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揃う
出逢う
しおりを挟む「はて、太公望師叔は何処にいらっしゃるのやら……。仕方が無いですね、彼処に居る方に聞くとしましょうか? 」
そう言って巨大な犬に座る彼は遠くに幹を見せる大樹を見やった。
犬の頭が世界樹の大樹を見やって進路を変えた時、その背後から呼び止める声がした気がした。
『貴方は誰だ? 何をしに此処に来た? 』
気のせいでは無いハッキリとした声音で話し掛けられた青年は、背後を仰ぎ見た。
空中で有るにもかかわらず、留まる赤い髪の少年が目前に立っている。
そして青年は赤毛の少年を認め、眉をひそめた。
其処にある違和感に気付く。
それが、青年が眉をひそめた理由。
それは少年の向こう側が、透けて見えていたせいだった。
「ふむ。これはわざわざお出迎えありがとう。手間が省けました」
悪びれる素振りも無く言ってのける青年は、唇を笑みの形に釣り上げた。
けれど、その目は笑っていない。
「私も君に聞きたい事が有ります」
質問に対し質問で返される言葉に、赤髪の少年も眉をひそめた。
『質問をしているのは僕の方なんですけどね。本当、面倒な人だ…… 』
最後の一言は、聞こえぬようにモノを言う。
『まぁ、良い。僕の名はアイセンレイト=セイ=ルリコウ。この世界を守護する一族のひとりだ。あんたは何しに此処に来た? 』
最初に聞かれた事と同じ言葉を繰り返すアイセンレイト。
そんな彼に犬に乗った青年は、ふっと口元を綻ばせたのだった。
「アイセンレイトと言うのですか……。私はてっきり哪吒かと思いましたよ。君は彼にそっくりだ」
『他人の空似だよ』
顔色一つ変えずに否定するアイセンレイトに、青年は小さく息を吐くと呆れた表情でアイセンレイトに言った。
「君が誰かなどとは、今となっては詮無き事。私が知りたいのは、太公望道士と女禍の居所です…… 」
そう言ってのける青年に、アイセンレイトは苦い笑みを見せた。
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