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後編
しおりを挟む「ひぁっ……」
首筋を舐められ、漏れた声に羞恥が込み上げる。
その反応にクロウは気を良くしたように微笑み、さらに肌へ舌を這わせていった。
味わうように舐めて、強く吸い付き、痕を残す。
「っ、やっ……」
胸の膨らみを舌がすべり、頂へと向かっていく。
焦らすようにゆっくりと、淡く色づく突起に唇が近づいて、思わず身体を震わせた。
「ぁっ…!っん…」
舌で乳輪をなぞられ、その刺激に自分のものとは思えない甘い声が上がった。
恋人ではない相手に触れられるのは嫌なのに…感じたくないのに…
心に反して身体は敏感に快感を拾っていく。
まるで自分の身体ではないみたいだ。
「っ…んんっ…、ゃ…」
声が漏れるのが嫌で必死に唇を噛み締めるけれど、突起に歯を立てられればどうにもならない快感が押し寄せ、喘いでしまう。
「ぁっ…あぁ…ゃ…だぁ…」
どろどろと溶け出してしまったかのように体から力が抜けていき、抵抗しようと動かした手は、いつの間にか力なくクロウの頭に添えるだけになってしまっていた。
「あぁっ…!っ…やぁっ……」
唇で吸い上げ、指で押し潰され、強い快感に背中を仰け反らせる。
下腹がじくじくと疼いて、脚の間から蜜が溢れるのを自分でも感じた。
無意識のうちに太腿をすり合わせれば、目ざとくそれに気づいたクロウは、至るところに痕を残しながら舌を下半身へと移動させていった。
ちゅうっと下腹に吸い付かれ、身体がびくんっと震える。
「やっ、そんなところ……っ」
静止を無視して脚の付け根を舌がなぞる。
太股の柔らかい皮膚に吸い付かれ、また痕が増えたのを知った。
恋人の…フレッドのものではない、クロウの痕が散りばめられていく。
与えられる快感をただ受け入れるだけになった私は、力の抜けてしまった脚を大きく広げられたことでハッと我に返った。
「ひっ……いやっ……」
慌てて脚に力を籠めて抵抗しようとするが、クロウは意にも介さず、私の秘所を眺めて嬉しそうに笑った。
「すごい…もうこんなに濡らしていたの?」
「ゃだっ……見ないで……っ」
「恋人が居るっていうのに他の男に愛撫されて、こんなにたくさん蜜を漏らして……君がこんなにいやらしい子だったなんて知らなかったよ」
「ちがっ……違うっ……私は…!」
否定したくて、涙を流しながら懸命に首を振る。
だがクロウはクスクスと嗤うだけ。
「なにが違うの? ほら、少し撫でただけでこんなに……」
「!やあぁっ…!!」
花弁を下から上へぬるりと撫でられ、それだけで快感が走り抜ける。
「見てごらん。こんなに濡れてるよ」
「やだぁ……」
愛液を纏った指を見せつけられ、羞恥心や絶望…様々な感情が渦巻く。
一方クロウはうっとりとした表情を浮かべ、更に私を辱しめるように蜜に濡れた指をゆっくりと口に含んで見せた。
「やっ……もう、いやぁ……っ」
耐えきれず視線をそらすが、許さないとばかりに顎を掴まれ口付けられる。
「可愛い…でも、目をそらしちゃだめ。ちゃんと見ていて。今君を愛しているのが誰か…」
甘い声で囁やき、そのまま顔が脚の間へと埋められた。
「やだっ、やめてっ……」
身を捩るけれど、しっかりと腰を掴まれ逃れられない。
「ひぅっ……」
熱い吐息が秘所を掠め、びくりと内腿が震える。わざとゆっくりと伸ばされた舌が、花芽にそっと触れた。
「ああぁっ」
ぬるりと敏感な粒を舐められ、痺れるような快感が全身を駆け抜けた。
花弁の奥から、とろりと新たな蜜が漏れる。
「っ、あぁっ…ひっ、やぁんっ!」
唾液を纏った舌で小さな肉粒を舐め回される。ぬるぬるとした感触に、どうしようもなく感じてしまう。
「やだっ、…もうやめてっ…!」
「こんなに気持ちよさそうなのに、やめてほしいの?」
舌先でくりくりと捏ねられ、花芽はこりこりと固く張り詰めていく。
ぬめった粘膜に刺激されるたび、とろとろと止めどなく蜜が湧き出てくる。
「ひぅんっ、んっ、あっ、あぁっ」
「ん…舐めても舐めても溢れてくる…もっと気持ちよくしてあげるからね」
舌が花弁をなぞり上げる。味わうように蜜を舐め取られ、そのままぬるっと、舌先が蜜口に差し込まれる。
私は中を舌で擦られる快感に抗えず、はしたない声でただ喘ぐしかない。
「やあぁっ!ぁあ…、やめっ…い、やぁっ…!」
甲高い悲鳴が室内に響き渡る。嫌だと叫びながらも、膣孔は蜜を漏らし続け、抜き差しを繰り返す彼の舌を悦ぶように迎え入れている。
ヂュっと音を立てて吸い付き、舌が抜かれた感触にほっと力を抜いたのもつかの間、すぐに舌よりも遥かに硬く、長い、クロウの指が侵入してきた。
ずりずりと探るように入口付近を擦られ悲鳴を上げる。
「いゃぁ…っ!」
「ごめんね、舌じゃよく分からなくて…確かめさせて」
言葉と同時に指が増やされ、ゆっくり、だが確実に奥へ奥へと進んでくる。
その指はとん、と何にあたったように途中で動きを止めた。
「…あぁ、良かった。膜がある…
やっぱりきみは僕のリーナのままだ…」
ぽつりと呟かれた言葉。
数年ぶりに彼の口から出た私の愛称に、こんな場面にも関わらず、どくりと心臓が音を立てた。
「な、に…?」
「リーナ…可愛い、愛しいリーナ。
きみはずっと昔から、僕の…僕だけのものだ」
「……ひっ」
クロウがズボンから自身の性器を取り出す。
大きく反り返ったそれが目に入り、思わず引きつった声が漏れた。
このままでは、本当に彼に犯されてしまう。
愛する恋人が居るはずなのに、違う男のもので体を貫かれてしまう。
先程までの快感が遠ざかり、青ざめ、恐怖に顔を強張らせる私とは対象的に、クロウは喜びを隠そうともしない光悦とした表情で私に語りかける。
「リーナ……僕のリーナ。僕だけの、リーナ一つになろうね」
両脚を抱えられ、私は制止の声を上げた。
「やめてください、殿下……!!」
「違うよ、リーナ。クロウだろう?ずっとそう呼んでたじゃないか」
「そ、そんなの昔の…最近はずっと殿下と…!」
「そうだね…ずっと寂しかったんだ。仕方ないことだとはわかっていたけど…」
蜜口に陰茎が押し当てられ、すりすりと擦られる。
「っ、いやっ、殿下っ……」
「クロウ、だよ。リーナ…」
ゆっくりと、太い亀頭が花弁を歪めめり込んでくる。
「やっ、やだっ、いやぁっ……!」
絶望と圧迫感に目を見開き悲鳴を上げる。
少し挿入したところでクロウは動きを止めた。
「っ…はぁ…、ほら、ここにリーナの純潔の証がある……僕のものと、擦れているのがわかる……?」
先端がくりくりと処女膜に擦り付けながら問いかけられた。
「ぃやっ!お願い…、やめて…やめてぇっ!」
くちゅくちゅと入り口を刺激され、先程の快感が戻ってくる。
だが、先程のような決定的な刺激はない。
嫌なはずなのに…やめてほしいはずなのに、身体はさらなる刺激を期待している。
わけが分からなくなって私の瞳からはぼろぼろと涙が溢れ出た。
「泣かないで、リーナ。ごめんね?焦らしすぎたね…僕ももう限界だ」
クロウの手が、マリナの腰を強く掴んで固定した。
「愛してるよ、僕のリーナ」
「ひっ、いゃああああぁっ……!!」
ぐっと腰を押し付けられ、一気に陰茎が捩じ込まれた。
貫かれる痛みに、さらに涙を零す。
じくじくと下腹が痛み、焼かれるように、熱い。
「あっ、あぁっ……」
「っ、リーナ……僕のリーナ……」
「ぁっ…ふ、うぅっ………ぁあっ…!」
「ここも、唇も、胸も、脚も、声も…髪の一本さえ…全部僕だけのものだ……他の誰にも渡さない」
脳に刻み付けるように、囁きが耳に吹き込まれる。
ぐちゅっぐちゅっと膣内を突き上げながらも、クロウはそっと陰核に触れた。
そこを刺激されると、痛みが吹き飛ぶほどの快楽に襲われる。
「あぁっ…で、んかぁ…、そこ、ゃだぁ……あっ、あぁっ…」
「殿下じゃなくてクロウ、だろう?」
肉粒をくにゅくにゅと詰まんで捏ねられ、背中を仰け反らせる。首をふって快感に悶えていると、ぐっと顎を掴まれて固定された。
「……ほら、呼んで。クロウって」
情欲に濡れ、狂気をはらんだ瞳でそう命じられ、追い打ちとばかりにぐっと奥を突かれる。
痛み、快楽、そして恐怖。
もうわけがわからない。頭が働かない。
「ぁ、く、ろう…ぁあ!ゃ、くろうっ…クロウ!」
快感の中で必死に名前を呼べば、途端に瞳が甘く溶ける。
「ん…そう、それでいいよ。リーナ…もっと呼んでごらん?」
「んっ、ぁっ…くろぉ…ゃ、あぁ…!くろうぅ…っ!」
「はぁ………リーナっ」
命じられるまま何度も名前を呼んだ。
呼べば呼ぶほど、動きは激しくなっていく。
何度も出し入れされる楔に肉襞を擦られ、陰核を指で押し潰される。
苦痛と快楽が混ざり合い、身体ごと深く沈んでいくような感覚に襲われる。
「んっ…クロウ…」
与えられる感覚を感受していると、唇が重ねられた。
舌を絡め取られ、吸い上げられ、喘ぎっぱなしだった口元からだらしなく溢れる唾液を舐められる。
濃厚なキス。
その間も陰茎は、激しく膣内を行き来し、動きに合わせてじゅぷじゅぷと卑猥な水音が響いた。
引き裂かれるような痛みさえ、快感に塗り替えられ今はもう感じない。
唇を離されれば口から漏れるのは媚びるような甘い声だけ。
「ぁあ…んっ……はぁ…あぁっ…!」
「ふふ、リーナ。可愛い…気持ちいい?もっと気持ちよくしてあげるね…」
クロウは言葉通り乳首や陰核に手を這わす。絶えず中を蹂躙されながら、胸の頂きや花芽を刺激され、徐々に大きな快楽がせり上がってくるのを感じた。
ぞくぞくと何かが駆け上がり、爪先が痺れる。
「やぁっ!だめっ…な、にか、何かきちゃぅっ…っつ!」
「っ……いいよ、リーナ、そのまま身を任せて。いっぱい感じて…」
「いや、いゃぁっ…!こわ、こわいっ…!!」
「……大丈夫、怖くないよ、僕もイくから、一緒にイこう…」
溢れ出る涙で潤んだ視界でクロウを見る。
それに気がついたのか、クロウは微笑んで、私の耳元に顔を寄せた。
ぐっと最奥を刺激され、悲鳴じみた喘ぎ声が漏れる。
「ほら……ここに、僕のをたっぷり注いであげる…これで本当に、リーナは僕だけのものになるんだよ…」
快楽に蕩けていた私は、その言葉に正気を取り戻した。
「!?……やっ、だめ…だめっ!やめてっ…」
必死に声を上げるが、快楽に溶けきり力の入らない体ではろくな抵抗はできなかった。
「やぁっ…!やだ、クロウ、ぁ…やめてっ…!ん…、お願い、やめて…だめっ!」
ぽろぽろ流れる涙に舌を這わせ、クロウはうっとりと笑う。
「なんで?ずっと一緒にいるって約束しただろう?これで子供が出来れば、結婚しなくてもずっとそばにいられるよ」
「…っ!ちがっ…だ、だめっクロウ、お願い、やめて…!」
「…っ、ごめん、僕ももう、我慢できないや…ほら、リーナ…一緒にイこうっ…!」
ぐいっと更に腰を引き寄せられ、激しく最奥を穿つ。
絶頂を促すようにぐりぐりと遠慮なく陰核まで捏ね回され、リーナは限界に達した。
「んんっ!ぁっ…あああっ…っ!」
「…くっ…リーナ…っ!」
目の前がちかちかと白み、全身が痺れ、硬直する。
ほぼ同時に、クロウも達したようで、中の物がびくびくと脈打ち、奥に大量の熱を注がれたのを感じた。
「ぁ……っ……」
「愛してる。リーナ……」
慈しむように、クロウの手が下腹を撫でた。
「僕の子供、孕んでね?出来るまで何回でもしてあげるから……結婚はできなくても、子どもさえ出来れば今みたいにメイドとしてではなく、僕の大切な人として側に置くことは出来るから…」
「…」
「ふふ、これで約束通り、ずっと一緒にいられるね」
楽しそうに、嬉しそうに話すクロウ。私は答えることもできず、ただ涙を流していた。
応援ありがとうございます!
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