81 / 224
第5章 老翁との出会い
5―6 ゴブリン巣窟の攻略③
しおりを挟む
「いけ! ブラッドウルフどもよ!!」
コマンダー級ゴブリンが地面を鞭で打ったのを合図にブラッドウルフの群れがエルフェリオンたちに襲いかかる。
「アイシクル・ガトリング!」
アルナは魔力を操り、瞬時に氷柱を生成して連射する。数匹の仲間が撃ち殺されたことで、ブラッドウルフたちの意識と殺意がアルナに向く。
「こいつらはあたしに任せて、あんたはコマンダー級ゴブリンをなんとかしなさいよ!」
「はん! 言われるまでもねぇよ!」
振り返ることなく答えたエルフェリオンは、コマンダー級ゴブリンの元へと疾走する。
「ちっ! バカ犬どもが!」
エルフェリオンを無視してアルナに向かって突撃するブラッドウルフを、コマンダー級ゴブリンは苦々しい表情で睨む。
「てめぇが思うほど、ブラッドウルフはてめぇに懐いてなかったみてぇだな?」
コマンダー級ゴブリンに接近したエルフェリオンが邪龍剣を揮う。
「けっ!」
コマンダー級ゴブリンは素早いバックステップで斬撃を躱し、鞭で反撃する。
ビシィッ
「痛っ!」
左頬を打たれたエルフェリオンが短い声を発する。が、怯ことなく大きく前に踏み込んで斬撃をくり出した。
「けけけけ。ざ~んねんだったな! そらよ!!」
ヒュッ
「くっ!」
今度は左肩を打たれてしまい、顔をゆがめるエルフェリオン。
『ふむ。苦戦しそうじゃの。ならば、これでどうじゃ?』
レヴィジアルの言葉が何を意味しているのか理解するよりも早く、邪龍剣の柄部が伸びた。
「これは、槍か?」
エルフェリオンは、変形した邪龍剣を見ながら言う。
『クハハハハハハ! 驚いたか? これぞ邪龍槍じゃ!!』
自らを誇るように言う相棒を無視し、エルフェリオンは笑みをこぼす。
「これならいけるぜ!」
エルフェリオンは類稀な戦士としての才能で初めての邪龍槍を華麗に扱ってみせる。
「げっ! なんだ、あのクソ武器は!?」
邪龍剣が邪龍槍へと形状変化したことに動揺したコマンダー級ゴブリンは回避が一瞬遅れた。邪龍槍の切先がコマンダー級ゴブリンの首筋を浅く斬る。
「ぐぎぎ……」
ヒタヒタと忍び寄る死への恐怖がコマンダー級ゴブリンの背筋を凍りつかせる。
「やるじゃねぇか、相棒! ガンガンいくぜ!」
邪龍槍が軌跡を何度も描き、コマンダー級ゴブリンの体を傷つけていく。
「きしゃあ!」
奇声を発したコマンダー級ゴブリンの鞭が空を切る。
(武器が変わっただけで追い込まれたのか!?)
焦ったコマンダー級ゴブリンは鞭を揮う速度をさらにあげる。
「野郎……」
空中を乱舞する鞭を避けきれずに全身を打たれたエルフェリオンは、一度さがって邪龍槍を構え直す。黒い魔力で全身に帯びていてもそれなりにダメージはある。
「ほほぉ。あの小僧、なかなかおもしろい得物を持っておるぞい。禍々しくはあるが、なんと強大な力を秘めた武器じゃ。あれはいったい?」
離れた場所からコマンダー級ゴブリンとエルフェリオンの戦闘を観戦していたハオウは邪龍武器レヴィジアルに興味を抱く。
「むぅ? 今度は小僧が攻勢にでるぞい」
ハオウが呟く。それと時を同じくして、エルフェリオンとコマンダー級ゴブリンが激しい攻防戦を繰り広げる。
「調子こいてんじゃねぇぞ、ゴブリン!」
エルフェリオンは軽く後方に飛び退き、連続突きをくり出す。
「げぐぅ!」
エルフェリオンとの攻防戦によって全身から出血したコマンダー級ゴブリンがついに膝をつく。息づかいも荒く、かなり消耗しているのは明らかだ。対して、エルフェリオンはまだまだ余裕を残している。
「へへへ、それなりには楽しめたぜ」
エルフェリオンは掲げた邪龍槍をコマンダー級ゴブリンの脳天へと振り下ろした。
コマンダー級ゴブリンが地面を鞭で打ったのを合図にブラッドウルフの群れがエルフェリオンたちに襲いかかる。
「アイシクル・ガトリング!」
アルナは魔力を操り、瞬時に氷柱を生成して連射する。数匹の仲間が撃ち殺されたことで、ブラッドウルフたちの意識と殺意がアルナに向く。
「こいつらはあたしに任せて、あんたはコマンダー級ゴブリンをなんとかしなさいよ!」
「はん! 言われるまでもねぇよ!」
振り返ることなく答えたエルフェリオンは、コマンダー級ゴブリンの元へと疾走する。
「ちっ! バカ犬どもが!」
エルフェリオンを無視してアルナに向かって突撃するブラッドウルフを、コマンダー級ゴブリンは苦々しい表情で睨む。
「てめぇが思うほど、ブラッドウルフはてめぇに懐いてなかったみてぇだな?」
コマンダー級ゴブリンに接近したエルフェリオンが邪龍剣を揮う。
「けっ!」
コマンダー級ゴブリンは素早いバックステップで斬撃を躱し、鞭で反撃する。
ビシィッ
「痛っ!」
左頬を打たれたエルフェリオンが短い声を発する。が、怯ことなく大きく前に踏み込んで斬撃をくり出した。
「けけけけ。ざ~んねんだったな! そらよ!!」
ヒュッ
「くっ!」
今度は左肩を打たれてしまい、顔をゆがめるエルフェリオン。
『ふむ。苦戦しそうじゃの。ならば、これでどうじゃ?』
レヴィジアルの言葉が何を意味しているのか理解するよりも早く、邪龍剣の柄部が伸びた。
「これは、槍か?」
エルフェリオンは、変形した邪龍剣を見ながら言う。
『クハハハハハハ! 驚いたか? これぞ邪龍槍じゃ!!』
自らを誇るように言う相棒を無視し、エルフェリオンは笑みをこぼす。
「これならいけるぜ!」
エルフェリオンは類稀な戦士としての才能で初めての邪龍槍を華麗に扱ってみせる。
「げっ! なんだ、あのクソ武器は!?」
邪龍剣が邪龍槍へと形状変化したことに動揺したコマンダー級ゴブリンは回避が一瞬遅れた。邪龍槍の切先がコマンダー級ゴブリンの首筋を浅く斬る。
「ぐぎぎ……」
ヒタヒタと忍び寄る死への恐怖がコマンダー級ゴブリンの背筋を凍りつかせる。
「やるじゃねぇか、相棒! ガンガンいくぜ!」
邪龍槍が軌跡を何度も描き、コマンダー級ゴブリンの体を傷つけていく。
「きしゃあ!」
奇声を発したコマンダー級ゴブリンの鞭が空を切る。
(武器が変わっただけで追い込まれたのか!?)
焦ったコマンダー級ゴブリンは鞭を揮う速度をさらにあげる。
「野郎……」
空中を乱舞する鞭を避けきれずに全身を打たれたエルフェリオンは、一度さがって邪龍槍を構え直す。黒い魔力で全身に帯びていてもそれなりにダメージはある。
「ほほぉ。あの小僧、なかなかおもしろい得物を持っておるぞい。禍々しくはあるが、なんと強大な力を秘めた武器じゃ。あれはいったい?」
離れた場所からコマンダー級ゴブリンとエルフェリオンの戦闘を観戦していたハオウは邪龍武器レヴィジアルに興味を抱く。
「むぅ? 今度は小僧が攻勢にでるぞい」
ハオウが呟く。それと時を同じくして、エルフェリオンとコマンダー級ゴブリンが激しい攻防戦を繰り広げる。
「調子こいてんじゃねぇぞ、ゴブリン!」
エルフェリオンは軽く後方に飛び退き、連続突きをくり出す。
「げぐぅ!」
エルフェリオンとの攻防戦によって全身から出血したコマンダー級ゴブリンがついに膝をつく。息づかいも荒く、かなり消耗しているのは明らかだ。対して、エルフェリオンはまだまだ余裕を残している。
「へへへ、それなりには楽しめたぜ」
エルフェリオンは掲げた邪龍槍をコマンダー級ゴブリンの脳天へと振り下ろした。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる