも、馴れ馴れしい言葉遣いも、愛称も、すべて不敬なこと
幼いからと許されていたことを、成長してからもそのままでいいのだと勘違いしてしまっていました」
「…」
なんだ?どうも話の流れがおかしい
俺は八つ当たりをしたときのことを謝ろうとしているのに、何故彼女が申し訳なさそうにしているんだ?
俺の混乱をよそに、彼女は更に続ける
「学校で殿下に初めてお会いした時に、殿下が注意してくださったでしょう?
私、とても感謝しておりますの
あの一件がなければ、私は幼い頃の振る舞いをこの先もずっと続けてしまうところでした
そんなことになれば他の者に示しがつきません
一歩間違えれば不敬罪で拘束されてしまうことになっていたかも…」
「…」
「謝罪はあの場で受け入れていただきましたが…
ずっと、お礼を申し上げねばと思っていたのです
でもなかなか機会がなくて…
やっと伝えることができます
あの時は、私を正して下さりありがとうございました
それと、改めて不敬をお詫び致します
申し訳ございませんでした」
スッと立ち上がり、そう言って深く頭を下げた彼女
それを俺は唖然と見つめた
私は後で構いませんのでお先にどうぞ」
笑顔で促されて言葉につまる
「…」
「…?」
俺が話し出すのをじっと待っているセシリアを見て、ふと昔を思い出した
そういえば昔一緒にお茶をしていたときも、彼女は自分が話すのではなく俺の話を聞いていることが多かった
その上、質問をしたり控えめに自分の意見を言ってみたりと相槌もうまかったため、調子に乗って長々と話していた気がする
そう考えると、彼女は昔から俺を立ててくれていたんだな…
それなのにつまらない嫉妬心を爆発させて怒鳴った挙げ句にあの行動…何度振り返っても我ながら心の狭い…
今さらだが、やはりきちんと彼女に謝らねば…
そう決心してやっと言葉を発した
「…昔も、よくこうやって話をしたな」
「?そうでしたね、よくご一緒させて頂きました」
「…こういう時間がなくなったきっかけ、覚えてるか?」
「きっかけ、ですか…?」
そこで思案するように目を伏せるセシリア
しばらく考えた後、申し訳なさそうな顔をして口を開いた
「私が、到らなかったせいですね…」
「…ん?」
彼女の口から出てきた結論に、何故そうなったと驚いて聞き返す
しかし彼女は俺の驚きには気がついていないようで、しょんぼりとしながら言葉を続けた
「幼い頃から私は公爵家の者として、同年代の子息令嬢達の手本となるようにと両親から言い含められておりました」
「あぁ…」
「実際、そうあろうと様々なことを学び、努力してきたつもりです
ですが…貴族として一番大事なことが当時の私は出来ていませんでした」
そう言うとセシリアは深刻そうな顔で目を伏せる
発言の意図が読めず黙って続きを待った
「貴族として、一国民として、一番大事な皇族を敬うことが私には出来ていなかったのです…
エスコート以外でお体に触れることも、馴れ馴れしい言葉遣いも、愛称も、すべて不敬なこと
幼いからと許されていたことを、成長してからもそのままでいいのだと勘違いしてしまっていました」
「…」
なんだ?どうも話の流れがおかしい
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俺の混乱をよそに、彼女は更に続ける
「学校で殿下に初めてお会いした時に、殿下が注意してくださったでしょう?
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「…」
「謝罪はあの場で受け入れていただきましたが…
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でもなかなか機会がなくて…
やっと伝えることができます
あの時は、私を正して下さりありがとうございました
それと、改めて不敬をお詫び致します
申し訳ございませんでした」
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それを俺は唖然と見つめた
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