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第7章 野盗集団レイゼジル討伐
7―12 VSダーズヴェル②
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ダッ
ダーズヴェルが放った飛閃をくらって吹き飛ばされたエルフェリオンは立ち上がり、木々の間を疾走する。
「くらえ、闘気戦術・飛閃!!」
邪龍剣から発せられた斬撃波がダーズヴェルに迫る。
「おっ、そっちもまだまだやれるってか!?」
嬉々として赤い目を輝かせたダーズヴェルは、手にしていた短剣で飛閃を受け止めた。
(おっ! 思ったより楽しめるんじゃねぇか?)
想像以上の衝撃に一歩よろめいたダーズヴェルがニヤつく。
「はっ! 余裕をかましてられるのも今のうちだぜ!!」
足を止めずに間合いを詰めたエルフェリオンが邪龍剣による連続斬りをくり出す。
「ケヒャヒャヒャ! 活きがいいじゃねぇか! 獲物はそれくらいじゃねぇと狩り甲斐がねぇよなぁ!」
ダーズヴェルは短剣を巧みに使ってエルフェリオンの攻撃を受け流す。
「ぐぁっ!?」
攻撃の隙をついて、ダーズヴェルの膝蹴りがエルフェリオンの腹を打つ。
「これだけ接近すれば短剣のほうが有利に決まってるだろうが、バ~カ!」
冷笑を浮かべたダーズヴェルが回し蹴りでエルフェリオンを蹴飛ばす。
「へへへ……たしかに俺はバカさ。実際、自分より格上のてめぇを前にしても敗ける気がしねぇんだ。それどころか楽しくなってきやがったぜ」
フラリと立ち上がったエルフェリオンのエメラルドグリーンの瞳が鋭い眼光を放つ。
(こいつ、この状況で闘志を燃え滾らせてやがるのか? 本当の意味でのバカだな、こりゃ)
ダーズヴェルは呆れながらも余裕の態度は変わらない。
「脳みそが相当イカれてやがるな。まぁいい。オレサマは狩りが楽しめればそれで満足だ。せいぜい楽しませろよ、イカれ野郎?」
「言われなくても、そのつもりだ!」
エルフェリオンは身体にまとう魔力に意識を向けて研ぎ澄ませる。その変化にダーズヴェルはいち早く気付き、短剣を構えて紫色の魔力をまとう。
ヒュッ
エルフェリオンは地面を蹴り、猛スピードでダーズヴェルとの間合いをつめる。
(こいつ、短剣の間合いより外側で、剣が有利な間合いを保ってやがる!)
絶妙な間合いを維持しつつ連続攻撃を仕掛けてくるエルフェリオンに少し驚くものの、ダーズヴェルは眼前の敵の懐へと飛び込む。
シュッ
ダーズヴェルが右手の短剣を突き出す。だが、その切先は虚しく空を突く。
(ふむふむ。先ほどの戦闘で魔力の扱いが上達したことで、さらに強くなりおったようじゃのぉ。そうでなければ、邪龍武具の使い手に相応しくないのじゃがな)
エルフェリオンの内で、レヴィジアルは密かに思う。
ヒュンッ
エルフェリオンがお返しとばかりに邪龍剣を揮った。
キンッ
それを右手の短剣で受け止めたダーズヴェルは悦楽の表情となる。
「ケヒャヒャ! やるじゃねぇか。けど、その程度じゃオレサマを倒すことはできねぇぞぉ?」
「俺だけだとな?」
エルフェリオンの言葉の直後、背後に殺気を感じたダーズヴェルはその場から飛び退く。
「遅い!」
すぐ近くまで接近していたザラギスの拳がダーズヴェルの頬を打つ。
「闘気戦術・飛閃!!」
吹っ飛ばされたダーズヴェルにエルフェリオンが闘気を乗せた斬撃波を放った。
「ケヒャヒャ!」
ダーズヴェルは空中で体勢を整え、左手で予備の短剣を腰の鞘から引き抜いて斬撃波を受ける。
ズザザッ
着地したダーズヴェルは後ろ向きに滑っていく。
「いいねぇ! いよいよ狩り甲斐が出てきたってもんだ!! てめぇらが地面に這いつくばって死んでいく様を見るのが楽しみでしかたねぇぜぇ!! ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
狂った笑い声を発し、ダーズヴェルは左右の手に握った短剣を構えた。その全身から紫色の魔力を湯気のように揺蕩わせる。
ダーズヴェルが放った飛閃をくらって吹き飛ばされたエルフェリオンは立ち上がり、木々の間を疾走する。
「くらえ、闘気戦術・飛閃!!」
邪龍剣から発せられた斬撃波がダーズヴェルに迫る。
「おっ、そっちもまだまだやれるってか!?」
嬉々として赤い目を輝かせたダーズヴェルは、手にしていた短剣で飛閃を受け止めた。
(おっ! 思ったより楽しめるんじゃねぇか?)
想像以上の衝撃に一歩よろめいたダーズヴェルがニヤつく。
「はっ! 余裕をかましてられるのも今のうちだぜ!!」
足を止めずに間合いを詰めたエルフェリオンが邪龍剣による連続斬りをくり出す。
「ケヒャヒャヒャ! 活きがいいじゃねぇか! 獲物はそれくらいじゃねぇと狩り甲斐がねぇよなぁ!」
ダーズヴェルは短剣を巧みに使ってエルフェリオンの攻撃を受け流す。
「ぐぁっ!?」
攻撃の隙をついて、ダーズヴェルの膝蹴りがエルフェリオンの腹を打つ。
「これだけ接近すれば短剣のほうが有利に決まってるだろうが、バ~カ!」
冷笑を浮かべたダーズヴェルが回し蹴りでエルフェリオンを蹴飛ばす。
「へへへ……たしかに俺はバカさ。実際、自分より格上のてめぇを前にしても敗ける気がしねぇんだ。それどころか楽しくなってきやがったぜ」
フラリと立ち上がったエルフェリオンのエメラルドグリーンの瞳が鋭い眼光を放つ。
(こいつ、この状況で闘志を燃え滾らせてやがるのか? 本当の意味でのバカだな、こりゃ)
ダーズヴェルは呆れながらも余裕の態度は変わらない。
「脳みそが相当イカれてやがるな。まぁいい。オレサマは狩りが楽しめればそれで満足だ。せいぜい楽しませろよ、イカれ野郎?」
「言われなくても、そのつもりだ!」
エルフェリオンは身体にまとう魔力に意識を向けて研ぎ澄ませる。その変化にダーズヴェルはいち早く気付き、短剣を構えて紫色の魔力をまとう。
ヒュッ
エルフェリオンは地面を蹴り、猛スピードでダーズヴェルとの間合いをつめる。
(こいつ、短剣の間合いより外側で、剣が有利な間合いを保ってやがる!)
絶妙な間合いを維持しつつ連続攻撃を仕掛けてくるエルフェリオンに少し驚くものの、ダーズヴェルは眼前の敵の懐へと飛び込む。
シュッ
ダーズヴェルが右手の短剣を突き出す。だが、その切先は虚しく空を突く。
(ふむふむ。先ほどの戦闘で魔力の扱いが上達したことで、さらに強くなりおったようじゃのぉ。そうでなければ、邪龍武具の使い手に相応しくないのじゃがな)
エルフェリオンの内で、レヴィジアルは密かに思う。
ヒュンッ
エルフェリオンがお返しとばかりに邪龍剣を揮った。
キンッ
それを右手の短剣で受け止めたダーズヴェルは悦楽の表情となる。
「ケヒャヒャ! やるじゃねぇか。けど、その程度じゃオレサマを倒すことはできねぇぞぉ?」
「俺だけだとな?」
エルフェリオンの言葉の直後、背後に殺気を感じたダーズヴェルはその場から飛び退く。
「遅い!」
すぐ近くまで接近していたザラギスの拳がダーズヴェルの頬を打つ。
「闘気戦術・飛閃!!」
吹っ飛ばされたダーズヴェルにエルフェリオンが闘気を乗せた斬撃波を放った。
「ケヒャヒャ!」
ダーズヴェルは空中で体勢を整え、左手で予備の短剣を腰の鞘から引き抜いて斬撃波を受ける。
ズザザッ
着地したダーズヴェルは後ろ向きに滑っていく。
「いいねぇ! いよいよ狩り甲斐が出てきたってもんだ!! てめぇらが地面に這いつくばって死んでいく様を見るのが楽しみでしかたねぇぜぇ!! ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
狂った笑い声を発し、ダーズヴェルは左右の手に握った短剣を構えた。その全身から紫色の魔力を湯気のように揺蕩わせる。
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