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第3章 5年後のレバルフ
3―3 ゲーブ
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酒場ルコアールは、数年でレバルフの裏の顔役となったゲーブが拠点としている場所である。そのため、集まってくる客層といえば、上納金を納めにくる者や裏世界の仕事を依頼する者などであり、一般客など一人としていない。
「それで、オメオメと帰ってきたわけか?」
グラスに注がれた酒を一気にあおった男がゼーゲンとフューズを見据える。身長は2メートルを超えているだろう。髪は銀のモヒカンであり、サングラスをかけている。
「申し訳ありません、ゲーブ様! けど、あいつら……」
「強すぎる、か? 言い訳なら無用だぜ?」
銀のモヒカンの男はフューズの言葉を遮り、射殺さんばかりの視線を突き刺す。恐怖心から顔面蒼白となったゼーゲンとフューズは冷や汗が止まらない。ゲーブはそんな二人を侮蔑したように鼻で笑う。
「まぁ、いいさ。オイラは器のデカい男だからよぉ、無能なおまえらにもチャンスをやろう。助っ人の手駒をつけてやるから、その二人に狩ってこい。言っとくが失敗は許されねぇぞ? 万が一にもそんな事態になればどうなるか、よぉくわかってるよなぁ~?」
ゲーブに気圧されてゼーゲンとフューズは「ひっ!」の短く声をあげる。
「ヒャッヒャッヒャッ! 心配すんなよ。助っ人をつけてやるって言ったろうが! ベグ、力を貸してやれ。相手はたったの二人だ。おまえと手下が加勢してやれば敗けねぇだろ」
「ほいほーい、了解! ボクチンに任せておくれよ!!」
ゲーブの呼びかけに自信満々で応答したのは、小太りしたハゲ頭の男だった。
「エルとアルナ、か。このレバルフでオイラを敵に回すことがどれだけバカな行動なのか、たっぷりと教えてやるぜ」
ゲーブが口角を上げて空のグラスを差し出すと、既に酒瓶を用意していたルコアールのマスターが注ぐ。
「この街でオイラに盾突くやつは血祭りにあげて周りへの見せしめにする。この街のボスはオイラだ! 今はオイラの時代なんだ!!」
ギラついた双眸で窓の外を見つめる。しかし、その心中には根拠のない漠然とした不安がくすぶっていた。
「それで、オメオメと帰ってきたわけか?」
グラスに注がれた酒を一気にあおった男がゼーゲンとフューズを見据える。身長は2メートルを超えているだろう。髪は銀のモヒカンであり、サングラスをかけている。
「申し訳ありません、ゲーブ様! けど、あいつら……」
「強すぎる、か? 言い訳なら無用だぜ?」
銀のモヒカンの男はフューズの言葉を遮り、射殺さんばかりの視線を突き刺す。恐怖心から顔面蒼白となったゼーゲンとフューズは冷や汗が止まらない。ゲーブはそんな二人を侮蔑したように鼻で笑う。
「まぁ、いいさ。オイラは器のデカい男だからよぉ、無能なおまえらにもチャンスをやろう。助っ人の手駒をつけてやるから、その二人に狩ってこい。言っとくが失敗は許されねぇぞ? 万が一にもそんな事態になればどうなるか、よぉくわかってるよなぁ~?」
ゲーブに気圧されてゼーゲンとフューズは「ひっ!」の短く声をあげる。
「ヒャッヒャッヒャッ! 心配すんなよ。助っ人をつけてやるって言ったろうが! ベグ、力を貸してやれ。相手はたったの二人だ。おまえと手下が加勢してやれば敗けねぇだろ」
「ほいほーい、了解! ボクチンに任せておくれよ!!」
ゲーブの呼びかけに自信満々で応答したのは、小太りしたハゲ頭の男だった。
「エルとアルナ、か。このレバルフでオイラを敵に回すことがどれだけバカな行動なのか、たっぷりと教えてやるぜ」
ゲーブが口角を上げて空のグラスを差し出すと、既に酒瓶を用意していたルコアールのマスターが注ぐ。
「この街でオイラに盾突くやつは血祭りにあげて周りへの見せしめにする。この街のボスはオイラだ! 今はオイラの時代なんだ!!」
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