無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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神獣白虎『ルナティ』

魔法と神力

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    ナディアがリビングでのたうち回っている頃、亜空間から衣服を出した薬師は、少し緊張していた。

    何やかんやで予定外の事も多かったが、漸く会えた魂の片割れ。

    凪なら緊張感などからっきし無いのだが、己を覚えていないナディアにどう接して良いものか、思案に暮れる。

    総ては一からやり直し。

    関係性から何もかも。

    やりがいは有る。

    愛される、自信も。

   
    「考えたって仕方が無いね。成るようにしかならないさ」


    そう言い聞かせて寝室を出ると、ナディアがクッションを殴りつけて悶えていた。

    呆然と見続けていると、今度はクッションに顔を押し付けたまま固まっている。

    何だかほっとした自分がいる。

    ナディアはやはり凪だ。

    こんな所が変わってない。

    薬師は後ろからまるで今出て来ました感を装って、ナディアに、


    「ナディア嬢良いお湯だったよ。貴女も入ると…… 」


    と、声を掛けた。


    「あ、あ、あぁぁ~っ!  薬師様っ、こっ、コレはですね、、あっ、御髪、濡れたままですわっ! 乾かしてしまいましょう!! 」


    薬師はタオルの間から、ナディアを盗み見てクスリと笑う。

    慌てきってドモる姿が愛らしい。

    そう思ったらしい。

    
    「ん、ありがとう。でも女性と違って髪短いからタオルで拭いておけばすぐ乾くよ」

    「でも生活魔法の乾燥を使えばあっと言う間ですからね」


    言えば飛ぶように帰って来る返事に薬師は関心しつつ、思った事を口にする。


    「魔法かぁ、楽しそうだね」

    「うふふふ」


    まるで子供みたいに瞳を煌めかせる薬師に、ナディアが優しげに、かつ、楽しそうに笑う。


    「じゃあ、一度体験してみようかな」


    これまた楽しそうに言う薬師に、ナディアは人差し指を立てて、「乾燥」と、一言呟いた。

    すると暖かな風がふわりと髪の毛を撫でて立ち上って行った。

    一瞬、ドライヤーの風が髪の毛の中を一本一本駆け抜けた様だ。

    そんな風に巻き起こった風が一瞬の内に頭を乾かしたのだった。

    そんな魔法に薬師は素直に感心した。


    「へぇ…コレが魔法なんだね」


    初めて『魔法』成るものに接して感心する薬師。

    ナディアは、ソファーに腰掛ける薬師の隣にぶんどって、不思議そうに彼に聞いた。


    「薬師様の使用されるお力は魔法では無いのですか? 」


    「うん?  あぁ、全然違うモノだよ。俺や日光月光の使う力は『神力』『神通力』とも言ってね力の成り立ちから違うと思う」


    そう言って、薬師はナディアを見つめた。





🌿お知らせ🌿

作中にて失礼します。
『青碧の魔術師』完結に当たり、新作を公開しております。
『悪役令嬢にされた白雪姫のひとり娘は人形使いに恋をする 』です。
あらすじを載せていますので此方も読んで頂けると泣いて喜びます。


侯爵令嬢のサクラ=レナ=ストレインは10歳のある日、偶然、断罪の場に立ち会ってしまった。
家族と共に見た、粛正者と呼ばれる法の番人の行う断罪は、罪を犯した者に取って厳しいものであった。
銀色の髪に赤い瞳の粛正者に、目が離せないサクラは、10歳にして粛正者の彼に恋をする。
そして6年の歳月が経ったある日、サクラは何でもない相手から(婚約者でも何でもない赤の他人)無実の罪で断罪にあう。
そう、その人はただ単に、悪役令嬢が欲しかったのだ。
そんな理由で悪役令嬢にされたサクラの前に現れたのは、10歳の時出会った初恋の青年、『銀の粛正者』扇  睦月だった。
しかも、彼は6年前と寸分違わぬ姿で現れ、濡れ衣を着せられたサクラを、庇ってくれたのだ。



白雪姫の一人娘である侯爵令嬢サクラと、銀の粛正者と呼ばれる謎多き人形使い、扇  朔夜との甘くて苦い恋物語。



どうぞよろしくお願いします。



    
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