無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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番外編:ソラシア帝国大舞踏会

怒ると無表情になります

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 「お前がこの大地に転生させた私の番は今、何処に居る」


 薬師のその問に、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしたのは、言わずと知れた弥勒であった。

 当たり前だが、薬師の番は今彼の隣にいる。

 目は口程に物を言う、的な表情でおもわず視線をちらりと薬師の隣に向ける弥勒は、其処で初めて「離せ!、コレを退けろ! 」と、喚き散らす獣人わんこに気付いた。


 「薬師如来、コレは一体何でしょう? 」


 薬師にこう質問した弥勒にしても、狼獣人はコレ呼ばわりである。

 それ以前に、周りの貴族、王族が注視したのは、この世界の創造主が目の前の麗人を付けで呼んだ事だ。

 普通なら有り得ない。

 目前の弥勒は創造主なのだから。

 信仰の中、唯一出回っている弥勒菩薩半跏像は、皆が知る所の彼の姿であり、その儘の姿のが、誠意と礼節を尽くし敬う相手が何者なのか、皆が興味を示すのは当然の事と言えた。

 興味深く男を見ていた弥勒が、薬師に顔を向けて言った。


 「薬師様、この狼獣人は何故かのひとの護衛つるぎに縫い止められているのですか? 」


 全く持って理解出来ないと首を捻る弥勒に、薬師はにっこりと笑んだ。

 そんな彼を見て、弥勒は背中に悪寒が走るのを感じて、ゴクリと喉を鳴らした。


 ── うわぁ……、マジですか?  薬師様、目が笑ってませんよ。怖いです、あぁっ、額に青筋までっ………。私、死亡ですね、うん確実に死んだっ!  ──


 なんて事を、脳内展開していても、顔に出ない出さない、流石神様。

 同じく怒りを顔に出していない薬師は、微妙に弥勒の顔が引きつって居るのを確認して、彼の問に返答した。


 「このわんこが「俺は犬じゃないっ!! 」ナディアを己の番扱いした。この状況は襲い掛かってきたこの犬をナディアが成敗した結果だな…… 」


 薬師が弥勒に説明していると言うのに、犬扱いされた俊傑が抗議の声を上げたが、完全に無視をされている。

 しかし、このバカさ加減はこの男の持ち味なのか、はたまた、獣人の頭が若干劣るのか。

 まぁ、きっとこの件に関しては、前者だと思いたい。

 きっと彼の周りには、常識を教えてくれる人が居なかったのだろう。

 その結果がコレだった。


 「このっ、無視するなっ! 」


 いやはや、無知とは何気に恐ろしいものである。

 薬師が俊傑を見やった。

 それはもう、感情を削げ落とした冷たい瞳で。

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