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4章 ラミーネル攻略戦

50話 揺るぎない決意

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 「そうか。遂にガザック帝国も落ちたか」

 報告を受けたリュカリオンは静かに瞼を閉じる。

 (これで残すはラミーネル王国のみ……)

 アルフォスはリュカリオンの言葉を待つ。

 「さて……これで世界のほとんどは魔族の制圧下にあるわけだな」

 「はい。残るはラミーネル王国のみですわ」

 セラがリュカリオンの言葉を補足する。

 「既に話したことだが、ラミーネルは恐らくこれまで戦ってきたどの国よりも強力な軍事力を持っておる。それは超生物だけに限ったことではない。どうやらゼトラもラミーネルにいるようだ」

 「ゼトラが!?」

 ウィナーが驚きの声をあげる。

 「うむ。しかも、前回の時よりもさらに強くなっておるとみて間違いない」

 「超生物に勇者ゼトラ……。かなり厄介な相手ですわね」

 「マジかよ……」

 セラとウィナーは息をのむ。しかし、アルフォスは平然としていた。

 「だとしても、俺はあの国を攻める」

 「はっきり言おう。敗ける可能性のほうがはるかに高いとしてもか?」

 「ああ。それでも俺は全力で戦う」

 アルフォスの決意は僅かにも揺るがない。

 「あら、アルフォス様ったらお間違いになられてますわ。俺たち・・ですわよ」

 「おうよ! 旦那に救われた命だ。最後まで付き合うぜ!!」

 セラとウィナーの決意も固い。

 「すまない。よろしく頼む」

 アルフォスに笑みを返すセラとウィナー。

 「ふむ。良き従者を持ったな。では、何も言うことはない。おまえたちだけで制圧したならば、ラミーネルはアルフォスの領地と認めよう。そして、余の直属の六星大将軍を七星大将軍と改め、アルフォスを加えることを約束しようではないか」

 「まあ! それは素晴らしいお考えですわぁ!!」

 リュカリオンの提案にセラが歓喜の声をあげる。

 「へっ、大将軍の従者か! 悪くねぇ!! こいつは意地でも死ぬわけにゃいかねぇな。守護王ガーディアン・ロードの名にかけても!!!」

 ウィナーも士気をあげる。

 だが、アルフォスだけは変わらず平静なままである。

 「俺にとってはそんなものはどうだっていい。ただ復讐を果たしたいだけだ」

 「まったく、アルフォスらしいと言えばそうなのだが……」

 困ったように笑うリュカリオン。しかし、すぐに真顔になる。

 「では、改めて言おう。アルフォス、セラ、ウィナーの3名は此度の戦いの疲れを充分に癒したのち、ラミーネル王国に向かい、これを制圧せよ!」

 「了解した。ただし、国王ジルバーナ、第一王女メルティナ、第二王女ピファ、宮廷魔術師タハルジャおよびその息子ルット。以上の5名には降伏は認めず処刑一択とするがかまわないな?」

 「それに関してはアルフォスの判断に任せるとしよう。どのような決断を下してもそれを非難するつもりはない」

 「それを聞けて安心した。それじゃあな」

 アルフォスは安心と満足の表情を見せて部屋を退出していった。
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