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第8章 龍滅の戦神①
8―9 ギゼムの暴挙
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「A級ひとりとB級ふたりがいて、手負いのS級ひとりの足止めも満足にできないとは、呆れ果てたものだね」
花園から戻ってきたギゼムのブラウンの瞳が、執事風の男とメイドふたりを睨めつける。その手には血まみれの両手用戦斧が握られていた。
「ど、どうかお許しください! あの男は必ず我々の手で始末いたしますので、どうかチャンスを!!」
「「お願いいたします、ギゼム様!!」」
執事風の男がギゼムの前にひれ伏して懇願する。それに倣ってふたりのメイドもひれ伏す。
「そうか。君たちにその気があるのなら代わりの役目を与えようじゃないか」
「代わりの役目、でございますか?」
顔を上げた執事風の男が訊くと、ギゼムはニヤリと笑みを浮かべる。
「あぁ、そうだよ。なぁに、そんなに難しいことじゃないから安心したまえ」
「あ、あの! あたしたちは何をすればよろしいのでしょうか!?」
赤髪メイドが緊張した様子で質問する。
「ふふふ……そうだよね。気になるのは当然だと思うよ」
ザンッ
ギゼムが笑顔を見せた刹那、執事風の男の首が切断されて頭部が床に転がり、首から下の身体が崩れ落ちた。
「「……ひぃっ!!」」
一瞬、何が起きたのか理解が追いつかなかった赤髪メイドと青髪メイドだったが、やがて顔面蒼白となって声をあげ、おしりの下の床を濡らす。
「みすみす逃げられるような無能な君たちだって、死ぬことくらいならできるだろう? 怖がらなくても大丈夫だよ。じっとしていればすぐに死ねるからね」
スゥッと両手用戦斧を構えるギゼムに戦慄を覚えたふたりのメイドは、心底から湧き上がる恐怖心から立ち上がることはおろか、ろくに動くことすらできなかった。
「い、いや……助けて……」
「ど、どうかお許しを!……」
震える声を懸命に絞り出して命乞いをするメイドたちをギゼムは無表情に見下ろす。どれほど命乞いをしたところで聞く耳を持たないのは明白であった。
「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」
恐怖に耐えきれなくなった青髪メイドが四つん這いになって逃げ出す。
「おいおい、どこに行くつもりだい? お説教はまだ終わっていないのだよ?」
ギゼムが振り下ろした両手用戦斧が青髪メイドの背中を斬り裂く。鮮血が飛び散り、みるみるうちに床に真っ赤な染みを広げていく。
「まったく、この僕が死ねと言ったら喜んで死ぬくらいのことはしてほしいものだね。そんなこともできないから無能なんだよ」
ギゼムは乱れた金髪をかき上げて、ブラウンの瞳に冷ややかな光を宿して赤髪メイドを見下ろす。
「い、いや! まだ死にたくない……どうか、命だけは!」
赤髪メイドは涙ながらに懇願するもギゼムはまったく聞く耳を持たない。両手用戦斧をスッと中段に構える。
「いや!……いやいやいやいやいや……来ないでぇ!!」
腰が抜けて立ち上がれない赤髪メイド
おしりを引きずるようにして少しでもギゼムから離れようとする。
「そんな無様な姿をさらすメイドなんか僕の元で働く資格すらない。早々に死にたまえ」
赤髪メイドを蔑視したギゼムが無感情に両手用戦斧を一閃し、赤髪メイドの首を断ち切った。
「さて、と。あとは門番を始末しなきゃだな。それから、警備隊を呼ばないといけないよね。ククククク……」
ギゼムは割れた窓から夜空に浮かぶ月を見上げ、唇を吊り上げた。
花園から戻ってきたギゼムのブラウンの瞳が、執事風の男とメイドふたりを睨めつける。その手には血まみれの両手用戦斧が握られていた。
「ど、どうかお許しください! あの男は必ず我々の手で始末いたしますので、どうかチャンスを!!」
「「お願いいたします、ギゼム様!!」」
執事風の男がギゼムの前にひれ伏して懇願する。それに倣ってふたりのメイドもひれ伏す。
「そうか。君たちにその気があるのなら代わりの役目を与えようじゃないか」
「代わりの役目、でございますか?」
顔を上げた執事風の男が訊くと、ギゼムはニヤリと笑みを浮かべる。
「あぁ、そうだよ。なぁに、そんなに難しいことじゃないから安心したまえ」
「あ、あの! あたしたちは何をすればよろしいのでしょうか!?」
赤髪メイドが緊張した様子で質問する。
「ふふふ……そうだよね。気になるのは当然だと思うよ」
ザンッ
ギゼムが笑顔を見せた刹那、執事風の男の首が切断されて頭部が床に転がり、首から下の身体が崩れ落ちた。
「「……ひぃっ!!」」
一瞬、何が起きたのか理解が追いつかなかった赤髪メイドと青髪メイドだったが、やがて顔面蒼白となって声をあげ、おしりの下の床を濡らす。
「みすみす逃げられるような無能な君たちだって、死ぬことくらいならできるだろう? 怖がらなくても大丈夫だよ。じっとしていればすぐに死ねるからね」
スゥッと両手用戦斧を構えるギゼムに戦慄を覚えたふたりのメイドは、心底から湧き上がる恐怖心から立ち上がることはおろか、ろくに動くことすらできなかった。
「い、いや……助けて……」
「ど、どうかお許しを!……」
震える声を懸命に絞り出して命乞いをするメイドたちをギゼムは無表情に見下ろす。どれほど命乞いをしたところで聞く耳を持たないのは明白であった。
「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」
恐怖に耐えきれなくなった青髪メイドが四つん這いになって逃げ出す。
「おいおい、どこに行くつもりだい? お説教はまだ終わっていないのだよ?」
ギゼムが振り下ろした両手用戦斧が青髪メイドの背中を斬り裂く。鮮血が飛び散り、みるみるうちに床に真っ赤な染みを広げていく。
「まったく、この僕が死ねと言ったら喜んで死ぬくらいのことはしてほしいものだね。そんなこともできないから無能なんだよ」
ギゼムは乱れた金髪をかき上げて、ブラウンの瞳に冷ややかな光を宿して赤髪メイドを見下ろす。
「い、いや! まだ死にたくない……どうか、命だけは!」
赤髪メイドは涙ながらに懇願するもギゼムはまったく聞く耳を持たない。両手用戦斧をスッと中段に構える。
「いや!……いやいやいやいやいや……来ないでぇ!!」
腰が抜けて立ち上がれない赤髪メイド
おしりを引きずるようにして少しでもギゼムから離れようとする。
「そんな無様な姿をさらすメイドなんか僕の元で働く資格すらない。早々に死にたまえ」
赤髪メイドを蔑視したギゼムが無感情に両手用戦斧を一閃し、赤髪メイドの首を断ち切った。
「さて、と。あとは門番を始末しなきゃだな。それから、警備隊を呼ばないといけないよね。ククククク……」
ギゼムは割れた窓から夜空に浮かぶ月を見上げ、唇を吊り上げた。
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