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第4章 狙われた親子
4―13 アルナVSクラビーヌ
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「あなたたちのせいで計画が台無しだわ!」
クラビーヌがアルナをキッと睨む。
「子供を誘拐しようとした、あんたたちが悪いんでしょうが!」
「私は思いどおりにならないのがいちばん頭にくるのよ! エア・ショット!!」
魔力を高めたクラビーヌが圧縮された空気弾を撃つ。
「バーニング・ショット!」
空気弾をサイドステップで躱したアルナが聖杖を構え、お返しとばかりに火炎弾を撃った。
「くっ!」
アルナが放った火炎弾の直撃を受けたクラビーヌが口元をゆがめる。ブロンドの髪の毛先が僅かに焦げた。
(魔力をまとっていてもこのダメージ……なんて威力なのよ!?)
アルナの魔術師としての能力の高さに脅威を感じたクラビーヌは立ちすくむ。だが、アルナは続け様に聖杖を天に向かって掲げる。
(もう、次の攻撃を!?)
「エア・ガトリング!!」
聖杖をクラビーヌに差し向けたアルナが魔術名を詠唱する。刹那、圧縮された空気弾が次々に発射された。
「あぁぁぁぁぁっ!!」
悲鳴をあげながらも逃げ惑い、どうにか回避するクラビーヌ。
「この!……アイシクル・ショット!!」
体勢を立て直したクラビーヌが反撃に転じる。魔杖を振りかざして魔力によって作り出した氷柱を撃つ。だが、アルナは自身の白い魔力をまとうことで得た身体能力を遺憾無く発揮して容易く躱す。
「ライトニング・ウィップ!」
アルナは魔術名を詠唱して聖杖を素早く振りかざす。生じた稲妻が鞭となってクラビーヌに襲いかかる。
「くぅ!」
飛び退いて回避しようとしたクラビーヌだったが、躱しきれずにかする。瞬間、全身を電撃が走ってガクリと膝をつく。
「エア・ショット!」
アルナは攻勢を緩めない。すぐに空気弾を発射して追撃する。
「あぐっ!」
両手で顔面をかばうクラビーヌだったが、空気弾によって弾き飛ばされて地面をバウンドする。
(この女!)
憤怒の形相で敵対する少女を睨めつけるクラビーヌ。明らかに自分よりも年下の少女のはずが魔術の腕前は遥かに上だ。その事実がクラビーヌの怒りを余計に増幅させていた。
「ちっ!」
頼みの綱であるバゼンドとダバンドのほうへ視線を流したクラビーヌは舌を打つ。どちらもかなり劣勢だった。ダバンドにいたっては相手にすらなっていない。
(まずい! まずいわ!)
クラビーヌは戦況が絶望的であることに焦りを募らせる。催眠魔術を得意とするクラビーヌは魔術戦を不得手としていた。時間稼ぎさえすればバゼンドとダバンドが応援に駆けつけ、最後は3人がかりでアルナを倒せば完全勝利となるはずだったのだ。
「バーニング・ガトリング!」
アルナは聖杖を華麗に閃かせ、自らの魔力を無数の火炎弾に変換して撃ち出す。
「ひぃぃぃぃぃ!!」
クラビーヌは地面を這うように移動して難を逃れる。振り返ったクラビーヌの視界に焦げた地面が映る。
「待って!! 敗けを認めるわ!」
青ざめた表情のクラビーヌが手にした魔杖を地面に置いて両手を上げる。
「……そう。だったら、おとなしくしててもうわよ。バインド・チェーン!」
見事に勝利をおさめたアルナは、魔力による鎖をクラビーヌに巻き付けて拘束した。
クラビーヌがアルナをキッと睨む。
「子供を誘拐しようとした、あんたたちが悪いんでしょうが!」
「私は思いどおりにならないのがいちばん頭にくるのよ! エア・ショット!!」
魔力を高めたクラビーヌが圧縮された空気弾を撃つ。
「バーニング・ショット!」
空気弾をサイドステップで躱したアルナが聖杖を構え、お返しとばかりに火炎弾を撃った。
「くっ!」
アルナが放った火炎弾の直撃を受けたクラビーヌが口元をゆがめる。ブロンドの髪の毛先が僅かに焦げた。
(魔力をまとっていてもこのダメージ……なんて威力なのよ!?)
アルナの魔術師としての能力の高さに脅威を感じたクラビーヌは立ちすくむ。だが、アルナは続け様に聖杖を天に向かって掲げる。
(もう、次の攻撃を!?)
「エア・ガトリング!!」
聖杖をクラビーヌに差し向けたアルナが魔術名を詠唱する。刹那、圧縮された空気弾が次々に発射された。
「あぁぁぁぁぁっ!!」
悲鳴をあげながらも逃げ惑い、どうにか回避するクラビーヌ。
「この!……アイシクル・ショット!!」
体勢を立て直したクラビーヌが反撃に転じる。魔杖を振りかざして魔力によって作り出した氷柱を撃つ。だが、アルナは自身の白い魔力をまとうことで得た身体能力を遺憾無く発揮して容易く躱す。
「ライトニング・ウィップ!」
アルナは魔術名を詠唱して聖杖を素早く振りかざす。生じた稲妻が鞭となってクラビーヌに襲いかかる。
「くぅ!」
飛び退いて回避しようとしたクラビーヌだったが、躱しきれずにかする。瞬間、全身を電撃が走ってガクリと膝をつく。
「エア・ショット!」
アルナは攻勢を緩めない。すぐに空気弾を発射して追撃する。
「あぐっ!」
両手で顔面をかばうクラビーヌだったが、空気弾によって弾き飛ばされて地面をバウンドする。
(この女!)
憤怒の形相で敵対する少女を睨めつけるクラビーヌ。明らかに自分よりも年下の少女のはずが魔術の腕前は遥かに上だ。その事実がクラビーヌの怒りを余計に増幅させていた。
「ちっ!」
頼みの綱であるバゼンドとダバンドのほうへ視線を流したクラビーヌは舌を打つ。どちらもかなり劣勢だった。ダバンドにいたっては相手にすらなっていない。
(まずい! まずいわ!)
クラビーヌは戦況が絶望的であることに焦りを募らせる。催眠魔術を得意とするクラビーヌは魔術戦を不得手としていた。時間稼ぎさえすればバゼンドとダバンドが応援に駆けつけ、最後は3人がかりでアルナを倒せば完全勝利となるはずだったのだ。
「バーニング・ガトリング!」
アルナは聖杖を華麗に閃かせ、自らの魔力を無数の火炎弾に変換して撃ち出す。
「ひぃぃぃぃぃ!!」
クラビーヌは地面を這うように移動して難を逃れる。振り返ったクラビーヌの視界に焦げた地面が映る。
「待って!! 敗けを認めるわ!」
青ざめた表情のクラビーヌが手にした魔杖を地面に置いて両手を上げる。
「……そう。だったら、おとなしくしててもうわよ。バインド・チェーン!」
見事に勝利をおさめたアルナは、魔力による鎖をクラビーヌに巻き付けて拘束した。
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