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揃う
話し合い③~残された者達編~
しおりを挟む「アイセンレイトは大丈夫かのぅ、相手は楊戬だからのう…… 」
太公望は空を駆けて去って行ったアイセンレイトの行く先を見詰めて呟いた。
が、しかしその肉体はアイセンレイトのもので、今は言葉を発生させる器官でさえ彼のものを使用している為、声音は彼そのものだ。
身体はレイト、中身は太公望、紛らわしい事甚だしい。
「何か、すっんごく紛らわしいね。放つオーラが違うからにいにいじゃないのは解るんだけど…… 」
と、訝しんで言うフィリーに、ラスティエルはクスリと笑う。
「当たり前ですが、話し方も雰囲気も違いますからね。それにレイト様は神気が他の方々と違いますもの」
「うんうん~っ! にいにいのは父様と同じだもんね~。普段は隠しているから解んないけど」
そうフィリーとラスティエルは『ね~』と同意しあうと微笑みあった。
「えっと、お父様と言うとやはりあの御仁かのぅ…… 」
「? あの御仁? 」
太公望の言葉にラスティエルは不思議そうに同うと、フィリーは訳知り顔でうんうんと頷いた。
どや顔で(何故どや顔? )。
「太公望ちゃんの見解で合ってると思うよ。神様と言うからには、この世界に足を踏み入れた途端に大きな流れに気が付く筈だもん。勿論、父様も気が付いてるし、先も見据えているよ。父様は総てを解っていてにいにいに任せてるんだよ」
お馬鹿なのかと思いきや、結構マトモな事を言うフィリー。
意外な人の意外な言葉にぎょっとしたのは、この面々の中で唯一、白虎のルナティだけだった。
フィリーの父、瑠璃光 櫂こと薬師如来はこの世界の『捕らわれの神』と言われていて、この世界を造りし創造神より上位の神だ。
崩壊の一途を辿るこの世界は、捕らわれの神である彼とその息子の尽力によりかろうじて成り立っている。
そんな代表者と言える薬師如来の元を、しがない旅行者とも言える太公望が合っていない訳が無かった。
いくら神に近しい道教の道士でも、太公望は神では無い。
押さえ込んでいてもダダ漏れする薬師の神力に抗えられる訳でも無く早々とこの世界に来た目的を話し、協力を仰いでいた。
その返事が、「この世界樹の根の先に有る森に住む息子に会え」だった。
だから太公望は此処に来たのだ。
まさか、探していた妻に会えるとは思っていなかったのだが。
そう思考する太公望は、ラスティエルの中の女禍を熱のこもった目で見つめた(いやはや、アイセンレイトの姿で逸れをやるのは罪だと思うよ)。
勿論、それに気付いた女禍が、頬を赤らめつつ、『ばっ、馬鹿者っ!』と照れていたのは言うまでもない。
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