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第9章 森林モンスター合同討伐依頼
9―9 森林モンスター討伐④
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「てめぇのせいで、せっかく集めた手下どもの数がかなり減っちまったじゃねぇか。お陰で計画が台無しだ!! だがしかし、てめぇらは生かして帰さねぇぞ!!」
戦力として大いに期待していたウォリアー級オーガを失ったこと、冒険者ギルドから派遣されたサポーターに逃げられたこと、モンスターの数が激減してしまったこと……それらを考えれば、今回のティク襲撃は断念せざるを得ない。その原因となった者たちを皆殺しにしなければ、ギャブの気が収まらなかった。
「そんなの、わたくしの知ったことではないわ!」
鉄棍と鞭が空中で軌跡を描いては空振りを繰り返す。
「ここはわたくしが引き受けるわ。みんなは後方へ回って!」
戦況が変わってきたきたことに対応して、ネティエも周りの冒険者に指示を飛ばす。同時に鞭に闘気を帯びさせる。
「闘気戦術・連舞!」
魔力による身体能力の強化と闘気による武器の軽量化により、ネティエは怒涛の連続攻撃を放つ。しかし、ギャブは魔力をまとうことで防御と回避に徹してダメージを抑える。
(性格や素行はともかくとして戦闘能力だけなら確実にB級だわ。それに、戦況も冷静に見ている……厄介ね)
ネティエはギャブが予想以上に厄介な相手であることを認めるほかなかった。
「闘気戦術・突穿!」
ネティエの猛攻のほんの一瞬の隙をついて、ギャブが反撃に転じる。闘気を鉄棍の先端部に集め、ネティエの腹部を突く。
「がはぁっ!!」
小盾による防御がわずかに間に合わず、ネティエは吹っ飛ばされて地面をバウンドする。これを機にギャブは攻勢に転じる。
「くっ!」
ギャブは、ネティエに体勢を立て直す隙を与えず、矢継ぎ早に打撃を撃ち込む。小盾で辛うじて防御しているが、ネティエが劣勢に立たされているのは間違いなかった。
「闘気戦術・衝打!」
「ぐっ!」
闘気を帯びた鉄棍がネティエの小盾を腕ごと弾く。
ドスッ
ガラ空きになった胸部に蹴りを入れ、さらに頬を鉄棍で殴りつける。
「フヘヘヘヘヘ……これで終わりだぜぇ! 頭をかち割ってやるよぉ!!」
ギャブが振り上げた鉄棍をネティエの頭頂部めがけて振り下ろす。
ガッ!
「くっ!」
鉄棍で殴りつけられたネティエの頭から血を流れ出す。だが、それでも諦めない。薄れゆく意識のなか鞭を揮い、ギャブの右腕へと巻きつける。
(この女! まだ抵抗しやがるか!?)
鞭が闘気を帯びたのを見たギャブは右腕に魔力を集中させる。
「闘気戦術・斬閃!!」
闘気を帯びた鞭は鋭利な刃となってギャブの右腕を締め付ける。
「ぎゃぁぁぁ!!」
ギャブが悲鳴をあげてヨタヨタとふらつく。右腕は魔力をまとっていたお陰で切断はされていない。が、それでもおびただしい量の血が流れ出ていた。
(ちきしょうが! オレとしたことが油断しちまったか!!)
痛みと怒りに歯軋りしたギャブがネティエの顔面を蹴りを入れる。意識が薄れたネティエは鞭を握る手から力が抜け、蹴り飛ばされた勢いで地面を滑り、最後は仰向けの状態となった。
「このクソ女、ぶち殺してやるぜぇ!!」
右腕に巻き付いた鞭を投げ捨てたギャブが、倒れているネティエの元へ移動して鉄棍を振り下ろす。
ドガッ
寸前のところで意識を取り戻したネティエが咄嗟に横に転がって回避する。これによって鉄棍は地面を叩くのみとなった。
「見苦しい! 抵抗したところでムダだ! おとなしく死ねぇ!!」
苛立ったギャブが今度こそネティエにとどめを刺そうと鉄棍を高々と掲げる。しかし、ネティエはもはや体に力が入らない。
「バーニング・ショット!」
「ぐぁぁぁぁ!!」
突然、背後から声が聞こえたかと思った瞬間、ギャブは背中に火炎弾が命中したことで火傷を負う。
「だれだぁ!?」
ギャブがギラついた瞳を向けた先には聖杖を構えたアルナが立っていた。
戦力として大いに期待していたウォリアー級オーガを失ったこと、冒険者ギルドから派遣されたサポーターに逃げられたこと、モンスターの数が激減してしまったこと……それらを考えれば、今回のティク襲撃は断念せざるを得ない。その原因となった者たちを皆殺しにしなければ、ギャブの気が収まらなかった。
「そんなの、わたくしの知ったことではないわ!」
鉄棍と鞭が空中で軌跡を描いては空振りを繰り返す。
「ここはわたくしが引き受けるわ。みんなは後方へ回って!」
戦況が変わってきたきたことに対応して、ネティエも周りの冒険者に指示を飛ばす。同時に鞭に闘気を帯びさせる。
「闘気戦術・連舞!」
魔力による身体能力の強化と闘気による武器の軽量化により、ネティエは怒涛の連続攻撃を放つ。しかし、ギャブは魔力をまとうことで防御と回避に徹してダメージを抑える。
(性格や素行はともかくとして戦闘能力だけなら確実にB級だわ。それに、戦況も冷静に見ている……厄介ね)
ネティエはギャブが予想以上に厄介な相手であることを認めるほかなかった。
「闘気戦術・突穿!」
ネティエの猛攻のほんの一瞬の隙をついて、ギャブが反撃に転じる。闘気を鉄棍の先端部に集め、ネティエの腹部を突く。
「がはぁっ!!」
小盾による防御がわずかに間に合わず、ネティエは吹っ飛ばされて地面をバウンドする。これを機にギャブは攻勢に転じる。
「くっ!」
ギャブは、ネティエに体勢を立て直す隙を与えず、矢継ぎ早に打撃を撃ち込む。小盾で辛うじて防御しているが、ネティエが劣勢に立たされているのは間違いなかった。
「闘気戦術・衝打!」
「ぐっ!」
闘気を帯びた鉄棍がネティエの小盾を腕ごと弾く。
ドスッ
ガラ空きになった胸部に蹴りを入れ、さらに頬を鉄棍で殴りつける。
「フヘヘヘヘヘ……これで終わりだぜぇ! 頭をかち割ってやるよぉ!!」
ギャブが振り上げた鉄棍をネティエの頭頂部めがけて振り下ろす。
ガッ!
「くっ!」
鉄棍で殴りつけられたネティエの頭から血を流れ出す。だが、それでも諦めない。薄れゆく意識のなか鞭を揮い、ギャブの右腕へと巻きつける。
(この女! まだ抵抗しやがるか!?)
鞭が闘気を帯びたのを見たギャブは右腕に魔力を集中させる。
「闘気戦術・斬閃!!」
闘気を帯びた鞭は鋭利な刃となってギャブの右腕を締め付ける。
「ぎゃぁぁぁ!!」
ギャブが悲鳴をあげてヨタヨタとふらつく。右腕は魔力をまとっていたお陰で切断はされていない。が、それでもおびただしい量の血が流れ出ていた。
(ちきしょうが! オレとしたことが油断しちまったか!!)
痛みと怒りに歯軋りしたギャブがネティエの顔面を蹴りを入れる。意識が薄れたネティエは鞭を握る手から力が抜け、蹴り飛ばされた勢いで地面を滑り、最後は仰向けの状態となった。
「このクソ女、ぶち殺してやるぜぇ!!」
右腕に巻き付いた鞭を投げ捨てたギャブが、倒れているネティエの元へ移動して鉄棍を振り下ろす。
ドガッ
寸前のところで意識を取り戻したネティエが咄嗟に横に転がって回避する。これによって鉄棍は地面を叩くのみとなった。
「見苦しい! 抵抗したところでムダだ! おとなしく死ねぇ!!」
苛立ったギャブが今度こそネティエにとどめを刺そうと鉄棍を高々と掲げる。しかし、ネティエはもはや体に力が入らない。
「バーニング・ショット!」
「ぐぁぁぁぁ!!」
突然、背後から声が聞こえたかと思った瞬間、ギャブは背中に火炎弾が命中したことで火傷を負う。
「だれだぁ!?」
ギャブがギラついた瞳を向けた先には聖杖を構えたアルナが立っていた。
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