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第4章 狙われた親子
4―12 デルマVSダバンド
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ダバンドが矢継ぎ早にくり出す打撃を難なく受け流すデルマ。
「ちっ! おっさんがしつけぇんだよ!」
「ふっ……そこそこの攻撃だが、その程度ではわたしには届かないぞ?」
声を荒げるダバンドにデルマは涼しい顔で返す。
「いい気になってんじゃねぇよ、おっさん!」
怒鳴り、鉄棍を振り抜いたダバンドは一度離れようと後方へと飛び退く。
「あまいぞ、若者よ」
デルマは大きく前に踏み込むと同時に槍の石突をダバンドの腹にめり込ませる。
「こはっ!」
ガクリと膝を折ったダバンド。
「ふん!」
デルマが槍の柄でダバンドの横っ面を殴りつける。
「ぐぁっ!」
地面に倒れ込んだダバンドは頬を押さえつつも、デルマからのさらなる追撃から逃れようと這いつくばって逃げる。
「どこに行くのかね? 仲間を見捨てて行くつもりか?」
デルマは、頭上で槍を回転させてダバンドの傍に石突を突き立てる。それは、腰を抜かしているダバンドの恐怖心を更にあおるのに充分な効果を発揮した。
「君たちは、このわたしの……レバルフ警備隊長デルマの息子を誘拐しようとしたのだ。覚悟はできているのだろうな? それだけではない。おそらく余罪もあるのだろう。洗いざらい吐いてもらうぞ」
「警備隊長のデルマ、だと!?」
ダバンドは自分が相手にしている者の名を聞いて愕然とする。
(警備隊長デルマっていやぁ、レバルフ最強の槍の使い手じゃねぇかよ!)
引きつっていたダバンドの瞳に絶望の色がにじむ。
「逃走は諦め、おとなしく投降することをおすすめするが、どうかね?」
今度は槍の穂先をダバンドに向けて睨みつけるデルマ。
「……くっ!……」
ダバンドにとってデルマは明らかに格上の存在だ。そんな相手にどう立ち回ればいいのか必死に黙考する。デルマの言葉に従って投降すれば命は助かるだろう。しかし、投獄されてしまえば、今回の誘拐未遂事件とこれまでの余罪によってかなりの服役を余儀なくされる。そんなことは到底受け入れることなどできるはずもない。
「だらぁ!!」
ダバンドは掴んだ砂をデルマに投げかける。
「むっ……」
デルマは咄嗟に砂が目に入るのを防ぐためにガードして避ける。
「クソがぁ!」
その隙をついてダバンドがデルマの頭部をめがけて鉄棍を振りかざす。
「あまい!」
鋭く言い放ったデルマは槍でダバンドの鉄棍を受け流す。
「くそ! くそ! くそぉ!!」
自棄になったダバンドは鉄棍を振り回す。が、そんな攻撃は軌道が読みやすく、何度撃ち込んだところでデルマにはかすりもしない。
「むんっ!」
猛攻の隙をぬって、デルマが槍の石突でダバンドの額を打つ。
「のがっ!!」
脳を激しく揺さぶられて仰向けに倒れたダバンドは白目をむいていた。
「ちっ! おっさんがしつけぇんだよ!」
「ふっ……そこそこの攻撃だが、その程度ではわたしには届かないぞ?」
声を荒げるダバンドにデルマは涼しい顔で返す。
「いい気になってんじゃねぇよ、おっさん!」
怒鳴り、鉄棍を振り抜いたダバンドは一度離れようと後方へと飛び退く。
「あまいぞ、若者よ」
デルマは大きく前に踏み込むと同時に槍の石突をダバンドの腹にめり込ませる。
「こはっ!」
ガクリと膝を折ったダバンド。
「ふん!」
デルマが槍の柄でダバンドの横っ面を殴りつける。
「ぐぁっ!」
地面に倒れ込んだダバンドは頬を押さえつつも、デルマからのさらなる追撃から逃れようと這いつくばって逃げる。
「どこに行くのかね? 仲間を見捨てて行くつもりか?」
デルマは、頭上で槍を回転させてダバンドの傍に石突を突き立てる。それは、腰を抜かしているダバンドの恐怖心を更にあおるのに充分な効果を発揮した。
「君たちは、このわたしの……レバルフ警備隊長デルマの息子を誘拐しようとしたのだ。覚悟はできているのだろうな? それだけではない。おそらく余罪もあるのだろう。洗いざらい吐いてもらうぞ」
「警備隊長のデルマ、だと!?」
ダバンドは自分が相手にしている者の名を聞いて愕然とする。
(警備隊長デルマっていやぁ、レバルフ最強の槍の使い手じゃねぇかよ!)
引きつっていたダバンドの瞳に絶望の色がにじむ。
「逃走は諦め、おとなしく投降することをおすすめするが、どうかね?」
今度は槍の穂先をダバンドに向けて睨みつけるデルマ。
「……くっ!……」
ダバンドにとってデルマは明らかに格上の存在だ。そんな相手にどう立ち回ればいいのか必死に黙考する。デルマの言葉に従って投降すれば命は助かるだろう。しかし、投獄されてしまえば、今回の誘拐未遂事件とこれまでの余罪によってかなりの服役を余儀なくされる。そんなことは到底受け入れることなどできるはずもない。
「だらぁ!!」
ダバンドは掴んだ砂をデルマに投げかける。
「むっ……」
デルマは咄嗟に砂が目に入るのを防ぐためにガードして避ける。
「クソがぁ!」
その隙をついてダバンドがデルマの頭部をめがけて鉄棍を振りかざす。
「あまい!」
鋭く言い放ったデルマは槍でダバンドの鉄棍を受け流す。
「くそ! くそ! くそぉ!!」
自棄になったダバンドは鉄棍を振り回す。が、そんな攻撃は軌道が読みやすく、何度撃ち込んだところでデルマにはかすりもしない。
「むんっ!」
猛攻の隙をぬって、デルマが槍の石突でダバンドの額を打つ。
「のがっ!!」
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