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2章 魔剣カラドボルグ
28話 夜戦
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アルフォスとセラがグリード村を探して彷徨している異空間には夜が訪れ、上空には星空が広がっている。
夕暮れ時。グリード村捜索の中断を決めた二人は岩場の陰で一夜を明かすことにしたのであった。
「星まで再現してるのかよ…」
「アルフォス様と見る星空……。なんてロマンチックですの……」
セラはすっかり夢見心地である。
「…すまない……」
アルフォスが不意に呟く。それに対してセラは首を傾げる。
「俺のせいで面倒なことに巻き込んでしまったな……」
「あらあら。アルフォス様はわたくしのご主人様なんですのよ。そのようなことをお気になさってはいけませんわ」
「しかし…」
「それに、わたくしは今の状況を楽しんでますの。リュカリオン様が創造された世界で、アルフォス様と二人きりで星空を眺めるなんて至福の時ではありませんか! なんて素晴らしい時間なのでしょう!!……ですが」
立ち上がったセラから殺気が迸る。
アルフォスも同様に立ち上がり、隣に立て掛けておいたクレイモアを鞘から抜き放った。
夜の闇の中、巨岩群の陰に身を潜めた守護者の殺気を感じる。
「わたくしとアルフォス様の至福の時間を邪魔するとはいい度胸ですわ。ですが、その罪は万死に値しますわ!!」
さらに高まるセラの魔力と殺気は守護者だけでなく、アルフォスさえも背筋に冷たい汗を滲ませるほどであった。
◎
「火属性初級広域魔術!」
セラの怒りをまとった炎の雨が闇に潜む守護者たちを容赦なく焼き尽くす。
難を逃れた守護者は攻撃魔術を撃ち終えた直後のセラを狙って襲いかかる。しかし、アルフォスのクレイモアがそれらを1体として漏らさず斬り伏せていく。
「わたくしの怒りはこんなものではありませんわ! 火属性中級広域魔術!!」
出現した火炎の渦に巻き込まれた守護者の阿鼻叫喚の声が聞こえる。
「うぉぉぉぉ!!」
アルフォスは吠え、激しい反撃に狼狽している守護者の群れに斬り込んでいく。
「最高に素敵ですわ、アルフォス様ぁ!」
セラは後方から無詠唱で火属性初級魔術を連続発動させる。矢継ぎ早に繰り出される炎の球はアルフォスから離れた位置にいる守護者を焼き殺す。
アルフォスは、そんなセラに近付く守護者を片っ端から斬殺していく。
(ああ、アルフォス様に護っていただいているこの感じ…。最っ高にし・あ・わ・せ! ですわぁ!!)
戦いの真っ最中にもかかわらず、セラは至上の喜びに浸っている。しかし、その間も守護者たちに対しては情け容赦ない攻撃を浴びせかけていた。
やがて、微かな勝機もなく、このまま戦えば程なく全滅することは必至だと悟った守護者は逃走し始める。
「あらあら……。わたくしとアルフォス様の素敵な一夜に襲撃を仕掛けておいて逃走するなど認められると思ってますの? 言ったはずですわよ、あなたたちの罪は万死に値すると……」
冷ややでありながらとてつもない殺気を宿した視線を投げつけ、冷笑を浮かべながら冷たく言い捨てると、両手を左右に広げ無数の炎の球を出現させる。
「待て、セラ!」
「はい、アルフォス様」
アルフォスは止めると、セラは先刻までとは別人のような笑顔となって従う。
「ですが、あのような不届きものをどうして見逃されるんですの?」
セラが訊く。
「べつに見逃してやったわけじゃないさ。あいつらにはグリード村へ案内してもらいたいんだ。始末するのはそれからでも遅くないだろ?」
「いや~ん、さっすがはアルフォス様ですわ! そんな常に冷静なところも素敵すぎますわ~!!」
身体をクネクネとくねらせながら言うセラを尻目にアルフォスは尾行を開始する。
夕暮れ時。グリード村捜索の中断を決めた二人は岩場の陰で一夜を明かすことにしたのであった。
「星まで再現してるのかよ…」
「アルフォス様と見る星空……。なんてロマンチックですの……」
セラはすっかり夢見心地である。
「…すまない……」
アルフォスが不意に呟く。それに対してセラは首を傾げる。
「俺のせいで面倒なことに巻き込んでしまったな……」
「あらあら。アルフォス様はわたくしのご主人様なんですのよ。そのようなことをお気になさってはいけませんわ」
「しかし…」
「それに、わたくしは今の状況を楽しんでますの。リュカリオン様が創造された世界で、アルフォス様と二人きりで星空を眺めるなんて至福の時ではありませんか! なんて素晴らしい時間なのでしょう!!……ですが」
立ち上がったセラから殺気が迸る。
アルフォスも同様に立ち上がり、隣に立て掛けておいたクレイモアを鞘から抜き放った。
夜の闇の中、巨岩群の陰に身を潜めた守護者の殺気を感じる。
「わたくしとアルフォス様の至福の時間を邪魔するとはいい度胸ですわ。ですが、その罪は万死に値しますわ!!」
さらに高まるセラの魔力と殺気は守護者だけでなく、アルフォスさえも背筋に冷たい汗を滲ませるほどであった。
◎
「火属性初級広域魔術!」
セラの怒りをまとった炎の雨が闇に潜む守護者たちを容赦なく焼き尽くす。
難を逃れた守護者は攻撃魔術を撃ち終えた直後のセラを狙って襲いかかる。しかし、アルフォスのクレイモアがそれらを1体として漏らさず斬り伏せていく。
「わたくしの怒りはこんなものではありませんわ! 火属性中級広域魔術!!」
出現した火炎の渦に巻き込まれた守護者の阿鼻叫喚の声が聞こえる。
「うぉぉぉぉ!!」
アルフォスは吠え、激しい反撃に狼狽している守護者の群れに斬り込んでいく。
「最高に素敵ですわ、アルフォス様ぁ!」
セラは後方から無詠唱で火属性初級魔術を連続発動させる。矢継ぎ早に繰り出される炎の球はアルフォスから離れた位置にいる守護者を焼き殺す。
アルフォスは、そんなセラに近付く守護者を片っ端から斬殺していく。
(ああ、アルフォス様に護っていただいているこの感じ…。最っ高にし・あ・わ・せ! ですわぁ!!)
戦いの真っ最中にもかかわらず、セラは至上の喜びに浸っている。しかし、その間も守護者たちに対しては情け容赦ない攻撃を浴びせかけていた。
やがて、微かな勝機もなく、このまま戦えば程なく全滅することは必至だと悟った守護者は逃走し始める。
「あらあら……。わたくしとアルフォス様の素敵な一夜に襲撃を仕掛けておいて逃走するなど認められると思ってますの? 言ったはずですわよ、あなたたちの罪は万死に値すると……」
冷ややでありながらとてつもない殺気を宿した視線を投げつけ、冷笑を浮かべながら冷たく言い捨てると、両手を左右に広げ無数の炎の球を出現させる。
「待て、セラ!」
「はい、アルフォス様」
アルフォスは止めると、セラは先刻までとは別人のような笑顔となって従う。
「ですが、あのような不届きものをどうして見逃されるんですの?」
セラが訊く。
「べつに見逃してやったわけじゃないさ。あいつらにはグリード村へ案内してもらいたいんだ。始末するのはそれからでも遅くないだろ?」
「いや~ん、さっすがはアルフォス様ですわ! そんな常に冷静なところも素敵すぎますわ~!!」
身体をクネクネとくねらせながら言うセラを尻目にアルフォスは尾行を開始する。
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