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蜜月
蜜月⑦🚫
しおりを挟む処女だと言うのに、たいした痛みも伴わず直ぐに快楽の波が襲い来るのは、薬師の送り込んだ唾液のせいだった。
媚薬。
彼自身がそれそのものだった。
だから、ナディアは断続的な切ない声で、薬師を求めてしまう。
気持ちいい、気持ちいい。
突かれるたびに、こぽっと歓喜の蜜が溢れてくる気がする。
「あああっ、櫂、気持ちいい。どうしよう、櫂さまっ、気持ちいいっ」
ナディアは譫言のように呟く。
「俺もだよ、ナディア。はっ、お前の中……なんだよもう、俺を……もって行く気かよっ。お前とのセックスが、よすぎて俺、死んでもいい」
悩ましく感じている表情を顔に浮かべる薬師を見ると、ナディアはそれだけで快感が増してくる。
「櫂っ、櫂っ」
「ナディア、顔見せて。俺ので啼いて? ナディア、好きだよ」
「好きっ、櫂っ。わたくしも貴方が好きっ、ああ、すごく気持ちいい、あああ……好き」
重なる唇も抽送で揺れ、開いた唇の距離から悩ましい吐息が漏れては、愛おしくてたまらずにまた唇を重ねた。
「ああ、くそっ、たまんない。いつも以上に愛されていると思ったら! は……奥すっご、うねってるっ」
真横にいる薬師の顔が苦悶の表情をして、はっはっと苦しそうな荒い息をつきながら、ナディアと目が合うと、唇を貪る。
「ナディア、孕めっ……今こそ、俺の子をっ…… 」
「櫂っ櫂っ、……早く、赤ちゃん頂戴! ……嬉し……ああああんっ、激しいっ、駄目、お腹に子供がっ…… 」
「あぁっ、やるよ。全部お前の中に……、こぼさず全部受け取れっ!! 」
卑猥な音をたてる結合部分から、互いの淫液が攪拌された粘液が、ナディアの太股に伝わってくる。
「あぁ、あぁ、来る。くるわっ、中に、中に欲しいっ、早くっ、私の中にっ、櫂っ」
「……っ、ナディア、ナディアっ、……俺っ……」
「あああ、一緒に。一緒に、かいっっ」
キスをしながら快感に粟立つナディアの身体が反り返るのと、彼女の中でぶわりとさらに大きくなった薬師とが同時だった。
ナディアは絶頂を迎えながら、無意識に両足を折りたたむようにして、薬師の腰に両足を絡みつかせ、彼の精を最奥で浴びようとした。
「櫂、下さいっ。櫂っ……っ」
薬師は、悲鳴にも思える……気合いを入れるようなかけ声をかけると、ナディアの中に震えながら吐精した。
熱いものを中感じた悦び。
ナディアは、白濁液に宿った命が、たった一度のまぐわいで宿った事を確信した。
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