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4章 ラミーネル攻略戦

56話 再会

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 王都クラッツェルンに侵入したアルフォスを騎士団が取り囲む。

 「逆賊アルフォス! おとなしく裁きを受けよ!」

 指揮官の騎士がアルフォスに降伏を求める。

 「貴様らこそ、俺たちの邪魔をしないほうがいい」

 アルフォスは多勢の騎士に取り囲まれているにもかかわらず焦りを全く感じさせない。

 「いい気になるなよ! かかれ!!」

 指揮官騎士の号令により、周りの騎士たちが一斉に襲いかかってくる。

 「紅雷こうらい

 アルフォスは魔剣カラドボルグを抜き、魔力を解放する。紅い雷が騎士たちを次々にのみ込んでいく。

 「ぎゃあ!」

 「ぐぉぉぉっ!」

 騎士たちの悲鳴が響く。

 「退け!」

 アルフォスは難を逃れ、立ちふさがる騎士たちを次々に切り伏せながらアルスフェルト城を目指す。



 (ちっ…多いな)

 アルフォスは予想を遥かに越える敵の数に舌打ちする。

 「撃てぇぇぇぇ!」

 アルスフェルト城を目指すアルフォスを待ち伏せていた魔術師団が火属性中級魔術フレイム・アローの集中砲火を浴びせてくる。

 アルフォスは真上に跳躍し、聖剣エクスカリバーを構えて魔術師団に狙いを定める。

 「水刃すいじん!」

 圧縮された水の刃が魔術師団を容赦なく壊滅させた。

 「紅雷こうらい!」

 地上に戻ったアルフォスを討とうと剣や槍、戦斧を手に襲いくる騎士たち。それをアルフォスは魔剣カラドボルグを構えて迎え撃った。紅い雷にのみ込まれた騎士たちは次々に力尽きていく。



 「やあ、久しぶりだね、アルフォス君」

 アルスフェルト城の城門前広場。一人の兵士が声をかけてきた。

 「あんたは……テイラ…」

 アルフォスは顔見知りの兵士と対峙する。

 「憶えててくれて嬉しいなぁ」

 テイラは人懐っこい笑顔を見せる。

 「…できれば戦いたくない。おとなしく通してくれないか?」

 「いくらアルフォス君の頼みでも、それはできない相談だね」

 「そうか……」

 アルフォスは聖剣エクスカリバーと魔剣カラドボルグを構える。

 「それが聖剣エクスカリバーと魔剣カラドボルグかい? すごいじゃないか! 今まで聖剣と魔剣を一人で使いこなした者なんていないんじゃないか?」

 「…なにが言いたい?」

 「つまり、兵士である僕なんかじゃアルフォス君にはとても敵わないってことさ」

 「降伏するのか?」

 「それはできない。それにさ、今の僕は兵士じゃないんだ。かといって騎士でもないだよ。僕はね戦士さ! 戦闘のエキスパートなんだ! そしてもうすぐ英雄になる! 悪しき邪神の遣いアルフォスを倒した英雄にね!!」

 それまでのテイラの雰囲気から豹変する。目は血走り、爪は伸び、牙が生え、翼が現れ、全身の筋肉が盛り上がってくる。

 「すごいだろ? これがタハルジャ様にいただいた戦士としての力だ! さあ、勝負だよ、アルフォス君!!!」

 テイラは闘争本能をむき出しにしてアルフォスに挑む。
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