無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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神獣青龍『香燕』

極彩色の楼閣

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 「あの奥に青龍様が……。 早くお助けしなければ…… 」


 そう言うナディアに、薬師は頷くと「そうだね」と肯定した。


 「行きましょう…… 」


 皆の表情が引き締まる。

 日光月光が薬師やナディアを護るように左右に陣取って滝の裏に回る。

 其処には人二人がギリで並んで入れる程度の広さの洞窟の入口がぽっかりと開いていた。




 少し洞窟を進むと開けた場所に出た。

 其処に聳え立つ極彩色の館。


 「すんっげー極彩色の楼閣だわさ…… 」

 「そうですね。まるで十二国記の世界の建物さながらですね」

 「珍しいな、お前が小説を引き合いに出すなんて」

 「とても綺麗な建物ですね。初めて見ました」

 「全然変わんないなぁ。変わったのは僕…… 」


 等と、三者三様の言葉を呟いて、建物を見上げる四人と一匹。

 しんと静まり返った建物は、明るい色を放つが、どことなしか不気味に見えた。


 何だろう……、嫌な予感がするんだよ……、さっきから……。


 薬師は建物を見上げながら、一抹の不安を抱え息を吐いた。




 意を決して観音開きの金箔が貼られた扉を引きあけると、必要以上に広いホールが広がっていた。

 異様な大きさに何となく振り返ってみると、開け放った扉とは違う大きさが半端無い扉が其処にあって何となくこの大きさに納得した。

 自分達が開けた扉は、巨大扉の隅っこにくり抜くように作られた小さい扉だった。


 うん、まるで猫にでもなった気分ですね。
成る程、あの大きいのが龍専用で、小さいのが人間専用な訳ですね。


 と、一人納得する。


 そうこうしていると、正面に誰かが現れた気配がした。

 扉から視線を外し、正面を見据えれば、まるで金魚の尾鰭を彷彿とさせる裾を閃かせ、黒髪の女が階段を降りてきた。

 色とりどりの領巾を身に纏い、靡かせて降りてくる姿は黒髪の美しい女で。

 両手を広げ前に突き出し、爛々と輝く瞳は正気を感じさせなかった。


 「はくりゅーっ、白龍、白龍っうっ!! 」


 女はそう叫びながら、どんっっと、薬師に体当たりをしつつ抱き込み、青龍の姿へと転身した。

 ほんの一瞬。

 薬師ですら対処出来ない素速さで、青龍は薬師をかっさらってその場から消え去った。


 「えっ……、ちょっ……、今の、何? 」


 何が起こったのか。

 月光が呆然と呟くが、何が起こったのか理解出来るほど頭の中は正常に動いて無かった。


 「やっ、やだっ、嫌ですっ、薬師様っ…… いや─────っっ」


 ナディアが半狂乱で泣き初めて、漸く日光が、


 「追いかけますよっ! っとに、あの人は馬鹿ですかっ!? 」


 そう言って日光が消えた青龍を追い掛ける為踵を返した。

 時だった。


 『待て、今は捨て置け…… 』


 そう返した声があった。


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