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第2章 冒険者達
オスマントルコ
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まあ。
まあいいや。とりあえず分からない話は後回しにしよう。
イルウとブラックモアの言ってる『ネコ』とか『タチ』とかいうのが何のことかは分からないけど。その内このアルトーレの言葉にも慣れてくればいずれ分かることもあるだろう。今は棚上げだ。
「ああ、ケンジのオスマントルコに私のエクスカリバーをイングウェイして濃厚ミルクセーキを中ダルシムしてメスイキトコロテンさせたいなあ」
「応援してますヨ」
ああ分からない分からない。ノイズが強すぎて何言ってるか全然分からないわ。これアレかな? 訛りが強すぎて上手く翻訳されないのかな。
(勇者よ、お主早く逃げた方がいいぞい)
何を言ってるんだいアスタロウ。あんな可愛い女の子が俺に想いを寄せてるっていうのに何を逃げる必要があるっていうんだい?
「でも私のエクスカリバー、とってもデカルチャーだからケンジの鉄山靠が裂けちゃわないか心配だなあ」
「裂けたら回復ポーション使えば大丈夫ですヨ」
逃げる必要は全然ないけど、なんか体調が悪くなってきたから今日はちょっともう帰ろうかな?
「話変わるけどドッペルゲンガーの件って上手く進んでるの?」
!?
「ああ、急に仕事の話に戻しましたネ」
事情が変わった。やっぱりこいつら領主の豹変の件に一枚噛んでやがったな。体調がすぐれないけど今退くわけにはいかなくなった。
「正直言って、よく分からないンですよネ」
え? どういうことだよ。お前が分からないんじゃ誰も分からないじゃねえかよ。お前らが黒幕じゃないのか?
「まあ、ドッペルゲンガーの貸し出しの時に前金で依頼料を貰ってるから私の仕事としては成功ですけどネ。彼がどうするつもりなのかは分かりませんが」
彼? 彼って誰だ? そいつが黒幕なのか?
ドッペルゲンガーの貸し出し? そいつが今回の件の絵図を描いてるってわけか。何者かは分からんけど。
「あとは、彼を幽閉し続ければ依頼は達成。終わったも同然ですヨ」
幽閉? 幽閉と言ったか。っていう事はやっぱりドッペルゲンガーと入れ替わった領主をここで監禁してるんだな。話の全貌をあぶりだすのはとりあえず先送りして、領主を助け出すしかなさそうな気がするな。
それにしても、なんかじめじめするな。急に湿度が増したような。
周囲を確認するとぴちゃりと水音がした。何か妙だ。水たまりのようなものが出来ている。さっきまではこんなもの絶対になかったはずなのに。
(勇者よ、そろそろ戻るぞ。アンススが限界じゃ)
自分の身の回りを確認しているとアスタロウが声をかけてきた。限界ってどういうことだ? しかしアンススは息を荒くして辛そうにしている。
(すごい熱だ。大丈夫か、アンスス)
額に手を当ててみるとどうやら熱があるみたいだ。こいつ、体調が悪いのに黙っていたのか。っていうかこの水たまりまさかとは思うけど全部アンススの汗か!? 汗っかきだとは思ってたけど尋常じゃない量だぞ! 大丈夫なのかこれ!?
(話が複雑になってきたんで知恵熱を出してしまったみたいじゃ)
子供かこいつは。
(うう……分からない。結局誰が悪い奴なの……誰をやっつければいいの)
(アンスス、いったん戻って情報を整理しよう。考えるのは俺達がやるから安心しろ)
やっぱりこいつといると介護する羽目になるんだな。足引っ張りやがって。先が思いやられる。
「ぎゅるうるるぅ~」
「!? 誰です!?」
しまった。
「どしたの? ブラックモア?」
「なんかお腹がなったような音が鳴りませんでしたカ?」
しまった。俺だけ何も食べてなかったからお腹が鳴ってしまった。クッキーおいしそうだったし。
(足を引っ張りおって)
そう睨むなアスタロウ、面目ない。とはいえどうしよう。よりにもよってこんな身動きの取れないところで見つかってしまうとは、絶体絶命の危機だ。これだってもとはと言えば、アスタロウがあんなところに保存食を入れなければ俺もこんなに腹を空かせることはなかったんだよ? お前が全部悪いよ。
「ニ……」
なるべく音を立てず、ゆっくりと元来た場所から通気口を抜けて戻ろうと思ったところ、苦しげな表情のままアンススが口を開いた。
いったい何をする気だ? しかし思い返してみれば俺はアンススがハリネズミ級の凄腕冒険者だという事は知ってはいるものの、しかし彼女がどんな能力を持っているのかは知らない。
そう、彼女の職業が何なのかも知らないんだ。
少し考えてみれば分かる事だ。彼女の口ぶりからどうやらアンススはずっとソロで冒険者を続けてるらしい。あのアホっぷりで、一人で冒険を続けて実績を出し続けるという事がただ身体能力が高いとか五感がすぐれてるだけで達成できることだろうか。
答えはノーだ。その答えが今出るんだろう。一人でも何でもできるという事は、きっと彼女は『魔法』も使える筈なんだ。
この場を脱出するため、もしくは敵に先制攻撃を仕掛けるためか、そのどちらかのために口を開き、呪文を唱えようとしているのだろう。
「ニャァ~~~~」
え?
おいおいおい嘘だろ?
「ニャアァァ……」
こんな時に冗談はやめてくれアンスス。ネコの鳴き真似? コントじゃねえんだからそんなんで窮地を脱することなんかできるわけねえだろうが。マジかこいつ。
「なんだネコですカ……」
嘘だろおい。
バカしかいねえのかこのダンジョンは。
まあいいや。とりあえず分からない話は後回しにしよう。
イルウとブラックモアの言ってる『ネコ』とか『タチ』とかいうのが何のことかは分からないけど。その内このアルトーレの言葉にも慣れてくればいずれ分かることもあるだろう。今は棚上げだ。
「ああ、ケンジのオスマントルコに私のエクスカリバーをイングウェイして濃厚ミルクセーキを中ダルシムしてメスイキトコロテンさせたいなあ」
「応援してますヨ」
ああ分からない分からない。ノイズが強すぎて何言ってるか全然分からないわ。これアレかな? 訛りが強すぎて上手く翻訳されないのかな。
(勇者よ、お主早く逃げた方がいいぞい)
何を言ってるんだいアスタロウ。あんな可愛い女の子が俺に想いを寄せてるっていうのに何を逃げる必要があるっていうんだい?
「でも私のエクスカリバー、とってもデカルチャーだからケンジの鉄山靠が裂けちゃわないか心配だなあ」
「裂けたら回復ポーション使えば大丈夫ですヨ」
逃げる必要は全然ないけど、なんか体調が悪くなってきたから今日はちょっともう帰ろうかな?
「話変わるけどドッペルゲンガーの件って上手く進んでるの?」
!?
「ああ、急に仕事の話に戻しましたネ」
事情が変わった。やっぱりこいつら領主の豹変の件に一枚噛んでやがったな。体調がすぐれないけど今退くわけにはいかなくなった。
「正直言って、よく分からないンですよネ」
え? どういうことだよ。お前が分からないんじゃ誰も分からないじゃねえかよ。お前らが黒幕じゃないのか?
「まあ、ドッペルゲンガーの貸し出しの時に前金で依頼料を貰ってるから私の仕事としては成功ですけどネ。彼がどうするつもりなのかは分かりませんが」
彼? 彼って誰だ? そいつが黒幕なのか?
ドッペルゲンガーの貸し出し? そいつが今回の件の絵図を描いてるってわけか。何者かは分からんけど。
「あとは、彼を幽閉し続ければ依頼は達成。終わったも同然ですヨ」
幽閉? 幽閉と言ったか。っていう事はやっぱりドッペルゲンガーと入れ替わった領主をここで監禁してるんだな。話の全貌をあぶりだすのはとりあえず先送りして、領主を助け出すしかなさそうな気がするな。
それにしても、なんかじめじめするな。急に湿度が増したような。
周囲を確認するとぴちゃりと水音がした。何か妙だ。水たまりのようなものが出来ている。さっきまではこんなもの絶対になかったはずなのに。
(勇者よ、そろそろ戻るぞ。アンススが限界じゃ)
自分の身の回りを確認しているとアスタロウが声をかけてきた。限界ってどういうことだ? しかしアンススは息を荒くして辛そうにしている。
(すごい熱だ。大丈夫か、アンスス)
額に手を当ててみるとどうやら熱があるみたいだ。こいつ、体調が悪いのに黙っていたのか。っていうかこの水たまりまさかとは思うけど全部アンススの汗か!? 汗っかきだとは思ってたけど尋常じゃない量だぞ! 大丈夫なのかこれ!?
(話が複雑になってきたんで知恵熱を出してしまったみたいじゃ)
子供かこいつは。
(うう……分からない。結局誰が悪い奴なの……誰をやっつければいいの)
(アンスス、いったん戻って情報を整理しよう。考えるのは俺達がやるから安心しろ)
やっぱりこいつといると介護する羽目になるんだな。足引っ張りやがって。先が思いやられる。
「ぎゅるうるるぅ~」
「!? 誰です!?」
しまった。
「どしたの? ブラックモア?」
「なんかお腹がなったような音が鳴りませんでしたカ?」
しまった。俺だけ何も食べてなかったからお腹が鳴ってしまった。クッキーおいしそうだったし。
(足を引っ張りおって)
そう睨むなアスタロウ、面目ない。とはいえどうしよう。よりにもよってこんな身動きの取れないところで見つかってしまうとは、絶体絶命の危機だ。これだってもとはと言えば、アスタロウがあんなところに保存食を入れなければ俺もこんなに腹を空かせることはなかったんだよ? お前が全部悪いよ。
「ニ……」
なるべく音を立てず、ゆっくりと元来た場所から通気口を抜けて戻ろうと思ったところ、苦しげな表情のままアンススが口を開いた。
いったい何をする気だ? しかし思い返してみれば俺はアンススがハリネズミ級の凄腕冒険者だという事は知ってはいるものの、しかし彼女がどんな能力を持っているのかは知らない。
そう、彼女の職業が何なのかも知らないんだ。
少し考えてみれば分かる事だ。彼女の口ぶりからどうやらアンススはずっとソロで冒険者を続けてるらしい。あのアホっぷりで、一人で冒険を続けて実績を出し続けるという事がただ身体能力が高いとか五感がすぐれてるだけで達成できることだろうか。
答えはノーだ。その答えが今出るんだろう。一人でも何でもできるという事は、きっと彼女は『魔法』も使える筈なんだ。
この場を脱出するため、もしくは敵に先制攻撃を仕掛けるためか、そのどちらかのために口を開き、呪文を唱えようとしているのだろう。
「ニャァ~~~~」
え?
おいおいおい嘘だろ?
「ニャアァァ……」
こんな時に冗談はやめてくれアンスス。ネコの鳴き真似? コントじゃねえんだからそんなんで窮地を脱することなんかできるわけねえだろうが。マジかこいつ。
「なんだネコですカ……」
嘘だろおい。
バカしかいねえのかこのダンジョンは。
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