無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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番外編:ソラシア帝国大舞踏会

女騎士登場

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 「こら、其処の犬。私はお前に発言を許した覚えは無い。他の者が静かに見守って居ると言うのに、お前は逸れすら解らないのか? 」


 怒ってはいない。

 けれど口調はぞんざいで、どっち付かず。

 そんな声音で諭す薬師に対して、俊傑は、何処までも愚かだった。

 この場所へ招待された立場にしても。


 その時だった。

 薬師の足元へ脱兎の如く現れ、平服する人物がいた。

 驚いたのは、薬師意外の人物。

 平服しているのは、文字通りの兎耳と尻尾を持つ、騎士服の女騎士だったのだから。


 「うさぎさんですわ、薬師様」

 「あぁ、そうだね…… 」


 こそっとお互いに耳打ちする、薬師とナディア。

 本当に、もう二人の間に獣人に対する怒りは無い。

 何せ二人共、もふもふが好きなのだ。

 それに、ナディアが薬師の番なのは、周知の事実。

 そうではないと主張し続けるのは、俊傑だけなのだ。

 平服するうさぎ獣人が、プルプルと震えながら床に頭をこすりつけて言った。


 「どうか、どうか、我が主をお許し下さい! 主の非礼は私の命にて償わせていただきます故、何とぞお許しを! 」


 そう言ったうさぎ獣人は、流石騎士だけあって潔い。

 すぐさま自分の心臓を貫かんと隠し持っていたナイフを胸に当てた。

 それは、短剣のような小さくて鋭い巷で言うナイフとは違う。

 それ以前に、武器など入場前に取り上げられている。

 故に、うさぎ騎士が手にしていたのは、食事の時に使用するナイフであった。

 それでも、角度をたがえず垂直に心臓を刺せば絶命出来るのだ。

 その方法で、己を滅しようとしたうさぎ騎士は、グサリと心臓を突いた瞬間、目をパチクリとさせた。

 当たり前だ。

 元々必要以上の殺生は、しないさせない主義の薬師の目を盗むのが難しいのだから。


 「リーリア!! なんて事を!? 」


 流石の狼獣人も、部下が傷付くのは嫌らしい。

 叫ぶような声を上げた。


 「本当に、獣人とは短絡的で単細胞ですね」


 と、弥勒が言うと、


 「それは、人間も変わりない。無論、神と呼ばれる者にもな………… 」


 と、言葉を返すのは薬師である。

 二人揃えば、通常会話ですら討論となってしまう。


 「神よ! 創造主よ! 何故貴方は其処の男に寛大な御心で接するのですか!? 」

 「主様!! 」


 何というか、叫ぶように訴えるこの男、うさぎ騎士のリーリアの、命懸けの気持ちに報いる気持ちは無いのか。

 何処まで愚か者なのだろう。

 今となってはもう番云々よりも、薬師に一矢報いたい、そんないらぬプライドだけにこだわり続けて居るように見える。

 それは、この場に居る全員が感じ取ってしまっていた。


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