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第9章 森林モンスター合同討伐依頼
9―10 森林モンスター討伐⑤
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突如、現れたアルナを睨めつけたギャブだったが、不意に冷笑を浮かべる。
「おまえ、魔術師だろ? バカなやつだ。魔術師が前線に出てきてどうするってんだ? この女はあてにできねぇぜ。なんせ半死半生って感じだからなぁ」
勝ち誇ったように言うギャブをアルナはキッと睨む。
「アルナ、さん。気をつけて……こいつは、モンスター使い、よ……」
頭から血を流し、青白い顔のネティエが注意を促す。
「それにしても情けねぇ。オレの手下のモンスターどもはなにをしてやがる?」
「あんなの全滅させてやったわよ!」
アルナはギャブが視線を移動させるよりも早く言い放つ。
「なに!?」
その言葉にギャブが明らかに動揺し、視線をほかの魔術師たちがいたほうへと向けて凝視する。
「……おいおい、どうなってんだよ? 数の上じゃ冒険者どもよりオレの手下どものほうがかなり多かったはずだぜ!? それが、なぜこうも簡単に全滅するんだ!!?」
狼狽えたギャブが声を荒げた。そこにはモンスターたちの姿はなく、魔石の回収を進めている冒険者の姿があった。
「当たり前じゃない。あの程度の数の差で、しかも指揮官もいない状態なら全滅させるのは難しくないわよ。あとはあなたひとりになったから、みんなに魔石の回収をお願いしたの。降参することをお勧めするけど?」
聖杖を構えたまま、白い魔力を身にまとったアルナが勧告する。
「調子にのるなぁ!」
激昂したギャブがアルナに向かっていく。
「バーニング・ショット!」
アルナは火炎弾を撃って迎撃にでる。が、それをサイドステップで躱し、さらに加速したギャブが鉄棍を振り上げる。
「まとめて殺す!」
ドガッ
鉄棍が地面を叩く。
「魔術師だって、接近戦くらいできるわよ」
素早くギャブの背後をとったアルナが聖杖の先端部を差し向ける。
「ちぃっ!」
「エア・ショット!」
ギャブがその場を飛び退こうとした直前、アルナが圧縮された空気弾を放つ。
「ごふっ!」
顔面に空気弾をくらったギャブが、ヨタヨタと後退する。
「ライトニング・ウィップ!」
たたみかけるように、アルナが魔力によって雷の鞭を発生させて揮う。だが、紫の魔力をまとったギャブは跳躍して躱し、鉄棍に闘気を帯びさせる。
「くらいな! 闘気戦術・飛閃!!」
振り抜いた鉄棍からくり出された、闘気をまとった真空波がアルナに迫る。
「ぐっ!」
聖杖で受け止めたアルナが声を漏らして体勢を崩す。
「まだまだいくぞ! 闘気戦術・連舞!」
闘気を活用して軽量化した鉄棍でアルナに打撃を次々にくり出すギャブ。白い魔力を身にまとって防御力を上げているとはいえ、ダメージは軽くない。
(ネティエさんとの戦いでかなり消耗してるはずなのに、まだこれだけ戦えるというの!?)
アルナはバックステップで間合いをとりながら聖杖を構え直す。
「バーニング・ショット!」
差し向けた聖杖の先端部から火炎弾が飛び出す。
「くっ!!」
火炎弾が命中したギャブが炎に包まれて唇を歪めるて片膝をつく。
「ライトニング・ウィップ!」
続け様に聖杖から生じた稲妻が電撃の鞭となってギャブに追い打ちをかける。
「ぐうぉぉぉぉぉぉ!」
全身に電撃が走ったギャブは叫び声をあげてバタリと倒れた。
「……勝った……」
安堵の表情を浮かべたアルナが構えをとき、急いでネティエの元に駆け寄る。
「ネティエさん、大丈夫ですか!?」
すぐにヒールを発動させたアルナが心配そうに声をかける。
「ええ。アルナさんが来てくれたから大丈夫よ。本当にありがとうね」
ネティエは微笑を浮かべて答えた。
「おまえ、魔術師だろ? バカなやつだ。魔術師が前線に出てきてどうするってんだ? この女はあてにできねぇぜ。なんせ半死半生って感じだからなぁ」
勝ち誇ったように言うギャブをアルナはキッと睨む。
「アルナ、さん。気をつけて……こいつは、モンスター使い、よ……」
頭から血を流し、青白い顔のネティエが注意を促す。
「それにしても情けねぇ。オレの手下のモンスターどもはなにをしてやがる?」
「あんなの全滅させてやったわよ!」
アルナはギャブが視線を移動させるよりも早く言い放つ。
「なに!?」
その言葉にギャブが明らかに動揺し、視線をほかの魔術師たちがいたほうへと向けて凝視する。
「……おいおい、どうなってんだよ? 数の上じゃ冒険者どもよりオレの手下どものほうがかなり多かったはずだぜ!? それが、なぜこうも簡単に全滅するんだ!!?」
狼狽えたギャブが声を荒げた。そこにはモンスターたちの姿はなく、魔石の回収を進めている冒険者の姿があった。
「当たり前じゃない。あの程度の数の差で、しかも指揮官もいない状態なら全滅させるのは難しくないわよ。あとはあなたひとりになったから、みんなに魔石の回収をお願いしたの。降参することをお勧めするけど?」
聖杖を構えたまま、白い魔力を身にまとったアルナが勧告する。
「調子にのるなぁ!」
激昂したギャブがアルナに向かっていく。
「バーニング・ショット!」
アルナは火炎弾を撃って迎撃にでる。が、それをサイドステップで躱し、さらに加速したギャブが鉄棍を振り上げる。
「まとめて殺す!」
ドガッ
鉄棍が地面を叩く。
「魔術師だって、接近戦くらいできるわよ」
素早くギャブの背後をとったアルナが聖杖の先端部を差し向ける。
「ちぃっ!」
「エア・ショット!」
ギャブがその場を飛び退こうとした直前、アルナが圧縮された空気弾を放つ。
「ごふっ!」
顔面に空気弾をくらったギャブが、ヨタヨタと後退する。
「ライトニング・ウィップ!」
たたみかけるように、アルナが魔力によって雷の鞭を発生させて揮う。だが、紫の魔力をまとったギャブは跳躍して躱し、鉄棍に闘気を帯びさせる。
「くらいな! 闘気戦術・飛閃!!」
振り抜いた鉄棍からくり出された、闘気をまとった真空波がアルナに迫る。
「ぐっ!」
聖杖で受け止めたアルナが声を漏らして体勢を崩す。
「まだまだいくぞ! 闘気戦術・連舞!」
闘気を活用して軽量化した鉄棍でアルナに打撃を次々にくり出すギャブ。白い魔力を身にまとって防御力を上げているとはいえ、ダメージは軽くない。
(ネティエさんとの戦いでかなり消耗してるはずなのに、まだこれだけ戦えるというの!?)
アルナはバックステップで間合いをとりながら聖杖を構え直す。
「バーニング・ショット!」
差し向けた聖杖の先端部から火炎弾が飛び出す。
「くっ!!」
火炎弾が命中したギャブが炎に包まれて唇を歪めるて片膝をつく。
「ライトニング・ウィップ!」
続け様に聖杖から生じた稲妻が電撃の鞭となってギャブに追い打ちをかける。
「ぐうぉぉぉぉぉぉ!」
全身に電撃が走ったギャブは叫び声をあげてバタリと倒れた。
「……勝った……」
安堵の表情を浮かべたアルナが構えをとき、急いでネティエの元に駆け寄る。
「ネティエさん、大丈夫ですか!?」
すぐにヒールを発動させたアルナが心配そうに声をかける。
「ええ。アルナさんが来てくれたから大丈夫よ。本当にありがとうね」
ネティエは微笑を浮かべて答えた。
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