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第10章 元処刑場の戦い
10―8 VSジャイガス②
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「エルフェリオン!!」
アルナがエルフェリオンの元へと駆ける。
「問題ねぇよ。下がってろ」
本棚と壁の間からエルフェリオンの声が聞こえる。アルナはそれに従って距離をとる。
「闘気戦術・斬閃!」
一筋の閃光が走り抜けた。刹那、本棚は斬り裂かれて床に崩れ落ちる。
「おっさん、やってくれるじゃねぇかよ」
エルフェリオンはニヤリと笑む。その左手には邪龍剣へと変形した邪龍武具が握られていた。
「今度はこっちのターンだ! 闘気戦術・連舞!!」
闘気を武器に作用させることで重量を軽くし、同時に魔力で身体能力を強化したエルフェリオンは、凄まじい連続攻撃をジャイガスに叩き込む。
「ぬぉぉぉぉぉ!」
エルフェリオンの猛攻を躱せずに斬撃を立て続けに浴びたジャイガスが悲鳴をあげる。
「……ぬっ、うぉぉぉぉ!!」
ジャイガスは回避をあきらめ、霊弾を乱射して反撃にでる。
「けっ、まだ元気じゃねぇかよ、おっさん!」
飛び退いたエルフェリオンは、迫ってきた幾つかの霊弾を切り払う。
「これで終わりよ! ホーリー・レイ!!」
ジャイガスの意識がエルフェリオンに向けられている隙に接近したアルナは、聖杖の先端部をジャイガスの胸に密着させ、魔力による白い光線を撃つ。
「ぬがぁぁぁぁっ!!!」
アンデッドが苦手とする光線がジャイガスの胸を貫通した。
(まだ、倒しきれないの!?)
勝利を確信していたアルナは両目を見開く。
「なかなかに見事だった!」
両手をかざしたジャイガスの霊気が膨れ上がる。
「くっ!」
全身に白い魔力をまとったアルナは、ジャイガスから少しでも離れようと飛び退く。
「はぁぁっ!」
ジャイガスは、充分に集まった霊気を大霊弾として放った。
(やばっ!!)
アルナは大ダメージを覚悟して顔を引きつらせる。
ドォォンッ
衝撃音が室内全体を揺らす。天井からは埃がパラパラと舞い降る。
アルナは、固く閉じていた瞼をそっと開ける。その澄んだブルーの瞳が、ジャイガスの渾身の一撃から庇ってくれたパートナーの背中を映す。
「エルフェリオン!?」
「……大丈夫だ。ちっと痛ぇが問題ねぇよ」
黒い魔力をまとったエルフェリオンが、心配して叫ぶアルナに答える。
「これは驚いた! 私の最大威力の霊弾を至近距離からまともに受けて立っていられようとはな……しかも、仲間のために僅かな躊躇もなく飛び出せる勇気にも、な」
感心するジャイガスの瞳には敵意はなかった。
アルナがエルフェリオンの元へと駆ける。
「問題ねぇよ。下がってろ」
本棚と壁の間からエルフェリオンの声が聞こえる。アルナはそれに従って距離をとる。
「闘気戦術・斬閃!」
一筋の閃光が走り抜けた。刹那、本棚は斬り裂かれて床に崩れ落ちる。
「おっさん、やってくれるじゃねぇかよ」
エルフェリオンはニヤリと笑む。その左手には邪龍剣へと変形した邪龍武具が握られていた。
「今度はこっちのターンだ! 闘気戦術・連舞!!」
闘気を武器に作用させることで重量を軽くし、同時に魔力で身体能力を強化したエルフェリオンは、凄まじい連続攻撃をジャイガスに叩き込む。
「ぬぉぉぉぉぉ!」
エルフェリオンの猛攻を躱せずに斬撃を立て続けに浴びたジャイガスが悲鳴をあげる。
「……ぬっ、うぉぉぉぉ!!」
ジャイガスは回避をあきらめ、霊弾を乱射して反撃にでる。
「けっ、まだ元気じゃねぇかよ、おっさん!」
飛び退いたエルフェリオンは、迫ってきた幾つかの霊弾を切り払う。
「これで終わりよ! ホーリー・レイ!!」
ジャイガスの意識がエルフェリオンに向けられている隙に接近したアルナは、聖杖の先端部をジャイガスの胸に密着させ、魔力による白い光線を撃つ。
「ぬがぁぁぁぁっ!!!」
アンデッドが苦手とする光線がジャイガスの胸を貫通した。
(まだ、倒しきれないの!?)
勝利を確信していたアルナは両目を見開く。
「なかなかに見事だった!」
両手をかざしたジャイガスの霊気が膨れ上がる。
「くっ!」
全身に白い魔力をまとったアルナは、ジャイガスから少しでも離れようと飛び退く。
「はぁぁっ!」
ジャイガスは、充分に集まった霊気を大霊弾として放った。
(やばっ!!)
アルナは大ダメージを覚悟して顔を引きつらせる。
ドォォンッ
衝撃音が室内全体を揺らす。天井からは埃がパラパラと舞い降る。
アルナは、固く閉じていた瞼をそっと開ける。その澄んだブルーの瞳が、ジャイガスの渾身の一撃から庇ってくれたパートナーの背中を映す。
「エルフェリオン!?」
「……大丈夫だ。ちっと痛ぇが問題ねぇよ」
黒い魔力をまとったエルフェリオンが、心配して叫ぶアルナに答える。
「これは驚いた! 私の最大威力の霊弾を至近距離からまともに受けて立っていられようとはな……しかも、仲間のために僅かな躊躇もなく飛び出せる勇気にも、な」
感心するジャイガスの瞳には敵意はなかった。
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