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第6章 新米冒険者の日々
6―2 冒険者登録
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ハオウと別れたエルフェリオンたちは冒険者ギルドを訪れていた。
「では、こちらがエルフェリオンさんの冒険者証になります」
受付嬢がにこやかに一枚のカードをエルフェリオンに差し出す。
「そして、こちらがアルナさんの冒険者証になります」
続いて、アルナに冒険者証を差し出す受付嬢。
「ほんとに、おまえも冒険者になるつもりかよ?」
「まぁね。旅をするにしても何かと物入りだし、持っておいて損はないでしょ?」
「まぁ、そりゃそうだが」
エルフェリオンとアルナが会話していると、受付嬢がコホンと咳払いをして現金と明細書を差し出した。
「こちらがアルナ様から提供していただいた魔石の買取金額と明細書になります」
「ありがとう」
アルナは礼を述べて受け取り、エルフェリオンとともにギルドカウンターを離れる。
「けっこう倒したはずだが、案外少ないんだな」
ギルド内に併設されている飲食カウンターで飲み物を注文した二人。対面の席に腰掛けたエルフェリオンがテーブルの上に置かれた明細書を視線を落とす。
「それはしかたないわ。数は多くてもゴブリンとかバウンドボールとかローリングボールとかばかりで、強力なモンスターはそれほど多くなかったもの。でも、ミノタウロスとガーゴイルと巨狼はわりといい値が付いたわね。それになんといってもジャイアント・モールね!」
「しっかし、魔石を見ればそれがどのモンスターの物なのかわかるものなのか」
「ええ。ちゃんとした鑑定師が鑑定すればね……それにしても、ハオウさんの取り分も貰っちゃっていいのかしら……」
アルナはハオウに申し訳ない気持ちを抱えたままでおり、スッキリしない心境である。
「じいさん自身が要らねぇっつってんだからいいだろ」
「それはそうなんだけど……」
それでも引っかかっている様子を見せるアルナ。
「あの、すみません。お二人の会話が聞こえてきたのですが、ジャイアントモールを討伐されたとか?」
アルナとエルフェリオンに声をかけてきたのはウェイトレスだ。年齢は20代前半ほど。ブロンドのショートヘアは前髪がやや長く、その奥の薄紫色の瞳が二人を見つめていた。
「え?……あっ、はい。そうですけど?」
アルナは少し困惑気味に答える。
「もしよろしければ、そのお話を別室にて詳しくお聞かせいただけませんか?」
ウェイトレスからの願いにエルフェリオンとアルナは互いに顔を見合わせる。
「それは、かまいませんけど……」
「よかった! では、ご案内いたします。お飲み物も新しい物をご用意させていただきますね!」
表情をパァッと明るくしたウェイトレスが二人を別室へと誘った。
「では、こちらがエルフェリオンさんの冒険者証になります」
受付嬢がにこやかに一枚のカードをエルフェリオンに差し出す。
「そして、こちらがアルナさんの冒険者証になります」
続いて、アルナに冒険者証を差し出す受付嬢。
「ほんとに、おまえも冒険者になるつもりかよ?」
「まぁね。旅をするにしても何かと物入りだし、持っておいて損はないでしょ?」
「まぁ、そりゃそうだが」
エルフェリオンとアルナが会話していると、受付嬢がコホンと咳払いをして現金と明細書を差し出した。
「こちらがアルナ様から提供していただいた魔石の買取金額と明細書になります」
「ありがとう」
アルナは礼を述べて受け取り、エルフェリオンとともにギルドカウンターを離れる。
「けっこう倒したはずだが、案外少ないんだな」
ギルド内に併設されている飲食カウンターで飲み物を注文した二人。対面の席に腰掛けたエルフェリオンがテーブルの上に置かれた明細書を視線を落とす。
「それはしかたないわ。数は多くてもゴブリンとかバウンドボールとかローリングボールとかばかりで、強力なモンスターはそれほど多くなかったもの。でも、ミノタウロスとガーゴイルと巨狼はわりといい値が付いたわね。それになんといってもジャイアント・モールね!」
「しっかし、魔石を見ればそれがどのモンスターの物なのかわかるものなのか」
「ええ。ちゃんとした鑑定師が鑑定すればね……それにしても、ハオウさんの取り分も貰っちゃっていいのかしら……」
アルナはハオウに申し訳ない気持ちを抱えたままでおり、スッキリしない心境である。
「じいさん自身が要らねぇっつってんだからいいだろ」
「それはそうなんだけど……」
それでも引っかかっている様子を見せるアルナ。
「あの、すみません。お二人の会話が聞こえてきたのですが、ジャイアントモールを討伐されたとか?」
アルナとエルフェリオンに声をかけてきたのはウェイトレスだ。年齢は20代前半ほど。ブロンドのショートヘアは前髪がやや長く、その奥の薄紫色の瞳が二人を見つめていた。
「え?……あっ、はい。そうですけど?」
アルナは少し困惑気味に答える。
「もしよろしければ、そのお話を別室にて詳しくお聞かせいただけませんか?」
ウェイトレスからの願いにエルフェリオンとアルナは互いに顔を見合わせる。
「それは、かまいませんけど……」
「よかった! では、ご案内いたします。お飲み物も新しい物をご用意させていただきますね!」
表情をパァッと明るくしたウェイトレスが二人を別室へと誘った。
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