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始まりの春
決意
しおりを挟む―― 俺 柊 湊は小学生五年生の時、一年生の時からずっとに好きだった女子に告白をしたが振られててしまいそのショックで引きこもりになってしまった。
もうじき中学を卒業してしまう、親には高校からはしっかり学校に行くと言っているが本当は通信に通うつもりだ。
今日もいつも通りネットの友達の、つかにゃんさんとSNSで大して意味もない話をしていた、するとなんでかわからないがギャルゲーの話になっていた。
俺は引きこもりだが恋愛ゲームの類いはトラウマを思いだしそうで遠ざけている節があった、そんな俺につかにゃんは「柊さんはギャルゲーしたことあります?」と聞いてきた。
俺は「すいません!やったことないです」とつかにゃんに答えた。
なぜかすぐに返信が帰ってこなくて少し時間がたって返信がきた。
「ごめんなさいお待たせしました」
「何をしてたんですか?突然返信が帰ってこなくなるから何かあったんじゃないかと心配しましたよ」
「いやー柊さんに僕のイチオシのギャルゲーを教えようと思ってなにするか考えてたら返信するの忘れてました(笑)」
「そうだったんですか(笑)でイチオシは決まりましたか?」
俺はたいしてやる気もないのにイチオシを聞いた
「フフフ僕がオススメするのはこれなのです!」
画面にリンクが貼られた
「通販サイトに繋がっているのです!リンク先に僕のイチオシのギャルゲーがてでくるので気が向いたらやるといいのです!」
「う、うんわかったよ……」
俺はリンクを押して通販サイトのつかにゃんイチオシのギャルゲーの説明文を読んだ。
俺はこんなの現実であるわけないじゃん……と思ってしまったがなぜか購入の手続きをしてしまった。
「面白そうだから購入したよ配達されて来たら早速やってみるよ!」
「ヨッシャなのです!やるならフルコンプしてくださいね!」
「よくわかんないけどわかったよ」
「では僕はこれから用事あるので落ちます!さらば!」
つかにゃんが落ちた
「ハァーどうしよっかな、なんか勢い買っちゃたけど……俺に女の子が攻略できるかな……」
俺は少し昔を思いだし憂鬱な気分になった
――ギャルゲーの配達日
今日はギャルゲー配達日だ、自分の事ながらなぜかわからないがギャルゲーをやる気は充分らしい。
今日は母さんが友達と遊びにいってて代わりに受けとる人がいないから配達員の人が来るのを部屋でじっと待ち、家のチャイムがなると同時に部屋を出てダッシュで玄関に向かった。
「フゥー……よし!」
俺は玄関の扉を開いた
「こちらは柊様のお宅でよろしいでしょうか?」
「は、はいはいそうです!」
俺はあまり家族以外話ないから声が上ずってしまっていた。
「では代金と引換になっておりますので」
「はい!代金です!」
俺は少しくいぎみに答えた
配達員の人はお金を受け取り確認して「ここにサインをしてくれるかな?」と言ってきたので速攻でサインをしてギャルゲーが入ってる箱をぶんどった。
すると配達員はイラッとした顔を一瞬したがすぐにニコッと笑って「ありがとうございました」と帰っていった。
配達員が帰っていったの見届ける必要もないのに見届けると俺はまたまたダッシュで玄関の鍵を閉めて自分の部屋に急いで戻った。
「ハァー緊張した!」そう言ってベッドにジャンプした
そして俺はギャルゲーの入ってる箱を強引に破きギャルゲーを取り出したそれをゲーム機に入れ早速プレイして見た。
――ギャルゲーをやりはじめた俺はあまりの楽しさに三日間ぶっとうしでやって全てキャラを攻略してしまった。
俺はゲームの画面を見つめながら「ギャルゲーみたいな恋がしたい……」そう俺はぽつりとつぶやいた。
その時カチャっと玄関の鍵を開ける音がした、この時間はいつも母親が帰ってくる時間だ。
母親が「ただいま」と家に入ってくる、俺は玄関に走った
「母さん」
「どうしたの? 珍しい出迎えるなんて」
「母さん……俺高校から学校に行くよ」
「なにいってんの?あんた……当たり前じゃない!」
「う、うんそうだよね……」
そして俺は引きこもりやめて真面目に学校に行く決意をした(高校から)
――そして合格発表日
頭はそれなりに頭はよかったからたいして勉強していなかったが見事普通の公立の高校に受かった。
「よし!……受かっちまった、どうしよう……」
一応おめでたい事なのに俺は内心不安な気持ちでとぼとぼ家に帰っていった
「ただいま」
母親が玄関で待ち構えていた
「おかえり」
「ただいま」
「どうだったの?受かったの?」
「うん、一応受かったよ」
「受かったならもっと喜びなさいよ!」
俺は苦笑いをしながら言った
「いや……またあの地獄のような日々が始まるかと思うと……」
すると母親は鬼のような顔して。
「なにいってんの!高校まで行かなくなったら家追い出すからね!」
「え! そんな! 」
母親が無言で睨んでくる
俺は母親からの衝撃的な追い討ちにますます不安な気持ちになった。
「が、頑張るよ……今日疲れたし部屋にこもるよ」そう言って俺は部屋に帰っていった。
――今日は入学式だ、久しぶりの学校に行くというのに外はどしゃ降りの雨だ、新品の制服を着て傘をさして俺は通学路を歩いていた。
するとどしゃ降り雨だというのに傘もささずに制服を着た女の子が歩いていた。
どうしたんだろ?
そう思った俺だがなんか気味が悪かったから少し駆け足で学校へ向かおうとした、がその時俺はギャルゲーような恋がしたいと思った事を思い出した。
俺はギャルゲーのような恋をするんだ!……不安な気持ちに押し潰されそうですっかり忘れていた……
俺はずぶ濡れの女の子に近寄り傘をさしてやった。
その女の子は冷たい声で言った。
「なにするんですか?」
予想外の言葉に思わず俺は動揺した
「いや、あの……傘忘れたんですか?」
「いいえ……ただいらないかなと思って」
変な子だな……
「そう、なんですか……」
「この雨だし傘はいると思います」そう言って俺は傘を差し出した。
「……いりません」
その子は傘を受けとってくれなかった
「……そうですか」
だか俺はその子に傘をさしたまま学校まで歩くことにした。
「……」
その子はチラッと俺を見たが何も言わなかった。
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