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第7章 野盗集団レイゼジル討伐
7―14 VSダーズヴェル④
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「これでも飲んでおけ」
エルフェリオンはダーズヴェルから視線を外さず、貯蔵鞄から生命力回復薬を取り出してザラギスに渡す。
「すまない」
エルフェリオンの好意をありがたく受け取ったザラギスは生命力回復薬を一気に飲み干す。
「ケヒャ……ケヒャヒャヒャヒャヒャ! そうだ! いくら鎧を身にまとったからといって、それだけで強くなれるわけじゃねぇ!!」
ダーズヴェルは二本の短剣を使って、猛烈な連続攻撃をエルフェリオンに放つ。が、エルフェリオンは邪龍槍と邪龍鎧で攻撃を受け止め、あるいは回避する。
(まだだ、もっと魔力を研ぎ澄ませろ)
エルフェリオンが全身にまとう魔力を意識していくにしたがい、ダーズヴェルの動きに追いつき始める。
(こいつ! どこまで成長しやがるつもりだぁ!!!?)
エルフェリオンの異常なまでの成長速度に戦慄したダーズヴェルは冷や汗が止まらない。
「顔色がすぐれないみてぇだな。大丈夫かよ?」
気遣う言葉とは裏腹に邪龍槍を構えるエルフェリオン。
「オレサマを……舐めるなぁぁぁぁっ!!」
ダーズヴェルは駆けながら左手に魔力を集め、練り上げる。
「バーニング・ガトリング!!」
エルフェリオンに差し向けた短剣の切先から火炎弾が連射される。
「熱ぃ……」
黒い魔力でガードするも高温の熱によって火傷を負っていく。
「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!! そうだ、そんな鎧をまとったところで急に強くなれるわけがないんだよぉぉぉ!!!」
勝機を見出だしたダーズヴェルはエルフェリオンに接近し、嬉々として両手の短剣を揮い続ける。激しい斬撃の連続にエルフェリオンは徐々に傷ついていく。
(こいつの言うとおり。邪龍鎧をまとっただけじゃ不充分だ。肝心なのは俺自身の能力を引き上げること……魔力を、あらゆる感覚を研ぎ澄ませろ!!)
エルフェリオンは、自己暗示でもかけるように心の内で繰り返し唱える。むろん、その間にもダーズヴェルの猛攻撃は絶え間なく続いており、エルフェリオンに対して着実にダメージを与えている。
(こいつ! まだ!?……! これは一気に決着をつけるべきか)
時間の経過とともに、エルフェリオンの動きがさらに洗練されてくるように感じたダーズヴェルは勝負にでる。一度、後方へと飛び退いて両手の短剣に闘気をまとわせる。
(仕掛けてくるつもりか。だったら受けて立つ!)
エルフェリオンのほうも邪龍槍に闘気を流す。
「「闘気戦術・飛閃!!!」」
エルフェリオンは邪龍槍を豪快に水平に振り抜き、ダーズヴェルは両手の短剣をクロスさせ、同時にXの字に振り下ろす。それぞれの武器から発せられた斬撃波が衝突し、周囲の空気を激しく振動させた。
バァァァァァァンッ
破裂音が轟く。エルフェリオンが放った斬撃波が、ダーズヴェルが放った二つの斬撃波を突破し、ダーズヴェルの胸部を捉えた。
「がはぁぁっ!!!」
大量の吐血と流血がダーズヴェルの足下を赤く染める。
「この、クソ野郎!!」
ダーズヴェルは力を振り絞り、邪龍槍の石突を地面に立ててどうにか立っているエルフェリオンに襲いかかった。だが、エルフェリオンは少しも慌てた様子を見せない。
「……あんたの敗けだぜ……」
ダーズヴェルがエルフェリオンを攻撃範囲に捉えるよりも早く、ザラギスの大戦鎚がダーズヴェルの頭を撃った。
(そ、んな……バカ……な……)
ザラギスの一撃はダーズヴェルにとってとどめとなり、地面に倒れたダーズヴェルは二度と動くことはなかった。
エルフェリオンはダーズヴェルから視線を外さず、貯蔵鞄から生命力回復薬を取り出してザラギスに渡す。
「すまない」
エルフェリオンの好意をありがたく受け取ったザラギスは生命力回復薬を一気に飲み干す。
「ケヒャ……ケヒャヒャヒャヒャヒャ! そうだ! いくら鎧を身にまとったからといって、それだけで強くなれるわけじゃねぇ!!」
ダーズヴェルは二本の短剣を使って、猛烈な連続攻撃をエルフェリオンに放つ。が、エルフェリオンは邪龍槍と邪龍鎧で攻撃を受け止め、あるいは回避する。
(まだだ、もっと魔力を研ぎ澄ませろ)
エルフェリオンが全身にまとう魔力を意識していくにしたがい、ダーズヴェルの動きに追いつき始める。
(こいつ! どこまで成長しやがるつもりだぁ!!!?)
エルフェリオンの異常なまでの成長速度に戦慄したダーズヴェルは冷や汗が止まらない。
「顔色がすぐれないみてぇだな。大丈夫かよ?」
気遣う言葉とは裏腹に邪龍槍を構えるエルフェリオン。
「オレサマを……舐めるなぁぁぁぁっ!!」
ダーズヴェルは駆けながら左手に魔力を集め、練り上げる。
「バーニング・ガトリング!!」
エルフェリオンに差し向けた短剣の切先から火炎弾が連射される。
「熱ぃ……」
黒い魔力でガードするも高温の熱によって火傷を負っていく。
「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!! そうだ、そんな鎧をまとったところで急に強くなれるわけがないんだよぉぉぉ!!!」
勝機を見出だしたダーズヴェルはエルフェリオンに接近し、嬉々として両手の短剣を揮い続ける。激しい斬撃の連続にエルフェリオンは徐々に傷ついていく。
(こいつの言うとおり。邪龍鎧をまとっただけじゃ不充分だ。肝心なのは俺自身の能力を引き上げること……魔力を、あらゆる感覚を研ぎ澄ませろ!!)
エルフェリオンは、自己暗示でもかけるように心の内で繰り返し唱える。むろん、その間にもダーズヴェルの猛攻撃は絶え間なく続いており、エルフェリオンに対して着実にダメージを与えている。
(こいつ! まだ!?……! これは一気に決着をつけるべきか)
時間の経過とともに、エルフェリオンの動きがさらに洗練されてくるように感じたダーズヴェルは勝負にでる。一度、後方へと飛び退いて両手の短剣に闘気をまとわせる。
(仕掛けてくるつもりか。だったら受けて立つ!)
エルフェリオンのほうも邪龍槍に闘気を流す。
「「闘気戦術・飛閃!!!」」
エルフェリオンは邪龍槍を豪快に水平に振り抜き、ダーズヴェルは両手の短剣をクロスさせ、同時にXの字に振り下ろす。それぞれの武器から発せられた斬撃波が衝突し、周囲の空気を激しく振動させた。
バァァァァァァンッ
破裂音が轟く。エルフェリオンが放った斬撃波が、ダーズヴェルが放った二つの斬撃波を突破し、ダーズヴェルの胸部を捉えた。
「がはぁぁっ!!!」
大量の吐血と流血がダーズヴェルの足下を赤く染める。
「この、クソ野郎!!」
ダーズヴェルは力を振り絞り、邪龍槍の石突を地面に立ててどうにか立っているエルフェリオンに襲いかかった。だが、エルフェリオンは少しも慌てた様子を見せない。
「……あんたの敗けだぜ……」
ダーズヴェルがエルフェリオンを攻撃範囲に捉えるよりも早く、ザラギスの大戦鎚がダーズヴェルの頭を撃った。
(そ、んな……バカ……な……)
ザラギスの一撃はダーズヴェルにとってとどめとなり、地面に倒れたダーズヴェルは二度と動くことはなかった。
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