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2章 魔剣カラドボルグ
21話 二人きりの朝食
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翌朝、目覚めたアルフォスは隣のベッドを見る。セラの姿はない。既に起床しているようだ。もっとも、これはいつものことである。
「おはようございます、アルフォス様」
上体を起こしたアルフォスにセラが声をかけてきた。テーブルの上には朝食が用意されている。
「おはよう」
短く答え、ベッドを脱け出したアルフォスはクレイモアを手にいつもの席に座る。それを待っていたセラがカップにお茶が注ぎ入れる。
それを一気に飲み干す。すぐにおかわりが注がれ、カップを満たした。
「もういい。セラも座って食事しろ」
「では……」
アルフォスが言うとセラはアルフォスの対面の席に腰を落ち着かせる。
「さて、グリード村とは聞き覚えのない村だな。リュカリオンに訊いたところで答えてはくれないだろうしな……」
食事を摂りながら、アルフォスは思案した。
リュカリオンはアルフォスに対して優しく接してくれる。だが、時に試練も課す。そんな場合、解決策を訊いたところで教えてはくれない。自ら考え、答えを導きださねばならないのだ。そういった経験があったからこそアルフォスはこの数年で大きく成長できたと実感できているとも言えた。
「セラは何か知っているか?」
アルフォスは話をセラに振る。が、セラは眉をひそめていた。
「グリード村ですか?……わたくしにも聞き覚えのない名ですわ。その村には何があるんですの?」
「魔剣カラドボルグだそうだ」
アルフォスが答えた瞬間、セラは身を乗り出した。
「カラドボルグって、あの伝説の魔剣ですの!?」
「ああ。そうらしいな」
冷静に答えるアルフォス。
「素晴らしいですわ! 伝説の魔剣カラドボルグならばアルフォス様が持つに相応しい逸品ですわね!」
興奮気味のセラを尻目にアルフォスは食事を続ける。
「盛り上がってるところを悪いが、リュカリオンはカラドボルグを俺に与えるなどと一言も言っていないぞ」
「たとえ、リュカリオン様が仰っておられなくとも間違いありませんわ! なんといっても、リュカリオン様はアルフォス様に何かと期待しておられますし、アルフォス様もそれに応えられるだけの実力をお持ちなのです。だからこそ、リュカリオン様はアルフォス様に魔剣カラドボルグをお与えになって、ますますの活躍を期待しておられるに違いありませわ!!」
「そ、そうか。……とにかくまずは食事をしてはどうだ?」
アルフォスはセラに目の前に並べられた朝食を食べるよう促す。
「……そうですわね。そういうことでしたら、なにがなんでもグリード村を見つけなければいけませんわ!」
アルフォスは、本人よりもやる気を漲らせているセラを頼もしく思い、また感謝しつつ朝食を口に運ぶ。
「どうかなさいましたか? アルフォス様?」
アルフォスの視線に気付き、セラが見つめてくる。
「いや、なんでもない」
「そうなんですの? フフフ…変なアルフォス様ですわね」
セラは口元に手をあてて、かわいく笑う。
「おはようございます、アルフォス様」
上体を起こしたアルフォスにセラが声をかけてきた。テーブルの上には朝食が用意されている。
「おはよう」
短く答え、ベッドを脱け出したアルフォスはクレイモアを手にいつもの席に座る。それを待っていたセラがカップにお茶が注ぎ入れる。
それを一気に飲み干す。すぐにおかわりが注がれ、カップを満たした。
「もういい。セラも座って食事しろ」
「では……」
アルフォスが言うとセラはアルフォスの対面の席に腰を落ち着かせる。
「さて、グリード村とは聞き覚えのない村だな。リュカリオンに訊いたところで答えてはくれないだろうしな……」
食事を摂りながら、アルフォスは思案した。
リュカリオンはアルフォスに対して優しく接してくれる。だが、時に試練も課す。そんな場合、解決策を訊いたところで教えてはくれない。自ら考え、答えを導きださねばならないのだ。そういった経験があったからこそアルフォスはこの数年で大きく成長できたと実感できているとも言えた。
「セラは何か知っているか?」
アルフォスは話をセラに振る。が、セラは眉をひそめていた。
「グリード村ですか?……わたくしにも聞き覚えのない名ですわ。その村には何があるんですの?」
「魔剣カラドボルグだそうだ」
アルフォスが答えた瞬間、セラは身を乗り出した。
「カラドボルグって、あの伝説の魔剣ですの!?」
「ああ。そうらしいな」
冷静に答えるアルフォス。
「素晴らしいですわ! 伝説の魔剣カラドボルグならばアルフォス様が持つに相応しい逸品ですわね!」
興奮気味のセラを尻目にアルフォスは食事を続ける。
「盛り上がってるところを悪いが、リュカリオンはカラドボルグを俺に与えるなどと一言も言っていないぞ」
「たとえ、リュカリオン様が仰っておられなくとも間違いありませんわ! なんといっても、リュカリオン様はアルフォス様に何かと期待しておられますし、アルフォス様もそれに応えられるだけの実力をお持ちなのです。だからこそ、リュカリオン様はアルフォス様に魔剣カラドボルグをお与えになって、ますますの活躍を期待しておられるに違いありませわ!!」
「そ、そうか。……とにかくまずは食事をしてはどうだ?」
アルフォスはセラに目の前に並べられた朝食を食べるよう促す。
「……そうですわね。そういうことでしたら、なにがなんでもグリード村を見つけなければいけませんわ!」
アルフォスは、本人よりもやる気を漲らせているセラを頼もしく思い、また感謝しつつ朝食を口に運ぶ。
「どうかなさいましたか? アルフォス様?」
アルフォスの視線に気付き、セラが見つめてくる。
「いや、なんでもない」
「そうなんですの? フフフ…変なアルフォス様ですわね」
セラは口元に手をあてて、かわいく笑う。
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