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第12章 アークデーモンとの死闘、そして旅立ち
12―7 VSエルダー級アークデーモン③
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「グラビティ!」
絶え間なく降り注ぐ氷柱の合間を縫って移動しながら、アルナが魔術を発動する。
「笑止。この程度で落とせるものか!」
エルダー級アークデーモンは両翼を広げて、空中に留まる。
「でしたら、これならどうですの? グラビティ!」
ネティエがアルナと同様の魔術をエルダー級アークデーモンに対して重ねがけする。
「ぬっぐぅ!」
エルダー級アークデーモンが歯を食いしばる。
(さすがにマズい、か)
エルダー級アークデーモンは移動して重力の束縛から逃れようとする。
「させるか! バインド・チェーン!!」
ザラギスが作り出した魔力の鎖がエルダー級アークデーモンに絡みつく。
「落ちろぉ!」
ザラギスが渾身の力で鎖を引っ張る。
「ぬぁっ!」
短く声を発したエルダー級アークデーモンの巨躯が床に引き寄せられる。
ドォォォォォンッ
またしても、盛大な音を立てて叩きつけられたエルダー級アークデーモンだったが、すぐに魔力の鎖を引き千切って起き上がる。
「おのれ……」
想像以上の抵抗をみせる人間に苛立ち、拳を握りしめたエルダー級アークデーモン。
「ボクたち人間をあまく見すぎないことです。エア・ガトリング!」
エルダー級アークデーモンの懐に素早く飛び込んだルアークが、ほぼ密着した状態から圧縮された空気弾を撃ちまくる。
「ごはっ!」
A級冒険者であるルアークのエア・ガトリングをゼロ距離で全弾受けては、魔力を纏ったエルダー級アークデーモンといえども、それなりのダメージはある。苦しげな表情を浮かべたまま後方へと吹っ飛ぶ。
「もう一発くらいな! 闘気戦術・衝打!!」
エルダー級アークデーモンの後方で待機していたエルフェリオンは、闘気を帯びた邪龍鎚を振り抜く。
「ごはっ!」
背中を打たれたエルダー級アークデーモンは、今度は前方へと飛ばされた。
「闘気戦術・斬閃!」
ルアークは闘気を帯びた長剣を飛ばされてくるエルダー級アークデーモンに向かって一閃する。
ザンッ
ルアークの放った一撃は、強靭な肉体を持つエルダー級アークデーモンに深手を負わせた。青緑色の血液が宙を舞う。
「よし! やったか!?」
ザラギスが期待を込めた声音をあげる。
「……やはり、残念ながらそれほど簡単に倒せる相手ではないようですね」
振り返ったルアークは長剣を構え直す。
「どうやら、人間が脆弱な生き物だという認識は改める必要があるようだ。我が名バゾンの名にかけ、全力をもって貴様らの相手をしてくれようぞ!!」
エルダー級アークデーモンのバゾンは深紅の双眸をクワッと見開き、全身から黒い魔力を迸らせた。
絶え間なく降り注ぐ氷柱の合間を縫って移動しながら、アルナが魔術を発動する。
「笑止。この程度で落とせるものか!」
エルダー級アークデーモンは両翼を広げて、空中に留まる。
「でしたら、これならどうですの? グラビティ!」
ネティエがアルナと同様の魔術をエルダー級アークデーモンに対して重ねがけする。
「ぬっぐぅ!」
エルダー級アークデーモンが歯を食いしばる。
(さすがにマズい、か)
エルダー級アークデーモンは移動して重力の束縛から逃れようとする。
「させるか! バインド・チェーン!!」
ザラギスが作り出した魔力の鎖がエルダー級アークデーモンに絡みつく。
「落ちろぉ!」
ザラギスが渾身の力で鎖を引っ張る。
「ぬぁっ!」
短く声を発したエルダー級アークデーモンの巨躯が床に引き寄せられる。
ドォォォォォンッ
またしても、盛大な音を立てて叩きつけられたエルダー級アークデーモンだったが、すぐに魔力の鎖を引き千切って起き上がる。
「おのれ……」
想像以上の抵抗をみせる人間に苛立ち、拳を握りしめたエルダー級アークデーモン。
「ボクたち人間をあまく見すぎないことです。エア・ガトリング!」
エルダー級アークデーモンの懐に素早く飛び込んだルアークが、ほぼ密着した状態から圧縮された空気弾を撃ちまくる。
「ごはっ!」
A級冒険者であるルアークのエア・ガトリングをゼロ距離で全弾受けては、魔力を纏ったエルダー級アークデーモンといえども、それなりのダメージはある。苦しげな表情を浮かべたまま後方へと吹っ飛ぶ。
「もう一発くらいな! 闘気戦術・衝打!!」
エルダー級アークデーモンの後方で待機していたエルフェリオンは、闘気を帯びた邪龍鎚を振り抜く。
「ごはっ!」
背中を打たれたエルダー級アークデーモンは、今度は前方へと飛ばされた。
「闘気戦術・斬閃!」
ルアークは闘気を帯びた長剣を飛ばされてくるエルダー級アークデーモンに向かって一閃する。
ザンッ
ルアークの放った一撃は、強靭な肉体を持つエルダー級アークデーモンに深手を負わせた。青緑色の血液が宙を舞う。
「よし! やったか!?」
ザラギスが期待を込めた声音をあげる。
「……やはり、残念ながらそれほど簡単に倒せる相手ではないようですね」
振り返ったルアークは長剣を構え直す。
「どうやら、人間が脆弱な生き物だという認識は改める必要があるようだ。我が名バゾンの名にかけ、全力をもって貴様らの相手をしてくれようぞ!!」
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