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貴方の暗闇
しおりを挟むカーテンの隙間から、日の光が差し込んで、結芽は目が覚めた。
真紘の部屋で、何度も気を失った。
宣言通り、明け方まで蹂躙されて、気が付けば、自分の部屋で寝かされている。
きっと、彼が正気に返る前に、結芽を綺麗にし、衣服を整えて彼女の部屋に寝かせたのだろう。
結芽は、溜め息を付いて、物思いに耽った。
──── お姉ちゃんが死んでから、真紘さんは変わった。
真紘さんは、本当にお姉ちゃんを愛していたのかしら?
もし、そうだとしても、お姉ちゃんの気持ちは違っていた。
お姉ちゃんの心は真紘さんには無くて。
真紘さん意外に好きな人が居て、でもお姉ちゃんには真紘さんが居て、お姉ちゃんの好きな人にも奥様とお子さんが居た……。
2人は覚悟の上の自殺だった。
真っ暗闇の崖に、車ごと崖下へと落ちた。
車は、大破して炎上。
焼け跡からは、お姉ちゃんの遺体。
車から離れた場所には、相手の方の遺体が見つかった。
離れないよう、ネットで購入したらしい手錠を嵌めていたらしいのに、手錠が嵌まっていたのはお姉ちゃんの遺体にだけ………… 。
警察は、私達にそう告げて、真紘さんだけが、お姉ちゃんの遺体と対面した。
彼は、その時の事を未だ語ろうとはしない…………。
それからだった。
それまでも可笑しな所があった真紘だが、拍車が掛
かった。
拒食を繰り返したのだ。
眠りも浅い。
「真紘さんっ!! お願いよ!! お願いだから、食べて、眠って!! 」
真紘さんが、壊れる。
壊れちゃう!
結芽は、今にも壊れそうな、精神が危うくなった真紘にすがりつく。
それはもう、必死で。
私は…………。
良いわ。
どうなっても、良いの。
だから…………。
私の嘘に、騙されて下さい。
お姉ちゃんに瓜二つな私が出来る事は……。
お姉ちゃんのふりをする事。
愚かな事は、百も承知。
「真紘。好きよ。愛してるわ……。何時ものように私を抱いて………… 」
結芽は健気に亜依のふりをする。
「要らない………亜依……お前なんか……… 」
「真紘 ………… ? 」
意外な…… 。
いや、そうでも無いのか。
亜依は真紘を裏切っているのだから。
「結芽…………、抱くならお前が良い………… 」
「真紘さん………… 」
真紘が譫言のように呟く。
結芽は嬉しかった。
天にも昇る喜びとは、こう言うことを言うのかと。
心が歓喜の声を挙げる。
「妹のお前を抱きたいだなんて可笑しいよな」
自嘲を含んだ真紘の嗤う声。
結芽は可笑しい等と思え無い。
真紘のように嗤えない。
抱き合う事を彼女も望んでしまったから。
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