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第14章 大農園を救え
14―9 喧嘩
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冒険パーティ放浪者がセト大農園にやってきて5日が経った。
セト大農園の敷地内を隈無く調査し終えたアルナは、調査範囲を周辺地域へと拡大させている。
その一方で、エルフェリオンは大農園の復興作業の手伝いを担当している。そして、夕暮れ時になると一人で出かけ、夜遅くに帰ってくることが習慣化していた。
「ねぇ、エルフェリオン。毎晩、こんな遅くまでどこで何してるのよ?」
例によって、深夜に戻ってきたエルフェリオンに、待ち構えていたアルナが声をかける。
「あん? そんなの鍛錬に決まってるだろうが」
悪びれる様子もなく答えるエルフェリオンを、アルナはキッと睨む。
「あんたねぇ! 復興作業を手伝うのはいいけど、使った道具の片付けとかしないうえに、遅くまで帰ってこないなんてどういうつもりよ!? そんなに鍛錬したいなら周りに迷惑かけないようにやりなさい!」
声を荒らげるアルナに対してエルフェリオンは冷ややかに対応する。
「俺がいつ鍛錬しようと勝手だろ。おまえに指図される覚えはないが?」
「なっ!? あんたがいないせいで、せっかく作ってくれた夕食は冷めちゃうし、食器なんかも片付けられないのが分からないの!?」
「だったら、俺の分は要らねぇよ」
パシンッ
部屋に乾いた音が響く。自分の非を認めようとしないエルフェリオンに、アルナが平手打ちをする。
「おいおい、いきなりなにすんだ?」
エルフェリオンのエメラルドグリーンの瞳がアルナを睨む。
「あんたってほんとに身勝手ね! そんなに特訓をしたいのならグワンドラに戻って一人でやりなさいよ!! ここはあたし一人でも問題ないわ」
「ほぉ。それじゃ、お言葉に甘えて勝手にさせてもらうとするか」
エルフェリオンはそのまま踵を返し、農園の宿舎を出ていく。
「……ほんっとにバカなんだから!……」
アルナは、夜の帳の中に消えていくエルフェリオンの後ろ姿を窓越しに見送った。
セト大農園の敷地内を隈無く調査し終えたアルナは、調査範囲を周辺地域へと拡大させている。
その一方で、エルフェリオンは大農園の復興作業の手伝いを担当している。そして、夕暮れ時になると一人で出かけ、夜遅くに帰ってくることが習慣化していた。
「ねぇ、エルフェリオン。毎晩、こんな遅くまでどこで何してるのよ?」
例によって、深夜に戻ってきたエルフェリオンに、待ち構えていたアルナが声をかける。
「あん? そんなの鍛錬に決まってるだろうが」
悪びれる様子もなく答えるエルフェリオンを、アルナはキッと睨む。
「あんたねぇ! 復興作業を手伝うのはいいけど、使った道具の片付けとかしないうえに、遅くまで帰ってこないなんてどういうつもりよ!? そんなに鍛錬したいなら周りに迷惑かけないようにやりなさい!」
声を荒らげるアルナに対してエルフェリオンは冷ややかに対応する。
「俺がいつ鍛錬しようと勝手だろ。おまえに指図される覚えはないが?」
「なっ!? あんたがいないせいで、せっかく作ってくれた夕食は冷めちゃうし、食器なんかも片付けられないのが分からないの!?」
「だったら、俺の分は要らねぇよ」
パシンッ
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「おいおい、いきなりなにすんだ?」
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