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恋愛編
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「お嬢様、皇宮からです」
そう言って差し出された封筒
「ありがとう」
礼を言って受け取り、内容を確認する
封筒を手に例の胡散臭い金色…レオナルド様とのやり取りを思い出した
_____________________________________
『誕生パーティー、ですか?』
『うん、是非来てほしいんだよね』
『お誘いいただいて光栄ではありますが
レオナルド様の友人としてでしたらアルベルト殿下も参加なされるのでは?』
『うん、毎年来てるよ
とは言っても非公式にだけどね』
『でしたら、私はおそらく殿下のパートナーとして参加させていただくことになりますので招待状は不要かと・・・』
『ん~…でもアルベルトは何かと忙しいだろ?
今年は来れるかどうかわからないからさ』
『…殿下が参加されないなら私もパートナーがおりませんので参加は難しいかと・・・』
『あぁ~…まぁ、そうか』
やけにあっさりと認めたレオナルド様に少し驚きつつも安堵する
殿下を差し置いて自分の招待状で他のパートナーを連れて彼の誕生パーティーに参加するなど、邪推してくれといっているようなものだ
立場上、噂されることはある程度仕方がないとは思っているが、下世話な噂の的になるのは出来れば避けたい
『他国の王家の招待状に不参加と返事をすることは出来ませんので…申し訳ありませんが招待状は受け取れません』
そう言って頭を下げると、彼も素直に封筒をカバンにしまう
『そうだね。仕方ないや』
『ご理解いただけて幸いです
申し訳ございません』
『ううん
違う方法を探すことにするよ』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・とは言ってらしたけど」
本当に違う方法で来るとは…
「どうかなされましたか?」
呟きに反応して問いかけてきたマーサを振り向き、口を開く
「殿下がアンバー王国の第三王子殿下の誕生パーティーに出席されるのですって
私もパートナーとして同行することになるわ」
返事をするとマーサは一瞬驚いたような顔をしたあと、直ぐに質問を続けた
「かしこまりました
お日にちは何時でしょう」
「来週末ね」
「と、言うことは出発は…」
「殿下は来週には出発するそうよ」
「・・・当然お嬢様の出発も」
「殿下に合わせて一緒に向かうことになるから、来週ね」
そう告げるとマーサは一瞬の間の後、すぐに控えていたほかのメイドたちに指示を出し皆てきぱきと動き出す
「時間がありません、本日中に仕立て屋と宝飾店に連絡いたします
午後からは採寸とデザインの打ち合わせでよろしいですか?」
「…やっぱり新調しないとダメかしら」
「他国の王子様の誕生パーティーですから、ありものでは・・・」
「そうよね・・・流石に…」
内々の小さなパーティーならまだしも他国の正式なパーティーに持ち合わせのドレスではいささかお粗末が過ぎる
「急でごめんなさいね
店側にも無理を言って悪いけどと伝えておいて」
「かしこまりました
それでは私も手配に動きますので一度下がらせていただきます」
「えぇ、よろしく」
頭を下げて退室していったマーサやメイドたちを見送った
そう言って差し出された封筒
「ありがとう」
礼を言って受け取り、内容を確認する
封筒を手に例の胡散臭い金色…レオナルド様とのやり取りを思い出した
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『誕生パーティー、ですか?』
『うん、是非来てほしいんだよね』
『お誘いいただいて光栄ではありますが
レオナルド様の友人としてでしたらアルベルト殿下も参加なされるのでは?』
『うん、毎年来てるよ
とは言っても非公式にだけどね』
『でしたら、私はおそらく殿下のパートナーとして参加させていただくことになりますので招待状は不要かと・・・』
『ん~…でもアルベルトは何かと忙しいだろ?
今年は来れるかどうかわからないからさ』
『…殿下が参加されないなら私もパートナーがおりませんので参加は難しいかと・・・』
『あぁ~…まぁ、そうか』
やけにあっさりと認めたレオナルド様に少し驚きつつも安堵する
殿下を差し置いて自分の招待状で他のパートナーを連れて彼の誕生パーティーに参加するなど、邪推してくれといっているようなものだ
立場上、噂されることはある程度仕方がないとは思っているが、下世話な噂の的になるのは出来れば避けたい
『他国の王家の招待状に不参加と返事をすることは出来ませんので…申し訳ありませんが招待状は受け取れません』
そう言って頭を下げると、彼も素直に封筒をカバンにしまう
『そうだね。仕方ないや』
『ご理解いただけて幸いです
申し訳ございません』
『ううん
違う方法を探すことにするよ』
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「・・・とは言ってらしたけど」
本当に違う方法で来るとは…
「どうかなされましたか?」
呟きに反応して問いかけてきたマーサを振り向き、口を開く
「殿下がアンバー王国の第三王子殿下の誕生パーティーに出席されるのですって
私もパートナーとして同行することになるわ」
返事をするとマーサは一瞬驚いたような顔をしたあと、直ぐに質問を続けた
「かしこまりました
お日にちは何時でしょう」
「来週末ね」
「と、言うことは出発は…」
「殿下は来週には出発するそうよ」
「・・・当然お嬢様の出発も」
「殿下に合わせて一緒に向かうことになるから、来週ね」
そう告げるとマーサは一瞬の間の後、すぐに控えていたほかのメイドたちに指示を出し皆てきぱきと動き出す
「時間がありません、本日中に仕立て屋と宝飾店に連絡いたします
午後からは採寸とデザインの打ち合わせでよろしいですか?」
「…やっぱり新調しないとダメかしら」
「他国の王子様の誕生パーティーですから、ありものでは・・・」
「そうよね・・・流石に…」
内々の小さなパーティーならまだしも他国の正式なパーティーに持ち合わせのドレスではいささかお粗末が過ぎる
「急でごめんなさいね
店側にも無理を言って悪いけどと伝えておいて」
「かしこまりました
それでは私も手配に動きますので一度下がらせていただきます」
「えぇ、よろしく」
頭を下げて退室していったマーサやメイドたちを見送った
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