無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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神獣白虎『ルナティ』

番の違い

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   これからの事を話し合う為、円卓に座す一同の中、極甘なカップルが一組。

   まぁ、此処では一組しか居ない、かな?

   誰かさんに腰を抱えられて、膝の上に座らされてカチンコチンに固まっている彼女、ナディアと始終ご満悦な麗人薬師。

    とんでもなく番に甘い彼と、戸惑い、全身を恥ずかしさに赤く染めるナディア。

   
   「恥ずかしいです。お願いです。降ろして下さいまし…… 」

   「これは番同士の特権ですよ。そんな事言わずに受け入れて下さいね。あ、まさか番を知らないって訳では無いですよね」

   「番の事は存じております。獣人だけの理だと思ってはおりましたが…… 」


   ナディアが番を知らない訳では無かったようだ。

   薬師は、周りの面子メンツを思いっきりスルーしてナディアにかまう。


   「私達が番を持つ時は、他の世界の面々とは少し違います。この世界も含めて、他の世界の者は運命により、番は端っから決められています。ですが、私達は、自分で番を創造つくるのです。まぁ、かなり条件が限定されますけどね」

   「つくる? 」


   ナディアの呟きに、周りの者達もほぉ~と、感嘆の声を上げた。

   意外と皆の興味を惹いたようだ。


   「えぇ、創造するつくるのですよ。貴女は、私が創造した番です。本来なら私の友人ともが貴女の身体を造る予定だったんですがね……。この世界を創造した者に浚われてしまいました」


   薬師が一瞬寂しそうな顔をすると、ナディアがちよこんと薬師の膝に座ったまま言った。


 「大丈夫ですよ。私はちゃんと此処に居ますから。凪様としての記憶は、残念ながら有りませんが、私は私。まだ何となくですが解るような気がするのです。ですから、私は薬師様を知る事から始めて、私を知って頂きたいと思っております」


   柔らかな声音で語るナディアを、思わず彼女の頭を撫でてしまう薬師に、ナディアは嬉しそうにはにかんでみせた。


   「え~っと、コホン。もうそろそろ本題に入っても宜しいですかな?」


   甘々な雰囲気をぶち壊す咳払いに、自分達の世界に入っていた薬師とナディアは、はた、と声の主の方を見やる。
  

   この言葉遣いからしても、想像し易いと思う。

   そう、忘れていませんか?

   この国の皇帝陛下の存在を。

   まぁ、此処に居るのに存在感の薄い人は、まだ居ますが、存在するだけで空気が変わる人が、複数此処に居ますので、霞んで(半ば強制的に存在感ゼロですね)仕舞うのは致し方有りませんよね。

   誰とはあえて言いませんが。

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