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第9章 森林モンスター合同討伐依頼
9―5 VSウォリアー級オーガ
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(オーガがいるなんて報告は聞いた覚えはないが……不測の事態は常に起こり得る、ね。それにしても、あいつから感じるこの気配は、エルダー級……いえ、ウォリアー級!?)
「みんな、そいつから離れて!」
身長が3メートルはあろうかという巨躯を見据え、ネティエは冷静に指示を飛ばしつつ小盾と鞭を構える。
「ゲハハハハハハッ! ホントウニ、ウマソウナニンゲンガアツマッテキタゾ!」
ウォリアー級オーガは嬉々として口元をゆがませる。
「アルナさん、サポートよろしく!」
「はい!」
駆け出したネティエはウォリアー級オーガとの間合いを一気に詰める。
「バインド・チェーン!」
アルナが魔術を発動させたことで地面から魔力の鎖が飛び出し、ウォリアー級オーガの両腕に絡み付く。
「ナイスよ!」
アルナを賞賛したネティエがすかさず鞭を揮う。
「グヌ……ヌガァァァァッ!!」
ウォリアー級オーガは、鞭による連打をくらいながらも力任せに魔力の鎖を引っ張る。
「くっ……ネティエさん、離れてください! 鎖が、切れます!!」
アルナが叫んだ瞬間、魔力の鎖は千切れ飛ぶ。ウォリアー級オーガはそのまま振り上げた金棒をネティエに向けて振り下ろす。
ドガッ
金棒が地面を打つ。寸前で躱したネティエの頬を冷や汗が伝う。
「これでもくらいなさい! ライトニング・ショット!!」
ウォリアー級オーガが次の攻撃を放つよりも早く、アルナが電撃球を放った。
「これは、わたくしも後輩にいいところを見せないといけないわね。闘気戦術・連舞!」
ビシィッ
闘気をまとった鞭がウォリアー級オーガの全身を打つ。皮膚が裂けて血液が地面に滴り落ちる。
「ニンゲンメ、オトナシククワレロ!」
ウォリアー級オーガは、怒りを溶かした赤眼をネティエに向けて金棒を振りかざす。
ブゥォンッ
金棒が飛び退いたネティエの眼前を通り過ぎる。
「闘気戦術・飛閃!」
愛用の鞭に再び闘気をまとわせて振り抜く。闘気が刃となって飛び出してウォリアー級オーガの左肩を捉える。血飛沫が舞って左腕が力なくダラリと垂れ下がる。
「オノ……レ!……」
苦痛に唇を醜くゆがめたウォリアー級オーガは右手に握った金棒を立て続けに揮う。それに対して、オレンジ色の魔力を全身にまとったネティエは、全てを最小限の動きで躱し、攻撃の合間に反撃を入れる。
「ヌゥゥゥッ」
ウォリアー級オーガは、忌々しげにネティエを睨んで後退する。左腕は相変わらず垂れ下がったままだ。
「はぁぁぁぁ!!」
モンスターは、深手を負っても死亡しない限りは時間経過で自然回復してしまう。そのことをよく理解しているネティエは即座に猛烈な反撃にでる。
「グゥゥゥッ」
ウォリアー級オーガが低いうめき声を漏らす。それは、蓄積されてきたダメージは大きくなっていることを伝えている。
「チョウシニ、ノルナァァッ!」
ウォリアー級オーガは金棒を振り抜く。だが、ネティエには当たらない。
「あまいわよ!」
回避したネティエが一歩踏み込む。しかし、ウォリアー級オーガもまたネティエに体当たりを仕掛ける。
「あぐっ」
予想外の反撃にくらって弾き飛ばされたネティエは体勢を崩す。
「ゲフフフフ!」
ウォリアー級オーガが金棒を振り上げる。
「エア・ショット!」
金棒が振り下ろされるのを阻止すべくアルナが放った空気弾がウォリアー級オーガの右目の目尻に命中した。
「オグゥッ」
短く声をあげたウォリアー級オーガがよろめく。ネティエは、その隙に鞭を揮ってウォリアー級オーガの太い首に巻きつける。
「おしまいよ! 闘気戦術・斬閃!!」
闘気を帯びて鋭利な刃と化した鞭を力強く引っ張ることで、首に巻き付いた鞭が締まり、頭部を切り離す。
ドサ……
斬首されたことで絶命したウォリアー級オーガが地面に崩れ落ちて霧消する。
「……ふぅ……ありがとう、助かったわ」
聖杖を構えていたアルナに感謝を伝えるネティエ。
「いえ、少しでもお役に立ててよかったです」
「大助かりよ。……それじゃ、その調子で残りも片付けるわよ」
「はい!」
大物を討伐したアルナとネティエは、ほかの冒険者たちとともに場のモンスターを掃討するのだった。
「みんな、そいつから離れて!」
身長が3メートルはあろうかという巨躯を見据え、ネティエは冷静に指示を飛ばしつつ小盾と鞭を構える。
「ゲハハハハハハッ! ホントウニ、ウマソウナニンゲンガアツマッテキタゾ!」
ウォリアー級オーガは嬉々として口元をゆがませる。
「アルナさん、サポートよろしく!」
「はい!」
駆け出したネティエはウォリアー級オーガとの間合いを一気に詰める。
「バインド・チェーン!」
アルナが魔術を発動させたことで地面から魔力の鎖が飛び出し、ウォリアー級オーガの両腕に絡み付く。
「ナイスよ!」
アルナを賞賛したネティエがすかさず鞭を揮う。
「グヌ……ヌガァァァァッ!!」
ウォリアー級オーガは、鞭による連打をくらいながらも力任せに魔力の鎖を引っ張る。
「くっ……ネティエさん、離れてください! 鎖が、切れます!!」
アルナが叫んだ瞬間、魔力の鎖は千切れ飛ぶ。ウォリアー級オーガはそのまま振り上げた金棒をネティエに向けて振り下ろす。
ドガッ
金棒が地面を打つ。寸前で躱したネティエの頬を冷や汗が伝う。
「これでもくらいなさい! ライトニング・ショット!!」
ウォリアー級オーガが次の攻撃を放つよりも早く、アルナが電撃球を放った。
「これは、わたくしも後輩にいいところを見せないといけないわね。闘気戦術・連舞!」
ビシィッ
闘気をまとった鞭がウォリアー級オーガの全身を打つ。皮膚が裂けて血液が地面に滴り落ちる。
「ニンゲンメ、オトナシククワレロ!」
ウォリアー級オーガは、怒りを溶かした赤眼をネティエに向けて金棒を振りかざす。
ブゥォンッ
金棒が飛び退いたネティエの眼前を通り過ぎる。
「闘気戦術・飛閃!」
愛用の鞭に再び闘気をまとわせて振り抜く。闘気が刃となって飛び出してウォリアー級オーガの左肩を捉える。血飛沫が舞って左腕が力なくダラリと垂れ下がる。
「オノ……レ!……」
苦痛に唇を醜くゆがめたウォリアー級オーガは右手に握った金棒を立て続けに揮う。それに対して、オレンジ色の魔力を全身にまとったネティエは、全てを最小限の動きで躱し、攻撃の合間に反撃を入れる。
「ヌゥゥゥッ」
ウォリアー級オーガは、忌々しげにネティエを睨んで後退する。左腕は相変わらず垂れ下がったままだ。
「はぁぁぁぁ!!」
モンスターは、深手を負っても死亡しない限りは時間経過で自然回復してしまう。そのことをよく理解しているネティエは即座に猛烈な反撃にでる。
「グゥゥゥッ」
ウォリアー級オーガが低いうめき声を漏らす。それは、蓄積されてきたダメージは大きくなっていることを伝えている。
「チョウシニ、ノルナァァッ!」
ウォリアー級オーガは金棒を振り抜く。だが、ネティエには当たらない。
「あまいわよ!」
回避したネティエが一歩踏み込む。しかし、ウォリアー級オーガもまたネティエに体当たりを仕掛ける。
「あぐっ」
予想外の反撃にくらって弾き飛ばされたネティエは体勢を崩す。
「ゲフフフフ!」
ウォリアー級オーガが金棒を振り上げる。
「エア・ショット!」
金棒が振り下ろされるのを阻止すべくアルナが放った空気弾がウォリアー級オーガの右目の目尻に命中した。
「オグゥッ」
短く声をあげたウォリアー級オーガがよろめく。ネティエは、その隙に鞭を揮ってウォリアー級オーガの太い首に巻きつける。
「おしまいよ! 闘気戦術・斬閃!!」
闘気を帯びて鋭利な刃と化した鞭を力強く引っ張ることで、首に巻き付いた鞭が締まり、頭部を切り離す。
ドサ……
斬首されたことで絶命したウォリアー級オーガが地面に崩れ落ちて霧消する。
「……ふぅ……ありがとう、助かったわ」
聖杖を構えていたアルナに感謝を伝えるネティエ。
「いえ、少しでもお役に立ててよかったです」
「大助かりよ。……それじゃ、その調子で残りも片付けるわよ」
「はい!」
大物を討伐したアルナとネティエは、ほかの冒険者たちとともに場のモンスターを掃討するのだった。
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