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恋愛編
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仕事を終えて二人を待たせていた部屋に戻るとセシリアはうつむいて何やら考え込んでいるようで、その向かいに座るレオナルドは、茶請けのサンドイッチをつまみつつ、楽しそうなにやにやとした笑みを浮かべてその様子を眺めていた
……?
何事だ?
戻ってきた俺に気付く様子のない二人に、こちらから声をかける
「……待たせたな
どうしたんだ?」
声をかけるとセシリアがパッと顔をあげて立ち上がった
「…殿下
気がつかずに申し訳ございません、お帰りなさいませ」
「あぁ
…どうかしたか?」
たずねるとセシリアは顔に例の完璧な笑みを貼りつけ、スッと頭を下げた
「それが、急用を思い出してしまいましたのでもうお暇しようかと思っておりましたの
申し訳ございません」
有無を言わせぬ雰囲気に少したじろぐ
「あ、あぁ…そうなのか……?」
「はい、そうなのです
それでは、私は急ぎますので…お招きありがとうございました
殿下、レオナルド様、御前失礼致します」
「またねー」
勢いのままに礼をとって退室していったセシリア
レオナルドがそんな彼女に向かってひらりと手をふった
俺はしばらく彼女が出ていった扉を唖然と見つめてから、楽しそうな笑顔を浮かべたままの友人をじとりと睨む
「……」
「ん?なぁに?」
「……セシルに何かしたのか?」
問うとレオナルドは大袈裟に肩をすくめて見せた
「失礼な
なにもしてないよ」
「なら何で急に帰っていったんだ」
「彼女が急用だって言ってたじゃないか
僕は関係ないよ」
サンドイッチを口に放り込みながら答えるレオナルド
俺はどうも信用できず、その様子をじとっとした目付きで見続ける
「ん、これ美味しいね」
「…」
「あ、こっちもいける」
「……」
「もぐもぐ……」
「………」
「…ごく」
「…………」
「もー…なんなのさ?」
「……本当にセシルに何もしてないな?」
面倒そうな顔のレオナルドにもう一度たずねるとため息をつかれた
「別になにもしてないさ
ちょっと質問しただけで」
「……質問?何をだ?」
「えー…そんなことまで君に話さなきゃいけないの?
独占欲の強い男は嫌われるよ?」
「……」
ぐっと押し黙った俺に、レオナルドは再び笑みを浮かべる
「だからあんまり詮索はやめてくれるかな」
「……」
「でも、まぁ…
君にとって悪いことじゃないよ?むしろ、いい方向に進むと思うんだ」
僕に感謝してよね、と言うだけ言って再び紅茶やサンドイッチに手を伸ばしたレオナルド
俺はこの友人の言葉の意図が読めず、首をかしげていた
……?
何事だ?
戻ってきた俺に気付く様子のない二人に、こちらから声をかける
「……待たせたな
どうしたんだ?」
声をかけるとセシリアがパッと顔をあげて立ち上がった
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「あぁ
…どうかしたか?」
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申し訳ございません」
有無を言わせぬ雰囲気に少したじろぐ
「あ、あぁ…そうなのか……?」
「はい、そうなのです
それでは、私は急ぎますので…お招きありがとうございました
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「……」
「ん?なぁに?」
「……セシルに何かしたのか?」
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「失礼な
なにもしてないよ」
「なら何で急に帰っていったんだ」
「彼女が急用だって言ってたじゃないか
僕は関係ないよ」
サンドイッチを口に放り込みながら答えるレオナルド
俺はどうも信用できず、その様子をじとっとした目付きで見続ける
「ん、これ美味しいね」
「…」
「あ、こっちもいける」
「……」
「もぐもぐ……」
「………」
「…ごく」
「…………」
「もー…なんなのさ?」
「……本当にセシルに何もしてないな?」
面倒そうな顔のレオナルドにもう一度たずねるとため息をつかれた
「別になにもしてないさ
ちょっと質問しただけで」
「……質問?何をだ?」
「えー…そんなことまで君に話さなきゃいけないの?
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「……」
ぐっと押し黙った俺に、レオナルドは再び笑みを浮かべる
「だからあんまり詮索はやめてくれるかな」
「……」
「でも、まぁ…
君にとって悪いことじゃないよ?むしろ、いい方向に進むと思うんだ」
僕に感謝してよね、と言うだけ言って再び紅茶やサンドイッチに手を伸ばしたレオナルド
俺はこの友人の言葉の意図が読めず、首をかしげていた
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