無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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神獣白虎『ルナティ』

みんな宜しくお願いしますね

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    「そやつらの名前じゃがの、1人ずつ呼ぶから覚えてやってくれの… 」


    晴明はそう言うと、剣とナディアを見比べて、名前を上げ始めた。


    「12神将は6人の吉将と6人の凶将で成り立っとる。先ずは吉将から紹介するかのぅ。六合りくごう


    晴明が1人目の名を呼ぶと、規則正しく並んで回転していた剣から一本がするりとナディアの前にやってきた。

     ナディアの目の前にやってきた細身の剣。

    其処にぼんやりと透けて顕れたのは、緑の髪色に緑の着物を着た少年。

    彼はニコッと笑うと、すっと綺麗な御辞儀をナディアにして見せた。             


    「次は、青龍」


    青龍は六合と同じように飛び出して来て薄く透けた姿を見せ付けた。

     勿論、その姿は青い姿の竜だった。      


    「天乙貴人。こ奴は12将のまとめ役じゃ」


    そう紹介されて顕れたのは、壮年の男性。

    威厳と言うのだろうか。

    ひしひしと感じられる男に、ナディアはカーテーシで「宜しくお願いしますね」と、挨拶した。       


    「次に天后。彼女は航海を司る女神じゃな。そして大陰に大裳たいも知恵の女神に天帝に仕える文官じゃな」


    そう晴明が一息に三人を説明すると、剣は次々と三本現れると各々が姿を現した。


天后は貴人と同じ位の年齢だろうか、物腰の柔らかそうなご婦人で、大陰はおっとりとした雰囲気を醸し出している老女であった。

    大裳は、天帝の文官だけあって、気難しそうな男だった。

 
    「以上六名が吉将と呼ばれる。さぁ、お前達、そのあるじと認めるのなら娘を鞘として収まるが良い」


    そう晴明は神将に声を掛けた。

    そして先ずは、六本の剣がナディアの中に収まった。

    残りは凶将六本だ。

    晴明はナディアを見て、


    「さぁ、残り六本じゃ。もう一頑張りするんじゃぞ」



    そう言い、彼女の勇気を奮い立たせた。   

    剣を胎内に収める。

    しかも、十二本だ。

    凪がやっていた事でも有り、晴明の手解きだ。

    間違いは無いのだと、良く解ってはいるつもりだ。      

    けれども、当たり前に怖いのだ。

    ナディアは深呼吸を兼ねて息を吐いた。


    「ナディア嬢、怖くて当たり前だから。でもコイツ等は貴女を傷つけたりはしないから、安心おし」 


    薬師が、ナディアを背中から抱きしめて囁く声音はどこまでも優しい。

    晴明はそんな二人を見やると、声高らかに宣言をした。


    「さて、これからは凶将六神じゃ。心せよ、ナディア」


    そう言われてナディアは一つ頷くと、剣を見やったのだった。


                                             
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