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第6章 スターウォーズ
エイメの人探し
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「で? なんでお前はここにいるの」
俺は宿屋の食堂で向かいの席に座っている少女にそう話しかけた。
そばかすに三つ編み、たいそう控えめな胸を包んでいるのはディルアンドルの様な民族衣装。まあ、言ってしまえば普段着だ。このどこからどう見ても普通の村娘にしか見えない少女は、実際ただの村娘で、名をエイメという。
まあ村長の娘なので「ただの村娘」というのは少し語弊があるかもしれない。
「なんでって……」
結局悪魔の商館には成功したもののそれを上手く運用できなかったカルアミルクをフッ飛ばした後、俺はアスタロウを救助してから村に戻ってきた。
数日前の宿屋に全員が揃った件、メルポーザ以外はそれぞれ何か用事があってたまたまいただけらしいんだが、こいつだけが何故ここにいたのかが分からない。あれから四日もたつのにまだいるし。
「師匠を探しに来たんスよ」
「俺を?」
面倒なことになったな。
俺はこいつと邪竜メルポーザの縁談(?)をぶち壊した経緯があり……いや、あんなのぶち壊して当然だろう。っていうかこいつメルポーザに嫌われてるし……まあそれはいいんだが、そんな理由から「責任をとれ」と前に言われてたのを夜逃げした経緯がある。
「いや、そっちの師匠じゃないス」
そっちの師匠? 俺はいったい何の師匠なんだっけ?
「性癖の師匠じゃなくて、ワタシの技の師匠を探しに来たんス」
俺性癖の師匠なの?
まあそれはどうでもいいんだけど、技? お前の技って、あの……
「勃気の師匠ッス」
他の人もいるんだから大きい声でそういうこと言うのやめてくれないかな。
こいつは俺の事を「師匠」と呼んでいるが、実はその能力についてはこいつの方が「師匠」だったりする。
周囲の「勃気」を検知する能力……それをこの女は俺に無理やり植え付けやがった。
この能力が本当に曲者で、普通に敵の気配を感知することはできない。相手が勃〇していないと検出ができない。勃〇状態で近づいてくる敵って……もうその時点で恐怖しかねえよ。
しかもそれだけじゃなく、一度この技を会得してしまったら、基本的に能力の解除ができない。どんな時でも、勃〇を感じ続ける。目をつぶっていてもぼんやりと光って見える。
朝とか大変だ。寝ている状態でも周囲の人間の朝勃ちに反応して強い光で目が覚める。
勃〇の光と共に目覚める毎日。
本当にどうにかしてほしい、この能力。
と、思っていたんだが、この技の師匠を探してるって? これはもしかしたらこの能力の解除方法を知るチャンスなんじゃないだろうか。
「それでですね、この辺に住んでるはずなんスけど、最近手紙を出しても返事が来ないし、何かあったんじゃないかと思って直接会いに来たんスけど、どうやら住処が変わってるみたいで見つからなくって、困ってたんスよ」
「しょうがないなあ、俺も一緒に探してやろう」
「マジスか!? 師匠大好き!!」
「お、おい勇者!」
エイメは喜んで座ってる俺に抱き着いてきた。こいつ変態だけど顔は可愛いからな。嫌な気はしない。
しかしどうやらアスタロウの方は納得いかないようだ。
「んだよ」
「ただの人探しじゃろう? さすがにそんなことに付き合って時間を無為に潰すのは認められんぞ」
この野郎さんざん人の事便利に使っておいて俺が何か提案したらすぐこれだよ、自分勝手にもほどがあるだろうが。
「あのさあ。こっちゃつい昨日、魔王軍の四天王を二人倒してんのよ?」
そう、俺はしっかり成果を出しているのだ。すでに一度倒している四天王であるが、つい先日、四天王のイルウとカルアミルクを砦で倒してるんだ。
成果報酬があってもいいくらいの途中経過だろう。言葉ではなく結果で語る男、コバヤシケンジだ。
翻って見てお前の方はどうだ。さんざん寄り道させて、勇者をいいように利用して。ちょっと逆らったら恫喝か。ひでえもんだ。人間の方が魔族よりも悪辣だぜ。
「そもそもさ? 今更だけど魔王を討伐して俺になんかいいことあるのか? 俺は無償で奉仕しなきゃいけないのか? 酷い目に合ってるっていうのに」
アナルから剣を抜かされたり……あとほかには、アナルから剣を抜かされたり。
『ケンジさんその言い方は卑怯ですよ』
ふん、久しぶりに女神が出てきたか。お前喋り方が聖剣と被ってんだよ。
『そもそもケンジさんは日本で死んでここへ送られてきたんだから、生きられるだけで十分でしょう。あなたの命は無くなったんです。新しい命をどう使おうと私の勝手ってわけです』
GANTZみたいなこと言いだしたぞこのアマ。あ~あ~、そっちがそういう気で来るならもういいや。魔王なんか絶対倒してやらねえ。
「ま、待て。確かに報酬の事を話さなかったのは悪かった。魔王を倒せたならば、何でも望む物をやろう。儂はもう国王でないから確約は出来んが、約束は守る」
なんだよアスタロウの方が話が分かるじゃん。とはいえなあ……欲しいものか。
「望むなら、イリユースと結婚して国の王となるのもよい。どうやらイリユースもお主の事を憎からず思っておるようだったしのう」
「そんな素振りあった?」
「あれほど楽しそうにチュートリアルをする女の子を、おぬしは見たことがあるか」
チュートリアルをする女の子自体見たことねえよ。
「まあでもそれはそれとして、国はいらねえよ。明らかに面倒な仕事が増えるだけで、いいことなんもねえだろ」
「じゃあ何が欲しいんじゃ? ハーレムとかか?」
ハーレムなあ……正直俺ダーウィンが来たとかよく見てたからハーレムにいいイメージが全くないんだよな。あんなもんを獲得して維持するためにアルファオスがどれだけ酷い目にあってるか。
それに、この世界の女、なぁ……正直碌な奴いないじゃん。もうちょっとまともな奴いねえのかよ。目の前にいるエイメを筆頭に。
「まあ、報酬については考えとくわ」
とりあえずそれは先送りだ。
正直言ってここで「じゃあ他の奴に頼むから魔王倒さなくていいよ」とか言われると俺も困るんだよな。他に飯を食う方法を知らんし。
『アレだけ啖呵切っておいて結局それですか』
うるさい女神。これは交渉術というものだ。
「で、一緒にその『師匠』ってのを探しに行けばいいんだな? エイメ」
「いやあ、さすが。助かるッス、師匠」
なんだか紛らわしいな。まあいいか。
「師匠は近くの森に一人で住んでるはずッス」
「森の中に一人で? また変わり者じゃないだろうな」
「変わり者、というか、まあ師匠は人間じゃないッスからね」
なに? 人間じゃないのか?
「師匠は、エルフっス」
エルフだと。
俺は宿屋の食堂で向かいの席に座っている少女にそう話しかけた。
そばかすに三つ編み、たいそう控えめな胸を包んでいるのはディルアンドルの様な民族衣装。まあ、言ってしまえば普段着だ。このどこからどう見ても普通の村娘にしか見えない少女は、実際ただの村娘で、名をエイメという。
まあ村長の娘なので「ただの村娘」というのは少し語弊があるかもしれない。
「なんでって……」
結局悪魔の商館には成功したもののそれを上手く運用できなかったカルアミルクをフッ飛ばした後、俺はアスタロウを救助してから村に戻ってきた。
数日前の宿屋に全員が揃った件、メルポーザ以外はそれぞれ何か用事があってたまたまいただけらしいんだが、こいつだけが何故ここにいたのかが分からない。あれから四日もたつのにまだいるし。
「師匠を探しに来たんスよ」
「俺を?」
面倒なことになったな。
俺はこいつと邪竜メルポーザの縁談(?)をぶち壊した経緯があり……いや、あんなのぶち壊して当然だろう。っていうかこいつメルポーザに嫌われてるし……まあそれはいいんだが、そんな理由から「責任をとれ」と前に言われてたのを夜逃げした経緯がある。
「いや、そっちの師匠じゃないス」
そっちの師匠? 俺はいったい何の師匠なんだっけ?
「性癖の師匠じゃなくて、ワタシの技の師匠を探しに来たんス」
俺性癖の師匠なの?
まあそれはどうでもいいんだけど、技? お前の技って、あの……
「勃気の師匠ッス」
他の人もいるんだから大きい声でそういうこと言うのやめてくれないかな。
こいつは俺の事を「師匠」と呼んでいるが、実はその能力についてはこいつの方が「師匠」だったりする。
周囲の「勃気」を検知する能力……それをこの女は俺に無理やり植え付けやがった。
この能力が本当に曲者で、普通に敵の気配を感知することはできない。相手が勃〇していないと検出ができない。勃〇状態で近づいてくる敵って……もうその時点で恐怖しかねえよ。
しかもそれだけじゃなく、一度この技を会得してしまったら、基本的に能力の解除ができない。どんな時でも、勃〇を感じ続ける。目をつぶっていてもぼんやりと光って見える。
朝とか大変だ。寝ている状態でも周囲の人間の朝勃ちに反応して強い光で目が覚める。
勃〇の光と共に目覚める毎日。
本当にどうにかしてほしい、この能力。
と、思っていたんだが、この技の師匠を探してるって? これはもしかしたらこの能力の解除方法を知るチャンスなんじゃないだろうか。
「それでですね、この辺に住んでるはずなんスけど、最近手紙を出しても返事が来ないし、何かあったんじゃないかと思って直接会いに来たんスけど、どうやら住処が変わってるみたいで見つからなくって、困ってたんスよ」
「しょうがないなあ、俺も一緒に探してやろう」
「マジスか!? 師匠大好き!!」
「お、おい勇者!」
エイメは喜んで座ってる俺に抱き着いてきた。こいつ変態だけど顔は可愛いからな。嫌な気はしない。
しかしどうやらアスタロウの方は納得いかないようだ。
「んだよ」
「ただの人探しじゃろう? さすがにそんなことに付き合って時間を無為に潰すのは認められんぞ」
この野郎さんざん人の事便利に使っておいて俺が何か提案したらすぐこれだよ、自分勝手にもほどがあるだろうが。
「あのさあ。こっちゃつい昨日、魔王軍の四天王を二人倒してんのよ?」
そう、俺はしっかり成果を出しているのだ。すでに一度倒している四天王であるが、つい先日、四天王のイルウとカルアミルクを砦で倒してるんだ。
成果報酬があってもいいくらいの途中経過だろう。言葉ではなく結果で語る男、コバヤシケンジだ。
翻って見てお前の方はどうだ。さんざん寄り道させて、勇者をいいように利用して。ちょっと逆らったら恫喝か。ひでえもんだ。人間の方が魔族よりも悪辣だぜ。
「そもそもさ? 今更だけど魔王を討伐して俺になんかいいことあるのか? 俺は無償で奉仕しなきゃいけないのか? 酷い目に合ってるっていうのに」
アナルから剣を抜かされたり……あとほかには、アナルから剣を抜かされたり。
『ケンジさんその言い方は卑怯ですよ』
ふん、久しぶりに女神が出てきたか。お前喋り方が聖剣と被ってんだよ。
『そもそもケンジさんは日本で死んでここへ送られてきたんだから、生きられるだけで十分でしょう。あなたの命は無くなったんです。新しい命をどう使おうと私の勝手ってわけです』
GANTZみたいなこと言いだしたぞこのアマ。あ~あ~、そっちがそういう気で来るならもういいや。魔王なんか絶対倒してやらねえ。
「ま、待て。確かに報酬の事を話さなかったのは悪かった。魔王を倒せたならば、何でも望む物をやろう。儂はもう国王でないから確約は出来んが、約束は守る」
なんだよアスタロウの方が話が分かるじゃん。とはいえなあ……欲しいものか。
「望むなら、イリユースと結婚して国の王となるのもよい。どうやらイリユースもお主の事を憎からず思っておるようだったしのう」
「そんな素振りあった?」
「あれほど楽しそうにチュートリアルをする女の子を、おぬしは見たことがあるか」
チュートリアルをする女の子自体見たことねえよ。
「まあでもそれはそれとして、国はいらねえよ。明らかに面倒な仕事が増えるだけで、いいことなんもねえだろ」
「じゃあ何が欲しいんじゃ? ハーレムとかか?」
ハーレムなあ……正直俺ダーウィンが来たとかよく見てたからハーレムにいいイメージが全くないんだよな。あんなもんを獲得して維持するためにアルファオスがどれだけ酷い目にあってるか。
それに、この世界の女、なぁ……正直碌な奴いないじゃん。もうちょっとまともな奴いねえのかよ。目の前にいるエイメを筆頭に。
「まあ、報酬については考えとくわ」
とりあえずそれは先送りだ。
正直言ってここで「じゃあ他の奴に頼むから魔王倒さなくていいよ」とか言われると俺も困るんだよな。他に飯を食う方法を知らんし。
『アレだけ啖呵切っておいて結局それですか』
うるさい女神。これは交渉術というものだ。
「で、一緒にその『師匠』ってのを探しに行けばいいんだな? エイメ」
「いやあ、さすが。助かるッス、師匠」
なんだか紛らわしいな。まあいいか。
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