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第12章 アークデーモンとの死闘、そして旅立ち
12―13 VSエルダー級アークデーモン⑨
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エルフェリオンとルアークとザラギスは、バゾンと激しい攻防戦を展開していた。
「ちぃ!」
バゾンに頬を蹴り飛ばされたエルフェリオンが、口元から滲んだ血を拭う。
『そろそろ邪龍鎧を出し続けるのも辛くなってきとるんじゃないかのぉ?』
レヴィジアルが他人事のように話しかける。
「ちぃっと黙ってな。今はおまえにかまってやってる場合じゃねぇんだよ」
『口ではそう言っておるが、楽しんでおるようにみえるんじゃがのぉ? 愚かしいまでに戦闘狂じゃな』
半ば呆れるレヴィジアルに何も返すことなく、エルフェリオンは駆けだす。
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……しつこい人間どもめ!」
息を切らしたバゾンがギリリと歯噛みする。
「ザラギス!」
「おう!」
ルアークの呼びかけにザラギスが答える。
「ぬ!?」
前後から挟み込むように迫るルアークとザラギスにバゾンは身構える。
ルアークの緑色の魔力と、ザラギスの黄土色の魔力が同時に膨れ上がる。
(くっ!)
バゾンは、ザラギスとルアークがそれぞれ手をかざしたのを見て、魔術が放たれるより先に高く跳び上がる。だが、ルアークとザラギスの口角を上がったことに顔を引き攣らせる。
「「エア・ガトリング!!!」」
かざした手の向きをバゾンを追うように変えたルアークとザラギスが、頭上に向かって空気弾を連射する。
「がぁぁぁぁぁぁ!」
怒涛のように撃ちまくられた空気弾を下方から受け、バゾンは悲鳴をあげて宙を舞う。
「おっしゃ、いける! やつもかなり疲弊してるぜ。オラたちの攻撃も充分に通じるぞ!」
確かな手応えにザラギスが希望の声をあげる。
「おの、れ!」
焦りを宿していた、バゾンの深紅の瞳が高く跳躍したエルフェリオンを映す。
「闘気戦術・衝打!!」
邪龍剣を邪龍鎚へと変形させたエルフェリオンが、闘気をまとった一撃を放ち、エルダー級アークデーモンを叩き落とす。
「ぬぐぅぅ!!」
うめき声を漏らし、勢いよく落下していくバゾン。
「なめるな、人間!」
落下中に体勢を立て直したバゾンは、魔力で風を起こしてエルフェリオンたちから離れた位置に着地する。それから右手をエルフェリオンに、左手をルアークとザラギスに向けた。
「バーニング・ガトリ……」
「グラビティ!!」
バゾンが魔術を発動する前にアルナがしかけた。
「ぐぉ!?」
アルナが発動した魔術によってバゾンの周囲の重力が強くなり、バランスを崩したバゾンが片膝を折る。
「一気にいきますよ!」
ルアークの掛け声に合わせてエルフェリオンとザラギスが動く。
「ぬぐぐっ……ぬぅ!……」
ルアークたちの一斉攻撃にバゾンはさらに窮地に追いやられる。
「みんな、離れて! ライトニング・ガトリング!!!」
聖杖をバゾンに差し向けたアルナが雷撃球を乱射する。
「ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
空間全体を震わせるようなバゾンの大絶叫が轟いた。
「ちぃ!」
バゾンに頬を蹴り飛ばされたエルフェリオンが、口元から滲んだ血を拭う。
『そろそろ邪龍鎧を出し続けるのも辛くなってきとるんじゃないかのぉ?』
レヴィジアルが他人事のように話しかける。
「ちぃっと黙ってな。今はおまえにかまってやってる場合じゃねぇんだよ」
『口ではそう言っておるが、楽しんでおるようにみえるんじゃがのぉ? 愚かしいまでに戦闘狂じゃな』
半ば呆れるレヴィジアルに何も返すことなく、エルフェリオンは駆けだす。
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……しつこい人間どもめ!」
息を切らしたバゾンがギリリと歯噛みする。
「ザラギス!」
「おう!」
ルアークの呼びかけにザラギスが答える。
「ぬ!?」
前後から挟み込むように迫るルアークとザラギスにバゾンは身構える。
ルアークの緑色の魔力と、ザラギスの黄土色の魔力が同時に膨れ上がる。
(くっ!)
バゾンは、ザラギスとルアークがそれぞれ手をかざしたのを見て、魔術が放たれるより先に高く跳び上がる。だが、ルアークとザラギスの口角を上がったことに顔を引き攣らせる。
「「エア・ガトリング!!!」」
かざした手の向きをバゾンを追うように変えたルアークとザラギスが、頭上に向かって空気弾を連射する。
「がぁぁぁぁぁぁ!」
怒涛のように撃ちまくられた空気弾を下方から受け、バゾンは悲鳴をあげて宙を舞う。
「おっしゃ、いける! やつもかなり疲弊してるぜ。オラたちの攻撃も充分に通じるぞ!」
確かな手応えにザラギスが希望の声をあげる。
「おの、れ!」
焦りを宿していた、バゾンの深紅の瞳が高く跳躍したエルフェリオンを映す。
「闘気戦術・衝打!!」
邪龍剣を邪龍鎚へと変形させたエルフェリオンが、闘気をまとった一撃を放ち、エルダー級アークデーモンを叩き落とす。
「ぬぐぅぅ!!」
うめき声を漏らし、勢いよく落下していくバゾン。
「なめるな、人間!」
落下中に体勢を立て直したバゾンは、魔力で風を起こしてエルフェリオンたちから離れた位置に着地する。それから右手をエルフェリオンに、左手をルアークとザラギスに向けた。
「バーニング・ガトリ……」
「グラビティ!!」
バゾンが魔術を発動する前にアルナがしかけた。
「ぐぉ!?」
アルナが発動した魔術によってバゾンの周囲の重力が強くなり、バランスを崩したバゾンが片膝を折る。
「一気にいきますよ!」
ルアークの掛け声に合わせてエルフェリオンとザラギスが動く。
「ぬぐぐっ……ぬぅ!……」
ルアークたちの一斉攻撃にバゾンはさらに窮地に追いやられる。
「みんな、離れて! ライトニング・ガトリング!!!」
聖杖をバゾンに差し向けたアルナが雷撃球を乱射する。
「ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
空間全体を震わせるようなバゾンの大絶叫が轟いた。
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