悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき

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恋愛編

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晩餐の時間が始まってすぐ、俺は先ほどのレオナルドの話が本当だったのだと実感することになる

まず席順がおかしかった
上座に国王夫妻、その次に左右に分かれて俺とアンバー王国の王太子が座る
そこまではいい
問題はそこからだ
親睦を深めたいという国王夫妻の希望により、俺の隣にローズマリー、王太子の隣にセシリアが座らされたのだ
そしてローズマリーの横にレオナルド、セシリアの隣にアンバー王国の第二王子が座る
当然自分たちが並んで座ることになると思っていた俺とセシリアは戸惑ったし、セシリアは他国の王子より上座に座ることを恐れ多いと遠慮したのだが、王と王妃による笑顔のごり押しでその席順に決定してしまった
そして今は・・・

「アルベルト様!このお料理、わたくしのお気に入りですの
アルベルト様に食べていただきたくて今日の晩餐に入れるようにわたくしが料理長に頼んだんですのよ」
「・・・そうか」
「もう召し上がりましたか?お口にあいまして?」
「いや、まだだな…」
「まぁ!それでしたらわたくしが食べさせて差し上げますわ
はい、あーん、してくださいませ」
「い、いや、自分で食べられるから結構だ」

鬱陶しいほどに話しかけてくるローズマリーを適当にあしらいつつ食事を勧める
話の流れでずいっと目の前に差し出された食べ物に若干仰け反った
笑顔でフォークを持つ姿にいつかのおかしな令嬢の姿が重なり顔がひきつる
それを察したのか見かねたレオナルドが苦笑を浮かべながら助け舟を出してくれた

「こら、ローズマリー。流石にそれは行儀が悪いよ」
「もう・・・お兄さまったらうるさいですわよ」
「うるさくないよ
仮にも他国からいらっしゃった客人の前なんだちゃんとしなさい
アルベルトも言ってやってよ
行儀がなってない女の子は嫌だよね?」
「あ、あぁ。そうだな」
「・・・わかりましたわ」

慌てて同意すれば、不服そうな顔でしぶしぶと引っ込められたフォークに安堵する

助かった…

ほっと息をはいてレオナルドに礼を込めて目配せすると、謝るような苦笑いが返ってきた
むすっとしながらも食事を再開したローズマリーを確認し、自分も目の前の皿に視線をもどす
アンバー王国らしい繊細で華やかに盛り付けられた料理を口に運んでいると、向かいに座るアンバー王国の第一王子、第二王子とセシリアの会話が耳に入ってきた

「セシリア嬢は本当にお美しい
先程入室してこられた際、つい見とれてしまいましたよ」
「まぁ、ご冗談を…」
「美しいだけではなく学校成績も優秀だとか
最年少で各学年の課題をすべてクリアされたと聞いております」
「ほう…それは素晴らしいですね」
「そんな素晴らしい女性が婚約者とは…アルベルト殿が羨ましい」
「本当に
僕や兄上もそんな素晴らしい婚約者が欲しいものです」
「…お褒めいただき光栄ですわ」

レオナルドがいつも浮かべているようなキラキラした表情をして、まるで台本でもあるかのように交互にセシリアに話しかけている王子たち
それに何時もどおりの笑顔で受け答えをするセシリア

それだけならそれほど気にすることもない
本当に国家間の親睦を深めているだけともとれる

気にするべきは、王子たちの距離感だった
よく見ていると、時折意味ありげな間を持たせてセシリアの瞳を覗き込んだり、彼女の耳元に顔を寄せ、囁くように話しかけている
セシリアはセシリアで特に気にした風もなく、何事もないような顔で二人の言葉に返事をしたり相づちをうちながら食事を進めていた

…あの王子たち、近すぎないか?
セシルも嫌がるそぶりでも見せればいいものを…
…いや、他国の王子相手にセシルがそんなことできるわけないか…

そんなことを考えながらもその姿を見ていると、知らず知らずのうちに眉間に皺がよっていくのを感じた
セシリアのかわりにもう少し距離をとるように注意しようと口を開きかける
しかし言葉を発する前に国王に話しかけられ、やっと解放されれば今度は王妃、その次は復活したローズマリーと続き、結局注意することは叶わずにそのまま晩餐の時間は過ぎていった
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