無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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番外編:ソラシア帝国大舞踏会

大円団……でしょうか?

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 薬師が何を言ったのか。

 瞬時には理解出来なかった俊傑。

 薬師の言葉を噛み締め、理解した時には口をあんぐりと開けてしまう始末に、薬師は、苦笑いを表情に刻んだ。

 そう言う所作が人間臭い。

 それが薬師の良い所だとも言える。

 俊傑、彼の事は、薬師が認めるまでかなりの努力が必要となる事だろう。

 俊傑がどうなるかは、彼次第。


 「せいぜい精進する事ですね。貴方の場合、かなりの努力が必要となるでしょうね……。検討をお祈りしますよ。誰に……とは、申しませんが…… 」


 薬師はそう言うと踵を返した。

 彼を待つ愛しい妻と義理の両親の元へ。


 「もう帰りましょう。色々有りましたし、皇帝には祝辞を頂きましたしね。問題は無いでしょう? 」


 薬師が義父に問い掛けると、彼はコクリと頷いた。

 そんな彼等の背中に向かって、投げ掛けられた大きめな声。


 「俺だって、このままでは終わらないから、絶対」


 掛けられた声は俊傑のもの。

 ハッキリとした意志が薬師の背中に当たる。

 彼は俊傑に背中を見せたまま、ふっと片方の口角をあげた。


 「私の屋敷は世界樹ユグドラジルの根元に有ります。待っていますから、何時でもいらっしゃい。何度でも、産まれて来るむ共々相手をして差し上げますよ…… 」


 そう言ってひらひらと手を振った。


 「ちょっと待ってよ! 薬師! 私はどうしたら良いのですか!? 」


 帰ろうとする薬師に、慌てて声を掛けたのはこの世界の創造主。


 「用は済んでいます。帰っても宜しいですよ………、弥勒」


 つれなくもにっこり笑ってそう言う薬師に、慣れているのか、弥勒はめげなかった。


 「呼び出しておきながら、用が済んだら帰れですか? 酷いですよねぇ。お茶くらいご馳走して下さっても罰は当たりませんよ」


 と弥勒が言えば、暫し考え込んだ薬師が仕方が無いと息を吐く。


 「お好きにどうぞ。歓迎はしませんけど、お茶くらいなら出して差し上げます」


 と、辛辣に言い放った。


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