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4章 ラミーネル攻略戦
66話 アルフォスVSゼトラ③
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「火属性初級広域魔術!」
アルフォスに炎の雨が降り注ぐ。駆ける足を止めることなく、アルフォスはゼトラに向かっていく。
キィンッ
何度目かの金属音が響く。お互いに飛び退いて間合いを開く。
「なかなかやるじゃないですか。でも、これならどうですかね!?」
ゼトラは神槍グングニルに自らの魔力を流し込み、アルフォスに向かって投げつけた。神槍グングニルは放たれた矢の如くアルフォスの左胸目掛けて飛来する。
アルフォスは横っ跳びにかわし、武器を失ったゼトラとの間合いを一気に詰めて聖剣と魔剣を華麗に閃かせる。
それらを紙一重でかわしたゼトラの口元に歪んだ笑みがこぼれる。
アルフォスは本能的に危険が身近に迫っていることを悟り、考えるよりも先にしゃがんだ。
ブンッ
直後に頭上を神槍グングニルが凪いでいく。しかし、その柄を握る者はだれもいない。
アルフォスは反射的に後方へ飛び退いた。直前までアルフォスの顔があった空間をゼトラの回し蹴りが通り過ぎていった。
神槍グングニルは何事もなかったかのようにゼトラの手に戻る。
(厄介な武器を持ち出してきたもんだ……)
◎
アルフォスはゼトラの持つ神槍グングニルの脅威を肌で感じていた。
「おいおいおい、どうなってんだよ! ありゃ反則じゃねぇか!?」
観戦中のウィナーが神槍グングニルを指差して文句をつけている。
「おやめなさい。みっともないですわよ!」
隣で窘めるセラの視線は冷たい。
「けどよぉ、槍が勝手に動くなんてあり得ねぇだろうが!?」
「あり得ないと言っても、現実に目の前で起きている現象ですわよ? もっとも、あの神槍グングニルに魔力を流し込むことで蓄えられ、それを使用することで遠隔操作をしている……といったところですわね」
セラが推理をしてみせる。
「おお! すげぇな、セラ嬢ちゃん!! 早速、アルフォスに……」
「おバカさんは黙ってなさいな。アルフォス様がこれくらいのことに気付かないと思ってますの?」
セラはため息まじりに言う。
「つうことは、アルフォスの旦那はそれを踏まえた上で戦うことになるわけか!」
納得したウィナーは観戦を続ける。その横ではセラが額に指先を当てて軽く横に振っている。
(ですが、どうかお気をつけくださいませね。アルフォス様……)
セラは心の中でアルフォスの身を案じている。
◎
「ククク……。もう、この神槍グングニルのからくりに気付いているようですね」
「まぁな」
アルフォスは簡潔に答える。
「ならば、ご自身がどれほど絶望的な状況にあるかもご理解しているのでは?」
「生憎と、リュカリオンには鍛えられているもんでね。この程度のことくらいどうにかできないと小バカにされそうだ」
「ふん! その強がりがいつまで続くか楽しみにしていますよ!」
ゼトラは再び神槍グングニルに魔力を流し込み始める。
アルフォスに炎の雨が降り注ぐ。駆ける足を止めることなく、アルフォスはゼトラに向かっていく。
キィンッ
何度目かの金属音が響く。お互いに飛び退いて間合いを開く。
「なかなかやるじゃないですか。でも、これならどうですかね!?」
ゼトラは神槍グングニルに自らの魔力を流し込み、アルフォスに向かって投げつけた。神槍グングニルは放たれた矢の如くアルフォスの左胸目掛けて飛来する。
アルフォスは横っ跳びにかわし、武器を失ったゼトラとの間合いを一気に詰めて聖剣と魔剣を華麗に閃かせる。
それらを紙一重でかわしたゼトラの口元に歪んだ笑みがこぼれる。
アルフォスは本能的に危険が身近に迫っていることを悟り、考えるよりも先にしゃがんだ。
ブンッ
直後に頭上を神槍グングニルが凪いでいく。しかし、その柄を握る者はだれもいない。
アルフォスは反射的に後方へ飛び退いた。直前までアルフォスの顔があった空間をゼトラの回し蹴りが通り過ぎていった。
神槍グングニルは何事もなかったかのようにゼトラの手に戻る。
(厄介な武器を持ち出してきたもんだ……)
◎
アルフォスはゼトラの持つ神槍グングニルの脅威を肌で感じていた。
「おいおいおい、どうなってんだよ! ありゃ反則じゃねぇか!?」
観戦中のウィナーが神槍グングニルを指差して文句をつけている。
「おやめなさい。みっともないですわよ!」
隣で窘めるセラの視線は冷たい。
「けどよぉ、槍が勝手に動くなんてあり得ねぇだろうが!?」
「あり得ないと言っても、現実に目の前で起きている現象ですわよ? もっとも、あの神槍グングニルに魔力を流し込むことで蓄えられ、それを使用することで遠隔操作をしている……といったところですわね」
セラが推理をしてみせる。
「おお! すげぇな、セラ嬢ちゃん!! 早速、アルフォスに……」
「おバカさんは黙ってなさいな。アルフォス様がこれくらいのことに気付かないと思ってますの?」
セラはため息まじりに言う。
「つうことは、アルフォスの旦那はそれを踏まえた上で戦うことになるわけか!」
納得したウィナーは観戦を続ける。その横ではセラが額に指先を当てて軽く横に振っている。
(ですが、どうかお気をつけくださいませね。アルフォス様……)
セラは心の中でアルフォスの身を案じている。
◎
「ククク……。もう、この神槍グングニルのからくりに気付いているようですね」
「まぁな」
アルフォスは簡潔に答える。
「ならば、ご自身がどれほど絶望的な状況にあるかもご理解しているのでは?」
「生憎と、リュカリオンには鍛えられているもんでね。この程度のことくらいどうにかできないと小バカにされそうだ」
「ふん! その強がりがいつまで続くか楽しみにしていますよ!」
ゼトラは再び神槍グングニルに魔力を流し込み始める。
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