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第1章 聖剣アヌスカリバー
目が離せない
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「ぐ……そんなばかな……」
魔王軍四天王の一人、魔眼のイルウはよろよろと立ち上がり後ずさった。
「言ったろう。勇者に同じ攻撃は二度通用しない、とな。一度魔眼を解除しちまったのがお前の運の尽きさ」
距離を取ろうとしているようだが、無駄だ。このイルウとかいう四天王、どうやら能力は『魔眼』だよりで戦闘能力は高くはないようだ。戦いについては素人の俺でも躱してカウンターを叩きこめるような攻撃だった。魔眼にさえ気を付ければ難しい相手じゃない。
「やるな、勇者よ。それほどの力を持っているとはな」
アスタロウも驚いているが、俺を聖剣だよりの一発屋と思ってもらっちゃあ困るぜ。
「そんな筈はない、何かの間違いだ! 今度こそ『魔眼』を受けてみろ!!」
同じことをして違う結果を得ようとするのは愚か者のする事だ。性懲りもなくイルウはまた間合いを取って『魔眼』での攻撃を試みる。
「見ろ、勇者!」
ただならぬ気配を感じる。馬鹿の一つ覚えのように魔眼での攻撃を仕掛けてくる。確かに普通に考えれば無敵の能力だろう。
金縛りだけではない、眼を逸らそうとしても俺の視線は吸い込まれるようにイルウの姿に引き寄せられていく。
おそらく今までは、この『魔眼』と『視線を引き寄せる能力』の二本柱でどんな敵も葬ってきたのだろう。俺だって例外じゃない。そう、俺は確かにイルウを「視て」いるんだ。
だが。
「喰らえぃ!!」
相変わらず工夫のない大きく振りかぶった攻撃。俺は難なくそれを躱して再び鳩尾に攻撃を叩きこんだ。
「ふ……ぅ……」
なんだか可哀そうになってきたな。何度チャレンジしようと同じだ。他の奴はどうか知らないが、俺にその攻撃は通用しない。
俺の視線は確かにイルウに引き寄せられている。それでも俺は奴の魔眼からは逃れ続けるんだ。
「そんな、バカな。私の魔眼が通用しないなんて……」
とうとう涙目になっちゃった。もうこれアレだな。弱い者いじめだな。俺の趣味じゃねーわ。
「勇者よ、さあ、とどめを!」
そう言いながらアスタロウがケツを向けてくる。汚いものを向けるな汚いものを。周りで見学してた衛兵達も囃し立ててくるが、こいつらホント気楽でいいな。
ほんの数日前まで日本で高校生やってた俺に命のやり取りをさせるなよ。まあカルアミルクは容赦なく吹っ飛ばしてやったけど。
こんな美少女を殺せだとか、こいつらは良心が痛まないのか。
俺はファイアーエムブレムやってるから知ってるんだ。イケメンと美少女に悪人はいないって。
「俺は思うんだが、殺し合いの果てに、平和な世界が本当にあるんだろうか?」
「いきなり何言いだすんじゃこいつ」
「黙ってろアスタロウ。そもそもお前この美少女を殺そうとか、まともな感性じゃないぞ」
まあケツの穴に聖剣入れてる時点でまともな感性じゃないけど。
「外見など関係ない。そいつは我らアストール王国の人間を多く殺している敵国の将じゃ。よほどの理由が無ければ見逃す道理などない」
ゆうてもそれはお互い様でしょ? 戦争してんだから仕方ないっちゃ仕方ないじゃん。明文化されてるかは知らないけど戦争にだってルールはあるだろう。美少女は殺しちゃいけないとか。
「思うんだけどさ、敵の中の、それも幹部でだよ? その幹部の中に美少女がいるわけじゃん? お前らはこれを不自然だとは思わないのか?」
その場にいる全員に問いかけるが、みんな「なんのことやら」という表情だ。チッ、これだから野蛮人は。話の分からない奴らだ。俺はイルウの方を指差しながら話を続ける。
「いや、美少女だよ? お前ら。これはさぁ……どう見ても、味方じゃない?」
「おぬしがさっきから何を言っとるのか分からんのじゃが? そいつは敵の幹部だと自分で言ったじゃろう」
どう言ったら分かってもらえるんだろうか。約束事の通じない未開の原住民どもめ。ケツの穴に聖剣入れちゃうような奴らと話し合いをしようというのがそもそも間違っているんだろうか。まるで子供と話をしてるみたいだ。わがまま言いやがって。
「だから! 敵軍幹部の中に美少女だぞ!? お前ら、これはどう考えても寝返るフラグだろうが!! プリキュアだってだいたいそういう流れだろう! キュアアムールなんて敵だったくせに寝返るどころかプリキュアになるんだぞ!!」
「だからお主が何を言っておるのか全然分からんぞ!!」
これだけ説明してもまだ分からんのか蛮族め。なんでそんなに殺したがるんだよ、美少女だぞ? リョナ好きかこいつら。俺にはこんな美少女を殺すだなんて……ん?
振り向いてもう一度イルウの方を見てみると……心なしかさっきよりも小さくなっているような。まあいいや。
「とにかく、俺にはそんな残酷なマネは出来ん。暴力は何も解決しない」
「カルナ=カルアには暴力ふるっとったじゃろうが! お主、女の子の前でいい顔したいだけじゃろう!!」
はぁ、やだやだ。なんですぐそういう童貞みたいな発想が出てくんのかね。俺はただ単に平和な世界を希求しているだけなのに。
ん? なんかさっきよりもさらにイルウが小さくなっているような気が……いや違う、これ小さくなってるんじゃないな、遠くなってんだ。
「フッ、敵に情けをかけたこと、いずれ後悔することになるぞ」
そう言い残すと四天王の一人、魔眼のイルウ=レッフーサは駆けて行った。あ~あ、アスタロウがいつまでも頑なな態度を取り続けるから逃げられちゃったじゃん。どうしてくれるんだよ。これでまたケツに剣の刺さったおっさんと二人旅だよ。まさかと思うけどコイツ俺と二人きりになるためにあんなこと言ったのか? 気持ちワル。
「ちっ、おぬしが童貞丸出しのキモムーブするから逃げられてしまったではないか」
はぁ!?
魔王軍四天王の一人、魔眼のイルウはよろよろと立ち上がり後ずさった。
「言ったろう。勇者に同じ攻撃は二度通用しない、とな。一度魔眼を解除しちまったのがお前の運の尽きさ」
距離を取ろうとしているようだが、無駄だ。このイルウとかいう四天王、どうやら能力は『魔眼』だよりで戦闘能力は高くはないようだ。戦いについては素人の俺でも躱してカウンターを叩きこめるような攻撃だった。魔眼にさえ気を付ければ難しい相手じゃない。
「やるな、勇者よ。それほどの力を持っているとはな」
アスタロウも驚いているが、俺を聖剣だよりの一発屋と思ってもらっちゃあ困るぜ。
「そんな筈はない、何かの間違いだ! 今度こそ『魔眼』を受けてみろ!!」
同じことをして違う結果を得ようとするのは愚か者のする事だ。性懲りもなくイルウはまた間合いを取って『魔眼』での攻撃を試みる。
「見ろ、勇者!」
ただならぬ気配を感じる。馬鹿の一つ覚えのように魔眼での攻撃を仕掛けてくる。確かに普通に考えれば無敵の能力だろう。
金縛りだけではない、眼を逸らそうとしても俺の視線は吸い込まれるようにイルウの姿に引き寄せられていく。
おそらく今までは、この『魔眼』と『視線を引き寄せる能力』の二本柱でどんな敵も葬ってきたのだろう。俺だって例外じゃない。そう、俺は確かにイルウを「視て」いるんだ。
だが。
「喰らえぃ!!」
相変わらず工夫のない大きく振りかぶった攻撃。俺は難なくそれを躱して再び鳩尾に攻撃を叩きこんだ。
「ふ……ぅ……」
なんだか可哀そうになってきたな。何度チャレンジしようと同じだ。他の奴はどうか知らないが、俺にその攻撃は通用しない。
俺の視線は確かにイルウに引き寄せられている。それでも俺は奴の魔眼からは逃れ続けるんだ。
「そんな、バカな。私の魔眼が通用しないなんて……」
とうとう涙目になっちゃった。もうこれアレだな。弱い者いじめだな。俺の趣味じゃねーわ。
「勇者よ、さあ、とどめを!」
そう言いながらアスタロウがケツを向けてくる。汚いものを向けるな汚いものを。周りで見学してた衛兵達も囃し立ててくるが、こいつらホント気楽でいいな。
ほんの数日前まで日本で高校生やってた俺に命のやり取りをさせるなよ。まあカルアミルクは容赦なく吹っ飛ばしてやったけど。
こんな美少女を殺せだとか、こいつらは良心が痛まないのか。
俺はファイアーエムブレムやってるから知ってるんだ。イケメンと美少女に悪人はいないって。
「俺は思うんだが、殺し合いの果てに、平和な世界が本当にあるんだろうか?」
「いきなり何言いだすんじゃこいつ」
「黙ってろアスタロウ。そもそもお前この美少女を殺そうとか、まともな感性じゃないぞ」
まあケツの穴に聖剣入れてる時点でまともな感性じゃないけど。
「外見など関係ない。そいつは我らアストール王国の人間を多く殺している敵国の将じゃ。よほどの理由が無ければ見逃す道理などない」
ゆうてもそれはお互い様でしょ? 戦争してんだから仕方ないっちゃ仕方ないじゃん。明文化されてるかは知らないけど戦争にだってルールはあるだろう。美少女は殺しちゃいけないとか。
「思うんだけどさ、敵の中の、それも幹部でだよ? その幹部の中に美少女がいるわけじゃん? お前らはこれを不自然だとは思わないのか?」
その場にいる全員に問いかけるが、みんな「なんのことやら」という表情だ。チッ、これだから野蛮人は。話の分からない奴らだ。俺はイルウの方を指差しながら話を続ける。
「いや、美少女だよ? お前ら。これはさぁ……どう見ても、味方じゃない?」
「おぬしがさっきから何を言っとるのか分からんのじゃが? そいつは敵の幹部だと自分で言ったじゃろう」
どう言ったら分かってもらえるんだろうか。約束事の通じない未開の原住民どもめ。ケツの穴に聖剣入れちゃうような奴らと話し合いをしようというのがそもそも間違っているんだろうか。まるで子供と話をしてるみたいだ。わがまま言いやがって。
「だから! 敵軍幹部の中に美少女だぞ!? お前ら、これはどう考えても寝返るフラグだろうが!! プリキュアだってだいたいそういう流れだろう! キュアアムールなんて敵だったくせに寝返るどころかプリキュアになるんだぞ!!」
「だからお主が何を言っておるのか全然分からんぞ!!」
これだけ説明してもまだ分からんのか蛮族め。なんでそんなに殺したがるんだよ、美少女だぞ? リョナ好きかこいつら。俺にはこんな美少女を殺すだなんて……ん?
振り向いてもう一度イルウの方を見てみると……心なしかさっきよりも小さくなっているような。まあいいや。
「とにかく、俺にはそんな残酷なマネは出来ん。暴力は何も解決しない」
「カルナ=カルアには暴力ふるっとったじゃろうが! お主、女の子の前でいい顔したいだけじゃろう!!」
はぁ、やだやだ。なんですぐそういう童貞みたいな発想が出てくんのかね。俺はただ単に平和な世界を希求しているだけなのに。
ん? なんかさっきよりもさらにイルウが小さくなっているような気が……いや違う、これ小さくなってるんじゃないな、遠くなってんだ。
「フッ、敵に情けをかけたこと、いずれ後悔することになるぞ」
そう言い残すと四天王の一人、魔眼のイルウ=レッフーサは駆けて行った。あ~あ、アスタロウがいつまでも頑なな態度を取り続けるから逃げられちゃったじゃん。どうしてくれるんだよ。これでまたケツに剣の刺さったおっさんと二人旅だよ。まさかと思うけどコイツ俺と二人きりになるためにあんなこと言ったのか? 気持ちワル。
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